※この記事は「ライディングスポーツ ドットコム」で2021年2月17日に公開されたものを転載しております。
2020年シーズンはMotoGPクラス初優勝を達成したKTM。2021年はレッドブル・KTM・ファクトリー・レーシングがブラッド・ビンダーが継続、ミゲール・オリベイラはサテライトチームのテック3・KTMからファクトリーチームに移籍した。
テック3・KTM・ファクトリー・レーシングは、イケル・レクオナが継続。ベテランのダニロ・ペトルッチが新規加入した。
KTMのモータースポーツダイレクター、ピット・バイラー氏は2021年シーズンに向けて次のように語っている。
「MotoGPクラスで優勝することを夢見てプロジェクトはスタートした。それを達成したことは素晴らしいが、振り返ることはしない。すでにタイトルコンテンダーとなった。チームのスタッフにはプレッシャーとなっているはずだが、二つの勝利で夢が実現したことをうれしく思う。今は新しいシーズンが始まり、全てがゼロからのスタートとなる。ライダーが無事に最終戦まで走り切り、成功したレースを振り返ることができれば2021年に満足するだろう。それが目標でもある」
MotoGPクラス2年目となるブラッド・ビンダーは、1年目の2020年に初優勝を飾り、ランキング11位、ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得した。
「2020年は全体的にいくつかの好リザルト、ボクとKTMの初優勝など多くのことを達成したと感じるシーズンだったけど、もっと多くのことができるポテンシャルがあった。確かに改善にトライするマージンは少し小さいが、昨年はシーズンが進むにつれ、途中で小さなスランプがあったけど、ものごとはよくなって行ったと思う。結果だけでなく、週末とセッション毎のアプローチが改善されたと手応えを感じた。現時点では、本当に本当に強力なパッケージがあると感じている。ボクたちはよい方向に進み、今年もバイクに乗れることにとても興奮している」
サテライトからファクトリーにチームを移籍したミゲール・オリベイラは、昨年は初優勝を記録。ランキング9位を得た。
「チャンピオンになるためには、同時にたくさんの細かいことが必要だ。シーズンの進行や展開に応じて、通常、プロジェクトを通じて成功を収めて行くことができる。4位が非常によい結果になり、2位が期待に応えられない結果となるときが時々あるけど、プロセスを実行する必要があり、今はまさにそのプロセスのスタートのベースだ。成功だと考える結果の基準を設定しているところ。確かに2020年よりもよく、いいスタートを切ることができる。勝てるバイクだと知ることは、自信の一つにはなるが、同時に、当たり前のことは何もできず、成功を繰り返すことになると、それは難しくなってしまうことから、静的な仕事だと見なしていない。このチャンピオンシップで非常によいレベルを維持するには、毎年何かを積み上げる必要があると思う。ファクトリーチームでより細かい仕事に取り組むことができ、少なくとも、よりコンスタントになれると感じる。これがファクトリーチームが与えてくれるツールだと思う。自分の仕事に自信がある」
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ドゥカティファクトリーチームから移籍するダニロ・ペトルッチは、サテライトのテック3からの参戦となる。昨年は1勝を記録したものの、ランキング12位に留まった。
「参戦10年目。10周年を祝うためにKTMで走ることは大きな誇りだと思う。テック3は最も戦闘力のあるチーム。KTMは昨年2勝を挙げたことから、彼らと一緒に走ることが本当にうれしい。必要なファクトリーサポートが受けられ、本当にいい環境だ。バイクを試すこと、チームのみんなを知ることに本当に興味がある。このファクトリーに経験を提供したい。1年間に起こるかもしれない多くの状況を知っている。3人のライダーたちは非常に速く、戦闘力が高い。ボクは最も経験があるけど、彼らよりも速くなりたい。彼らと戦い、バイクを成長させるために意見を共有したい。最終的にシーズンに満足し、全てのKTMの人たちを幸せにすることが目標。速くなることが最も重要だ」
昨年は急きょ、MotoGPクラス昇格が決まったイケル・レクオナ。シーズン終盤には新型コロナウイルスに感染し欠場したため、ランキング20位に留まった。
「MotoGPクラスはフィジカルの要求が非常に厳しく、完璧なフィジカルコンディションに整える必要があることから、この冬は懸命にトレーニングを積んだ。2021年は2020年のシーズン終盤に到達したレベルから始めたい。全員が強い。レベルは非常に高いけど、ボクのチームはいい仕事をしている。2020年型のバイクは大きなステップを果たした。コース上で全力をつくす自信がある」