文:迫田秀正、日本のバイク遺産 編集部
ホンダCB750FC/F2C(1982)
CB750FC
日本仕様では最終年式となる1982年型FCは、1981年のRBから1983年のRDまで生産されたCB1100Rの技術を足まわりに導入したモデルといえる。
1982年型FCは、車体を中心とした大幅な改良を実施。プロダクションレースで圧倒的な強さを誇ったCB1100Rに通じる仕様を盛り込んでいる。
スポークに丸穴が並ぶブーメランコムスターは、フロントを19→18インチに小径化、リム幅をF: 2.15→2.50、R:2.15→3.00とワイドにした。
タイヤもフロントを3.25H19→100/90-18、リアを4.00H18→130/80-18とミリ表示に変更。正立式フロントフォークはインナーパイプがΦ35→39mmと太くされ、トルク応答型アンチダイブ機構TRACを装備。
リアショックユニットはスイングアーム接続部側にリザーバータンクを置く。前後ブレーキディスクは形状が変化、セミメタルパッドを採用。
フットペグやペダルを支持するプレートも改められ、肉抜き穴を並べたデザインはCB1100Rを思わせるがCB-F独自の部品である。
1515mmの軸距は不変、キャスター/トレールは27度30分/117mm→27度10分/110mmに変わる。1982年6月10日に64万円で発売された。
CB750F2C
日本国内でのカウルに対する規制緩和を受けて、FCから約2カ月遅れとなる1982年8月21日にインテグラを発売。価格は+11万円の75万円だった。
フレームに支持されるABS製カウルの内側にボルトメーターと時計を配し、速度/回転計は標準モデルと同様に操舵部に固定。
乾燥重量は14kg増の245kg、前後18インチのホイール径やタイヤサイズ、27度10分/111mmのキャスター/トレールはFCと共通。
全長/全幅: 2180/800mmやシート高:800mmも同じだが、全高のみ+215mmの1340mmを公称する。
CB750FC/F2Cの主なスペック
《 》内はF2C
全長×全幅×全高 | 2180×795×1125《1340》mm |
ホイールベース | 1515mm |
最低地上高 | 150mm |
シート高 | 795mm |
車両重量(乾燥) | 231《245》kg |
エンジン形式 | 空冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 |
総排気量 | 748.7cc |
ボア×ストローク | 62.0×62.0mm |
圧縮比 | 9.0 |
最高出力 | 51.5kW(70PS)/9000rpm |
最大トルク | 58.8N・m(6.0kgf・m)/7500rpm |
燃料タンク容量 | 20L |
変速機形式 | 5速リターン |
キャスター角 | 27゜ 10' |
トレール量 | 110mm |
タイヤサイズ(前・後) | 100/90-18・130/80-18 |
ブレーキ形式(前・後) | Φ276mmダブルディスク・Φ296mmシングルディスク |
メーカー希望小売価格 | 64万円《75万円》 |