読者投票によってその年の人気ナンバーワン現行車を決める「ジャパン・バイク・オブ・ザ・イヤー」。2021年の投票を8月10日まで受け付けております! この記事では、大型バイクやスーパースポーツのテスターとして長年活躍する宮崎敬一郎さんがおすすめのバイクをピックアップ!

宮崎敬一郎さんが推す2021年の現行モデルとは?

大事なのはライダーをその気にさせる「魔性」

去年から今年にかけて、国産車では主に大型バイクとしか接していないので、400ccや250ccクラスのマシンは納得いくまで走り込んでいない。唯一、Ninja ZX-25Rの直4は衝撃的だったが、それを活かした「何か」を実感できなかったのが寂しかった。

カワサキの話を出したのは、今回選んだバイクが同じカワサキのZ H2 SEだから。このバイクは近年まれに見る暴れん坊だが、ライダーにテクと経験があればそれを愉しむことも可能…という魔性のバイクだ。

画像1: ▲Kawasaki Z H2 SE

▲Kawasaki Z H2 SE

見事なトータルバランスや、扱いやすさを備えた優等生ではない。だが、決してデキが悪いのではなく、伝統的な「カワサキらしさ」を絵に描いたような、男臭い暴れん坊な一面を潜ませているのが魅力なのだ。

SEではないスタンダードもそうだが、過給器付きエンジンという特殊な「色気」はホンモノだ。普通に理性を持って操れば、快適で軽快なスポーツネイキッド。そんな使い方なら誰にでも操れる。ただ、ひとたびコレのパワーをフルに使ってみようとすれば話は変わる。

画像2: ▲Kawasaki Z H2 SE

▲Kawasaki Z H2 SE

たぶん、H2シリーズ以外はどんなバイクでも味わえない、爆発的な瞬発力を発揮する。中でも、フロントが軽いZは力を誇示した時の表情が凶悪。コーナーの立ち上がりなんてパワーリフトさせないようにするのが難しいし、コーナリング中でもリフトしかねない。スライドすることだってある。

SEは、そんなZ H2に電制サスを加えたことで、よりスポーティな走りに対応できて快適になった。価格は少し上がったが、まだSSよりは安い。しかも、Z H2の高性能は絵に描いた餅じゃなくて、喰える餅だ。

よくまぁ、こんなバイクを世に出したな、と感心しつつ、その色気にメロメロになりながら一票…といったところだ。

もうひとつ、Z H2とは極端に違うが、ヤマハのテネレ700もすばらしい。

画像1: ▲YAMAHA Ténéré700

▲YAMAHA Ténéré700

大型アドベンチャーとしては珍しく、電制ライディングアシスト群に頼らず、オフでの扱いやすさ、高い走破性、オンでの快適性、納得できる動力性能と機動力を全部備えている。このジャンルの優秀なデュアルパーパスとしては破格のロープライスも魅力。

使い勝手の良さは、アドベンチャー界の「セロー」といったイメージ。体格さえマッチすれば、まさしく「大きなセロー」として使うこともできそう。こんなビッグオフはなかった。

という理由で、この二台を選んでみた。

画像2: ▲YAMAHA Ténéré700

▲YAMAHA Ténéré700

※この記事は月刊『オートバイ』2021年7月号の特集から一部抜粋し、再構成して掲載しています。当特集のスタッフ まとめ:オートバイ編集部/写真:赤松 孝、松川 忍、南 孝幸、森 浩輔

This article is a sponsored article by
''.