レポート:西野鉄兵
ライダーのために開発された、英国ブランド「クリーガ」のバッグ製品
2021年5月に公開した記事〈防水リュックのおすすめの選び方〉を見た隣の編集部の先輩から、「防水リュックならクリーガもいいんじゃない?」と勧められました。
Kriega(クリーガ)は、ライダーのためのバッグを多種多様に展開するイギリスのブランド。存在は知っていたけど、いまいち製品の特徴を理解していなかったので、サンプルを取り寄せてみました。
今回紹介するのは「TRAIL 18 バックパック」と「MAX 28 バックパック」の2種類です。製品名にあるとおり容量は18Lと28Lとなります。
「クリーガ」のバックパックのいいところ
背負いやすく、フィット感も良好
まずクリーガの製品はどれもバックパックとしての大事な機能である「背負いやすさ」を最優先しているように感じました。
ショルダーハーネスは本格的な登山用ザックのようなしっかりとした作り。ウエストベルトとともにチェストストラップが備わっているのも美点です。
背中が当たる部分に、クッション性と通気性を確保しているのもいい。ウエストベルトとチェストストラップの効果も相まって、絶妙なフィット感を実現します。
長時間背負ってツーリングをしたり、バイクから降りて軽くトレッキングをしたりする際にもありがたみを感じられるでしょう。林道ツーリングを楽しむ方にもうってつけ、といえそうです。
防水スペースと非防水スペースを割り切っている
クリーガのバックパックは、全体が防水設計になっているわけではありません。今回の2製品は、一部分に「完全防水」のスペースを設けている、いわばハイブリッド仕様。個人的には、これがものすごく魅力的に感じました。
世の中の防水リュックは、雨対策に重点を置きすぎるあまり、雨が降っていない日に使い勝手が悪く感じてしまうものを多々あります。
雨の中を走るより、晴れている日や曇っている日に走る方が当然多いわけで、毎日使うことを考えると使い勝手と防水は両立していてほしい。そういった点で、この2製品は理想的でした。
完全防水気室を持つリュックの中では、圧倒的に多機能
防水性をウリにしたリュックは、構造がシンプルな製品が多いもの。そんななかクリーガの製品は、ポケットが多彩! やはり防水・非防水スペースを割り切ることで、複雑な作りが可能になっているのでしょう。
ポケットなど内部の構造は、アウトドアブランドの登山用ザックというより、ミリタリーの世界のタクティカルバッグやビジネス用のリュックに近い印象です。
価格は安くはないけれど、作りのよさ・構造の複雑さをかんがみれば納得か
「TRAIL 18 バックパック」は税込34980円、「MAX 28 バックパック」は税込37950円と決して安くはありません。
でも構造や作りを見れば、こればブランド価格ではなく、まっとうな価格設定だということは分かるはず。
生地には高強度ナイロンのコーデュラなどタフネスなものを採用、ファスナーはYKK製の丈夫で動きが軽いものが使われています。
欠点を上げるとすれば、中身が空の状態でもそこそこ重く感じることくらいでしょうか。「TRAIL 18 バックパック」は1630g、「MAX 28 バックパック」は1850gです。
【まとめ】道具にこだわりを持つライダーにおすすめしたい
クリーガは、今回紹介した2製品以外にも多種多様なバックパックを展開。さらにバックパックのみならず、シートバッグやサドルバッグも販売しています。
いずれの製品も英国の開発者のこだわりが濃密に詰まっています。「商売よりも、ものづくりが楽しくて仕方がない」そんな印象を実際に製品に触れることで感じられました。
「安くて、そこそこ」のものよりも、「高くてもいいから、いいものを」そんな風に考えているライダーにこそ、おすすめしたいと思います。
レポート:西野鉄兵