文:西野鉄兵/写真:森 浩輔、西野鉄兵
バイク乗りと相性のいいボディバッグといえば、リュックサック=バックパックですよね。
とくに防水タイプは、毎日バイク通勤や通学する人にはおすすめといえるでしょう。西野も直近2年間ほとんど毎日防水リュックとともにバイクライフを送ってきました。
そのバッグがヘンリービギンズの防水バックパック「DH-739」です。
なぜ2個あるかというと、新調したから。どうせだったら違う製品を買ってみようと思っていろいろ探したのですが、結局同じものを選んでしまいました。
毎日使う防水バッグに求めたいのは、たしかな防水性と使い勝手の良さ
日々バイクに乗って使うことを考えると、防水性は不可欠。
ライダーのみなさんが防水リュックを選ぶ際に、必ず気をつけてほしいポイントがあります。それはバッグの構造の確認、本当に「防水」できるのか、のチェックです。
世の中には表面素材がターポリンで見た目は防水に見えても、全然雨から中身を守ってくれない製品があふれています。「撥水」「防滴」という言葉も要注意。このタイプは防水ではありません。
これを勘違いし、中身をびしょ濡れにしてしまったライダーをツーリング先で何度も見ています。
防水風のバッグが悪いといっているのではなく、防水風であることを理解したうえで使用しないと痛い目をみてしまう、ということです。
防水性の高さは、縫い目と開閉方式を見ればだいたい把握できます。
ヘンリービギンズ「DH-739」は、完全防水ではないとしているものの、ロールクロージャー式の開閉システムを採用しており、メイン気室の中身が濡れてしまうことは2年間使っていて一度もありませんでした。
もうひとつ、“毎日のように使う”ことを想定したときに気にしたいポイントがあります。それは雨が降っていない日にも使いやすいリュックであるか、ということ。
雨が降っている時間よりも降っていない時間の方がはるかに長いわけで、しかも実際にリュックを背負っている時間は毎日使ったとしても通勤中など移動しているときのみ。
市場に出回る防水性を誇るバッグは、雨対策を重視しすぎるあまり、普段の使い勝手をないがしろにしてしまっているものが多く感じます。
ユーザーにより求める条件は変わるでしょう。「DH-739」は、そこそこの防水性能と普段の使い勝手の良さを両立したバランス型です。
僕が新たなバッグを探したときに最優先したポイントは、外側に非防水でいいから適度な容量のポケットが備わっていること。この条件を満たしてくれる別のバッグがなかなか見当たらなかったのです。
「DH-739」は、外側に3つのポケットが用意されています。これがちょっとした小物を入れるのに便利。メイン気室を開けずにものを取り出せるというのは、リュックでもシートバッグでも使い勝手の良さに直結する大事な機能です。
さらにドリンクホルダーにもなるメッシュポケットを両サイドに装備。これがペットボトル以外にもタオルを入れたり、一時的に小物をパッと入れたりするのに便利。
次に開閉方法。ロールクロージャー式の防水リュックは、両サイドを2つのバックルで留める製品が多いのですが、「DH-739」は中央に1つのみ。
2カ所で留めた方が浸水を防ぐ能力は高まるでしょう。でも毎回毎回しっかりクルクル巻いて2つのバックルを留めるのって、けっこう面倒くさい。
「DH-739」は、晴れている日はファスナーをしめて、ひと折りして、バックルで留めればOK。もっといえば、中身がパンパンになってしまったときは最悪バックルを留めなくてもファスナーだけ閉じれば何とかなる。
容量は16Lとされていますが、感覚的には、アウトドアメーカーのリュックの20L相当に感じます。アウトドア系の製品は、内部でポケットが細分化されていることが多く、大きなものは入れにくいんですよね。
バイクに積載できれば用途が広がる
ときにはバイクのリアシートに積載することも。重たいものを入れて、長距離を走るときは積んじゃいます。バックパック製品なので、専用の取り付けベルトは備わっていません。
「DH-739」は、一般的なリアシートのバイクにストレッチコードやロックストラップを使って積載できるギリギリのサイズといえそうです。大きいのではなく、積むには少し小さい。とくに中身があまり入っていないときの積載は難儀します。
役立ったのがカラビナでした。中央のベルト部分にカラビナをひとつ付け、そこにロックストラップなどを通すことで、ズレを防ぎます。
こうしてバイク通勤からツーリングまで、いろいろと酷使されてきました。
さすがに2年も使っていれば、日焼けしますし、何かにぶつけて表面が少し破れてしまうことも。
でも価格がお手ごろで、2年も使えれば充分すぎるほど。壊れたわけではないので、古い方は林道ツーリングや土砂降りの日など、ハードなとき専用として今後も使うつもりです。
文:西野鉄兵/写真:森 浩輔、西野鉄兵