【歴代のCB-Fを振り返る】ホンダCB900FZ～FD欧州仕様編

ホンダCB900F2B（1981）欧州仕様

大型カウルをフレームにマウントし、エンジン横にレッグシールドを配するなどで風防性を高めたモデルをCB900Fシリーズにもラインアップ。

年式を示す記号に2が追加され、サイドカバーにある車名も同様に変わる。同じく欧州モデルの750にもカウル装着車があるが、900ではハンドルを750のパイプとは異なるセパレートとしている。

おのおののベース車となったカウルレス車に準じた仕様だ。装備の追加で乾燥重量の公称値は232kgから13kg増の245kgとなる。

ホンダCB900FC（1982）欧州仕様

1982年モデルとなるFCは、ヨーロッパ向け900、日本仕様750の各機種を対象として、CB1100Rで得られた技術を反映させた前後の足まわりを導入したことが注目点。

前後コムスターホイールはスポークに丸穴が並ぶブーメランタイプとされ、フロントを19インチからリアと同じ18インチに小径化。また、前後とも2.15だったリム幅をＦ／Ｒ： 2.50／3.00に広げ、タイヤサイズはＦ：3.25V19→100／90V18、R：4.00V18→130／80V18とそれぞれ変化した。

インナーチューブをΦ39mmと太くしたフロントフォークはブレーキトルク応答型アンチダイブ機構TRACを備え、スイングアーム側にリザーバータンクを置くリアショックユニットを新たに採用。

最大トルクを0.1kg-m増の8.0kg-mに高め、発生回転数を500rpm低い7500rpmに下げるなどエンジンの変化は少ないが、振動の低減を目的に懸架方式をリジッド→ラバーにするなど鋼管製ダブルクレードルフレームは大きく変わった。

CB900FC/FD欧州仕様の主なスペック

《 》内は仕向地による違い

ホンダCB900F2C（1982）欧州仕様

カウルを持たない標準モデルがFCへと進化したのを受けて、大型カウルとレッグシールドを装備するF2もF2Cに変化した。

18インチのフロントホイールを採用した結果、前年式までの19インチ車に対しFC／F2Cともキャスター／トレールを27度30分／117mm→27度10分／110mmに改めている。ブーメランコムスターホイールやTRACを備えるΦ39mm正立式フロントフォーク、別体式ガス室を持つリアショックユニットなど足まわりの装備はFCに通じる。

乾燥重量の公称値は253kgで、FCの242kgに対して11kgの増加。一部の地域では負圧式の燃料コックを装備する車両が販売された。

ホンダCB900F2D（1983）欧州仕様

1983年型には、標準モデルのCB900FDと、大型カウル＋レッグシールドを装備するCB900F2Dの２タイプが存在した。

諸元や装備の基本は前年モデルの1982年型FC／F2Cに通じるが、フレームを赤から黒、エキパイと左右2本出しのサイレンサーをブラック仕上げに変更。

外装パーツのカラーリングを改めるなどが見た目の大きな変化となる。それ以外では、フットペグとペダルを支持するプレートが多くの肉抜き穴を与えた形状（1983年型CB1100FDと同じ）となりタンデムシート後方にグラブバーを追加した点もこの年式ならではの仕様だ。

乾燥重量の公称値は前年型から不変で、FDが242kg、F2Dが253kg。欧州一般仕様のみ生産され、南アフリカやオーストラリアでは販売せず。この年式が欧州向けモデルの最終型となる。

CB900F2C/F2D欧州仕様の主なスペック

《 》内は仕向地による違い

【写真7枚】ホンダCB900F欧州仕様7

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