文:宮崎敬一郎/木川田ステラ/写真:柴田直行
カワサキ「メグロ K3」ライディングポジション・足つき性
シート高:790mm
ライダーの身長・体重:176cm・68kg

シートは肉厚で快適。車体も程よくスリムなので足着きは良好。車格もこのクラスの中では比較的コンパクトで、小柄なライダーにもお奨めできる。上体が直立してハンドルに手を添えるだけになる姿勢なので、下半身のホールドを意識して乗るといいだろう。

カワサキ「メグロ K3」タンデム(2人乗り)チェック

パッセンジャー・木川田ステラの感想
シートのタンデム部の長さは少し短めな気もしますが、ライダーに抱きつきやすく、サイドにはグラブバーもあって体を安定させやすいので、タンデムを安心して楽しめます。心地よい独特のパルス感、穏やかで渋みのあるサウンドを聞くことができて、いつもとはちょっと違う、特別なバイクに乗っているんだと実感しました。
カワサキ「メグロ K3」各部装備・ディテール解説

H2と同じ銀鏡塗装を採用するタンクには、スクラッチ傷に強いハイリーデュラブルペイントのコートが施される。エンブレムはアルミプレス製。

W800譲りの空冷OHCバーチカルツイン。ベベルギアカバーにはレッドのワンポイントが入り、メグロブランドのDNAを感じさせる。

メカニズム的にはW800と基本的に同じで、エンジンのキャラクターも同じだが、趣のある佇まいがブランドの伝統を実感させる。

往年のメグロ車がクランクケースに入れていた「メグロ」ロゴを、サイドカバーにあえて小さくレッドで配置。センスの良さを感じさせる。

キャブトンタイプのサイレンサーはW800と同仕様。重厚感のあるサウンドはクラシックバイクにふさわしい、渋みあるものだ。

現行型からW800がリアのブレーキもディスク化されたのに伴い、メグロK3もリアブレーキはディスクを採用、
高い制動力を確保する。

ショックユニット自体はW800のものと同じだが、往年のメグロテイストを表現するため、リアショックにはカバーを追加。

ABSを標準装備しているあたりに、K3が最新モデルであることがうかがえる。ホイールやブレーキはベースのW800のものと同様。

ヘッドライトは最新のバイクらしく明るさに優れるLEDヘッドライトを採用。ウインカーはレトロな電球タイプだ。

メグロK3はW800ストリートが採用する、ブラック仕上げのアップハンドルを搭載。

W800
こちらはベースのW800が採用する、いわゆるコンチハン。ショートだがマシンを安定させやすく、スポーティな走りに向いている。

メグロ K3
メグロ K3のアップハンドルは旧車らしい優雅なシルエットの演出にも一役買っている。

メーターベゼルは黒色酸化皮膜処理を施したもので、ホワイトの文字盤も専用品。スピードメーター下部に
はメグロのロゴも入る。

スイッチボックスはW800と同じもので、ハザードも備えた最新仕様。グリップヒーター(グリップ脇グレーのボタン)、ETC車載器も標準装備。


ホワイトのパイピングが施されるダブルシートは、W800のタックロールとは異なり、プレーンな表皮。後端にはカワサキロゴが入る。

シート下はバッテリーや各種メカでびっしりだが、後部にはETC2.0車載器を標準装備し、現代のバイクらしさをのぞかせる。

テールランプ、ウインカーはW800と同じものを採用。リアフェンダーは車体同色のブラック仕上げとなっている
カワサキ「メグロ K3」主なスペック・価格
全長×全幅×全高 | 2190×925×1130mm |
ホイールベース | 1465mm |
最低地上高 | 125mm |
シート高 | 790mm |
車両重量 | 227kg |
エンジン形式 | 空冷4ストOHC4バルブ並列2気筒 |
総排気量 | 773cc |
ボア×ストローク | 77×83mm |
圧縮比 | 8.4 |
最高出力 | 38kW(52PS)/6500rpm |
最大トルク | 62N・m(6.3kgf・m)/4800rpm |
燃料タンク容量 | 15L |
変速機形式 | 5速リターン |
キャスター角 | 27゜ |
トレール量 | 108mm |
タイヤサイズ(前・後) | 100/90-19M/C(57H)・130/80-18M/C(66H) |
ブレーキ形式(前・後) | Φ320mmディスク・Φ270mmディスク |
メーカー希望小売価格 | 127万6000円(消費税10%込) |
文:宮崎敬一郎、木川田ステラ/写真:柴田直行