もてぎの開幕戦、鈴鹿2&4と終わって、全日本ロードレースは第3戦、スポーツランド菅生大会。九州から東へ向かって梅雨入りしている日本列島ですが、東北地方はもう少し先、週末は日本全国いいお天気でしょう、なんて予報に安心して出かけたんですが……甘かったかぁ……。
通常、シリーズレースは土曜と日曜がレースDAY、金曜に事前走行が行なわれるスタイルなんですが、その金曜の事前走行が、午前中こそ走れたものの、午後は霧で真っ白で走行できず、その後に風と雨。その頃からイヤーな予感はしていたんですが……。
明けて土曜は、明け方まで雨が降っていて、8時9時には曇り空へ。そのままウェット路面のまま一つ目の走行であるJP250クラスの公式予選が始まったんですが、この時間帯はウェット路面のまま。時折雨が降ったりゃんだり、ってコンディションでした。
そして走行時間帯は続き、J-GP3/JSB1000/ST1000/ST600の公式予選へ。JSB1000n途中くらいから路面も徐々に乾き始めて、スリックタイヤで走行するライダーも増えてきたんですが……。
お昼休みくらいから、スポーツランド菅生の山間あたりからもくもくと霧が発生しはじめます。あれれ、まるで昨日みたいだね、なんてチームのひとやメディアの僕らがお話ししていると、霧は止んだり濃くなったりを繰り返しながら、気が付いたらあたりは霧で真っ白!
JP250クラスの決勝レースがスタートする予定だった14時を過ぎても真っ白、でJP250がまず中止決定に。その後、霧が晴れるのをギリギリまで待とう、とJSB1000クラスのミーティングが行なわれ、15:30まで待って霧が晴れたら、25周の予定を20周に短縮してやろう!と決定。
けれどそんな間にも霧がすっかりあたりを包んでいて、残念ながらJSB1000クラス決勝レース1の中止も決定されてしまいました。
はるばる遠くから菅生へ来たのに中止、ってJP250の関係者の皆さんは残念でしたが、自然の力には勝てませんね。菅生大会は、たびたび霧に悩まされて、過去には決勝レースが中止になったケースもありましたが、MFJカップであるJP250は別にして、決勝レース1が中止になったJSB1000クラスには、予選順位に応じてハーフポイントが与えられることになりました。
「JSB1000どころか全日本選手権で初めてですよ」って、初めてのポールポジションを獲得した津田一磨(BabyFace Powerd by YOSHIMURA)にとっては、悔しい幻のポールポジションになりましたね。
では、各クラスのポールポジションインタビューを!
J-GP3 小室 旭 Sunny moto Racing
「事前走行からマシンにちょっと電気系トラブルがあって、僕のマシン(KTM RC250)のいいところであるトップスピードに影響があったんですが、ウェット路面のおかげでそれが大きな足かせにならなかったのがラッキーでしたね。雨でも晴れでも準備はできているので、決勝レースまでにもう一回マシンをしっかりチェックして決勝に臨みたいです」
ST600 荒川晃大 MOTO BUM HONDA
「ことしからニューマシンになっても、変わらずいいフィーリングで乗れています。予選ではトップタイムが出せてポールポジションが獲れましたが、僕の課題はタイムは出るけどそれをレース周回ずっとキープできない、というところで、開幕戦のもてぎもそういう展開で表彰台に乗れずに6位でした。今回はそこをテーマに、最後まできちんとペースを考えて走りたい」
ST1000 渡辺一馬 Astemo Honda Dream SI-Racing
「前に走行したJSB1000クラスが後半スリックだったので、最初からスリックで、サスペンションもドライのセッティングです。いつ雨が降り出すかわからなかったので、1周1周、これがドライの最後のチャンス、って思って走りました。ドライのセットでも事前テストでまとまっているので、雨でも晴れても、いいフィーリングで走れています。僕もわがままでチームにたくさん希望を出しているので、予選とはいえトップって結果を持ち帰れてよかったです」
JSB1000 レース1 津田一磨 BabyFace Powerd by YOSHIMURA
「残り時間を見ながら、さぁもう1周アタックだ!って周にチェッカーが出てしまって、あぁぁアタックできなかったあ、と思ったらそれがポールポジションで、あれあれあれ?て感じでした。去年からヨシムラチューンのバイクに乗れるようになって、チームが僕の走りやすいようにどんどん体制を作ってくれるので、やっとひとつ結果が出せた、と思います。もちろん、いちばん大事なのは決勝ですけどね。ウェット路面スタートでどんどんかわいていくコンディションのなか、たぶん真っ先にスリックに変えようとピットん入ったんじゃないかな。準備しといて、ってお願いしていても、チームのみんなは『ええ、もう?』って驚いてましたから」
JSB1000 レース2 中須賀克行 YAMAHA FACTORY RACINGTEAM
「雨もどっちつかずで、まず昨日の走行で使ったレインタイヤのテストをして、もう一本ニューのレインタイヤで出て行ったんですがすぐにヒートしちゃうくらい路面は乾いていて。それで、残り5~6分でスリック履いてコースインしました。走れたの3周かな? 津田君には及びませんでしたが、レース2のポールは獲れてよかったです。スリックで出てすぐは、ライン外すとすぐ滑っちゃうような状況で。今回、コースがところどころ新しくなって、1コーナーのところの路面貼り替えのところがちょっと気になったので、注意して走ってました。その他は順調に進んでます!」
写真/木立 治 後藤 純 文責/中村浩史