ホンダCB900F北米仕様の特徴
北米向けCB900Fは1981/1982年型の2種があり欧州モデルとは異なる
北米仕様の空冷DOCH4バルブ並列4気筒は、64.5×69mmより901.8ccを得ることや8.8:1の圧縮比、ボア径がΦ32mmの負圧式キャブを組み合わせるなどを欧州向けと共通とする。
だがエンジン性能は異なり、最高出力は95PS/9000rpmに対し同一回転数で89HP(90.2PS)、最大トルクは7.9→7.8kg-mとわずかに抑えた最大値を500rpm低い7500rpmで発生するなど、ともにやや控えめに抑えられた。
グリップ位置を高く手前に引いたパイプハンドルやフットペグを前方に置くステップまわりなどは、北米市場にて先行販売されたCB750Fに通じるが、エア加圧式Φ39mm正立式フロントフォークは900ccモデル専用に開発されたものだ。
ホンダCB900FB(1981)北米仕様
上述のとおりフロントフォークはエア加圧式のΦ39mm正立式だが、これはAMAスーパーバイクを走ったレーサーがGL1000のフォークを流用したことに倣ったもので、左右を支持するステアリングステムAssyとともに開発された。
欧州向けCB900Fでは、別体式ガス室を備えるリアショックユニットやラバーマウントフレームを1982年のFCから導入したが、北米向けは1年前の1981年型FBですでに採用していた。
前後ブレーキは、片押し式2ピストンキャリパーとハブの外周部に肉抜き穴を並べたソリッドディスクを組みわせており、この構成は、ヨーロッパ向け750ccのみ1982年型FCから、それ以外は1981年型FBから揃って導入した。
裏コムスターホイールはF/R: 2.15×19/2.50×18で、これは同年の北米向け750と同一サイズ。タイヤは3.50/4.25の寸法はそのままに速度レンジをH→Vとする。
ホンダCB900FB(1981)北米仕様
写真の車両は1981年モデルのFBに、翌1982年型となるFCの外装パーツを組み合わせたものだ。北米市場にもFCを導入、流通していたが、エンジンや車体のスペックはFBとほぼ同一とされた。
つけ加えると、日本仕様や欧州向けには大型カウルを備える派生機種が存在したが、北米モデルには用意されなかった。
防風性を高めて長距離走行を楽しみたいというユーザーのために、前記した派生機種と同様な形状のカウリングやエンジンガードなどをオプショナルパーツとしてカタログに掲載、販売した。
CB900FB/FC北米仕様の主なスペック
全長×全幅×全高 | 2195×850×1145mm |
ホイールベース | 1515mm |
最低地上高 | 150mm |
シート高 | 815mm |
車両重量(乾燥) | 242kg |
エンジン形式 | 空冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 |
総排気量 | 901.8cc |
ボア×ストローク | 64.5×69.0mm |
圧縮比 | 8.8 |
最高出力 | 89HP/9000rpm |
最大トルク | 7.8kgf・m/7500rpm |
燃料タンク容量 | 20L |
変速機形式 | 5速リターン |
キャスター角 | 27゜ 30' |
トレール量 | 110mm |
タイヤサイズ(前・後) | 3.50V19・4.25V18 |
ブレーキ形式(前・後) | Φ276mmダブルディスク・Φ296mmシングルディスク |