オフロードのコアなライダーにとって、毎年のモデルチェンジ情報は夢を与えてくれる大事なイベントだ。ニューマシンには、開発陣の「人」として、「チーム」としての情熱が込められていて、時にはそのベールを脱いだときに感動さえ呼び起こしてきた。このたびのYZ125は、想像するに逆境からのフルスイングだ。2ストロークが日本でその開発の歩みをやめたと思われてから、早15年ほどだろうか…2022モデルのYZ125は、なんと新エンジンをひっさげて登場したのだ。
YAMAHA
YZ125
※北米発表
見ての通り、前後にスムーズなつながりをつくったエルゴノミクスにも優れている、ニュー外装。発表当時より新鮮であった独特のアルミフレームこそ変更されていないが、エンジンは完全新設計。腰上だけでなく、クランクケースまで新しいものになった。モデルチェンジというのは、価格があがるものだが、このたびの北米発表ではたった6599→6899ドルの価格改定。
左は、旧YZ125のエンジン。外観からすると、目測ではほとんど違うところが見当たらず、そもそも完成されていたレイアウトを、少しずつ見なおしたものと思われる。チャンバーの形状はまるで違うものにアップデートされており、新旧で互換性はなさそうな気配だ。
逆側の写真が入手できないのだが、キャブターはミクニからケイヒンPWKへ変更。
加えて、吸気レイアウトを変更することで、エンジン特性をアップデートしているとのこと。15年の間に得たあらたな2ストロークへの知見を加えた新エンジンは、シリンダー、クランク、ロッドなどはもとより、ポート類などをすべて見なおしたモノになっていて、特に中高速域でのパワーが向上しているという。