文:太田安治/写真:南 孝幸/モデル:平嶋夏海
KTC「トルクル」をテスト&レポート
スマホアプリとBluetooth通信で作業効率アップ!
ウェブ記事や動画を参考にして、ブレーキパッド交換やマフラー、サスペンションの着脱といった整備を自分で行う人が増えている。そこで重要になるのがボルト/ナットの締め付けトルク。
素人作業の多くはオーバートルク(締め過ぎ)で、ネジ山を崩したり、ボルトの伸びや折損を起こすケースが少なくない。トラブルを避けるためにはトルクレンチを使い、マニュアル記載の締め付けトルクに合わせることが基本。
トルクレンチにはプレセット型、プレート型、ダイヤル型などがあるが、オートバイメンテのDIYなら設定が簡単で締め付けトルクをリアルに監視できるデジタル型が使いやすい。
KTCの「トルクル」は、純粋なトルクレンチではなく、トルクを計測するセンシングデバイス。用途や作業部位に応じて手持ちのラチェットハンドルやT型ハンドルと組み合わせられる。専用アプリをインストールしたスマホとBluetooth接続して目標トルク値を設定すると、設定値に近づくにつれてスマホ画面の色が黒→灰→緑へと変化し、適正値寸前から音や振動でも通知してくれるので画面を見続けずに済む。設定値を超えると赤いマークで警告してくれるのでオーバートルクの心配もない。
締め付けトルクは安全性はもちろん、ハンドリングなどの走行性能にも大きく影響する。ワンランク上の作業精度を実現する心強いツールだ。
太田安治の欲張りリクエスト
スマホ画面での表示が見やすく、音と振動による通知も認識しやすいが、逆に言えば単体では使用不可なので、じっくり丁寧に作業する人向け。表示と警告音だけの機能を備えた簡易的なリモコンがあってもいいと思う。
文:太田安治/写真:南 孝幸/モデル:平嶋夏海