自分で愛車のメンテナンスをしたいけれど、「締め付けトルク」が分からず踏み切れないという人も多いだろう。KTCから発売された便利なデジタルトルクレンチ「トルクル」を紹介する。
文:太田安治/写真:南 孝幸/モデル:平嶋夏海

KTC「トルクル」をテスト&レポート

画像: KTC TORQULE 税込価格:3万2780円 [仕様] トルクル10N・m(差し込み角6.3sq. 測定範囲2~10N・m)/トルクル80N・m(差し込み角9.5sq. 測定範囲8~80N・m)/トルクル200N・m(差し込み角12.7sq. 測定範囲40~200N・m)

KTC TORQULE

税込価格:3万2780円

[仕様] トルクル10N・m(差し込み角6.3sq. 測定範囲2~10N・m)/トルクル80N・m(差し込み角9.5sq. 測定範囲8~80N・m)/トルクル200N・m(差し込み角12.7sq. 測定範囲40~200N・m)

スマホアプリとBluetooth通信で作業効率アップ!

ウェブ記事や動画を参考にして、ブレーキパッド交換やマフラー、サスペンションの着脱といった整備を自分で行う人が増えている。そこで重要になるのがボルト/ナットの締め付けトルク。

素人作業の多くはオーバートルク(締め過ぎ)で、ネジ山を崩したり、ボルトの伸びや折損を起こすケースが少なくない。トラブルを避けるためにはトルクレンチを使い、マニュアル記載の締め付けトルクに合わせることが基本。

トルクレンチにはプレセット型、プレート型、ダイヤル型などがあるが、オートバイメンテのDIYなら設定が簡単で締め付けトルクをリアルに監視できるデジタル型が使いやすい。

KTCの「トルクル」は、純粋なトルクレンチではなく、トルクを計測するセンシングデバイス。用途や作業部位に応じて手持ちのラチェットハンドルやT型ハンドルと組み合わせられる。専用アプリをインストールしたスマホとBluetooth接続して目標トルク値を設定すると、設定値に近づくにつれてスマホ画面の色が黒→灰→緑へと変化し、適正値寸前から音や振動でも通知してくれるので画面を見続けずに済む。設定値を超えると赤いマークで警告してくれるのでオーバートルクの心配もない。

締め付けトルクは安全性はもちろん、ハンドリングなどの走行性能にも大きく影響する。ワンランク上の作業精度を実現する心強いツールだ。

画像: 表示部や設定ボタン類を持たないためトルクル本体はコンパクト。多様なハンドル類と組み合わせやすいから奥まった場所での作業性もいい。

表示部や設定ボタン類を持たないためトルクル本体はコンパクト。多様なハンドル類と組み合わせやすいから奥まった場所での作業性もいい。

画像: 専用アプリをスマホにインストールし、Bluetoothで接続。目標トルク値や各種の設定はスマホ画面で簡単に行える。

専用アプリをスマホにインストールし、Bluetoothで接続。目標トルク値や各種の設定はスマホ画面で簡単に行える。

設定値を超えると赤い警告マークが現れ、警告音が鳴り、アプリ側には作業ごとの最大トルク値が記録される。

設定値(写真では10.0N・m)に近づくと画面の色が変わり、音と振動(任意にオン/オフ可能)で通知。

太田安治の欲張りリクエスト
 
スマホ画面での表示が見やすく、音と振動による通知も認識しやすいが、逆に言えば単体では使用不可なので、じっくり丁寧に作業する人向け。表示と警告音だけの機能を備えた簡易的なリモコンがあってもいいと思う。

文:太田安治/写真:南 孝幸/モデル:平嶋夏海

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