文:迫田秀正、日本のバイク遺産 編集部
ホンダCB750FB(1981)
1981年4月には3型のFBをリリース。エンジンの能力を強化、車体に多くの変更を実施。
低中回転域での扱いやすさを求めて、5.9→6.0kg-mに高めたトルクの最大値を500rpm下の7500rpmで発生させるとともに、9.0→9.2:1に圧縮比を高めるなどで最高出力を同回転数で+2PSの70PSに上乗せ。
Φ35mm正立式フロントフォークはエア加圧機能を追加し、フロントフェンダーは上面に小さな羽根を備える新作になる。ブレーキディスクはハブの外周部に長円形の穴を並べた新形状となり、片押し式の前後キャリパーは1→2個にピストンを増加。
前後ホイールはリム幅やサイズ(F:2.15×19、R:2.15×18)を維持してスポークを裏返して黒仕上げとした裏コムスターに変化。
フロントが3.25H19、リアが4.00H18のタイヤサイズは同じ。ステッププレートをジュラルミン鍛造製に変更した。
シート高は795→805mmと10mm高くなり、乾燥重量は228→227kgとわずかに減少。1981年4月23日に4万7000円増の59万5000円で発売された。
CB750FBの主なスペック
全長×全幅×全高 | 2190×795×1125mm |
ホイールベース | 1515mm |
最低地上高 | 150mm |
シート高 | 805mm |
車両重量(乾燥) | 227kg |
エンジン形式 | 空冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 |
総排気量 | 748.7cc |
ボア×ストローク | 62.0×62.0mm |
圧縮比 | 9.2 |
最高出力 | 51.5kW(70PS)/9000rpm |
最大トルク | 58.8N・m(6.0kgf・m)/7500rpm |
燃料タンク容量 | 20L |
変速機形式 | 5速リターン |
キャスター角 | 27゜ 30' |
トレール量 | 117mm |
タイヤサイズ(前・後) | 3.25H19・4.00H18 |
ブレーキ形式(前・後) | Φ276mmダブルディスク・Φ296mmシングルディスク |
メーカー希望小売価格 | 59万5000円 |
ホンダCB750FBB/F2BB(1981)
CB750FBB
1981年型となるFBでエンジンと車体に手を加えた日本仕様のCB750Fだったが、この年は塗色を改めるなどした限定販売の特別仕様と、同車をベースに販売店で装備を追加した機種も販売された。
150台限定で売られたCB750Fボルドール(型式CB750FBB)は、1981年7月26日に行われた第4回鈴鹿8耐でホンダフランスが走らせたRS1000が優勝したのを記念したモデル。
外装を赤×白、フレームを赤、前後ホイールをゴールドとする。価格は61万5000円。
もう一台のボルドール(型式CB750F2BB)は、その当時は認可されていなかったカウルやオイルクーラーなどを販売店が装着してユーザーに納車するという方法で販売。
なお、これら2機種のサイドカバーにはBOL D'OR/ボルドールの文字が記されており、これが車名にもなった。この呼び名は現行のCB1300/400シリーズにも受け継がれる。
CB750F2BB
フレーム支持のカウルや赤×白のカラーリングなど、外観は欧州仕様CB900F2Bと同様だが、認可の関係からカウルやオイルクーラーは納車前に販売店が装着した。価格はFBBの61万5000円より23万4000円高い84万9000円だった。