以下、レポート:三橋 淳
サイドバッグは本当にできるのか? フィッシュ&チップスを添えて
制作宣言をしてから全く音沙汰なしだった、林道ツーリングに最適なサイドバッグ作りだが、実はプロトタイプ第一弾は完成していたのだった。しかし……。
2021年4月の某日、今回依頼したカバンメーカーの若井将紀社長から一通のメールが届いていた。
「試作モデル出来たんで車体合わせしましょう」
おおお! それは楽しみということで早速現地へ。待ち合わせは工場ではなくカフェ。なぜに?
向かったのは東京・台東区にある「カネジン フィッシュ&チップス」。お互い共通の友人が経営している店というのもあるけれど、きっと見栄えがいいからだろう。写真を撮るのにね。
16時に待ち合わせをしたものの「トラブった!」との一報から待たされ坊主。ただ待ってても仕方がないので、コーヒーだけじゃなくて、この店自慢のフィッシュ&チップスをいただく。
これがうまい! 魚の肉感がしっかりしていて食べ応え十分。夕飯前だというのにおかわりしそうになってしまう。
そんなこんなで17時前、ようやく現れた若井社長。
「ミシンが壊れちゃって焦りましたよ」と言いつつ、取り出したのがこのバッグだ。
おしゃれ!
とりあえずバイクに置いてみる。こんな感じだ。
全面革、38cのロゴ入り!
シルエットはアフリカツインに似合っている。蓋の留め金は高級バッグにありそうなタイプで、とてもバイク用バッグには見えない。
さて、取り付けは標準のキャリアステーのダボを使う。そのためまずはサイドカウルを外して専用のステーをつける。
ここに取り付ける。ボルトとカラーはホームセンターでも売ってる市販品だ。
そしてバッグ側に取り付け用の穴を開ける。
こんな感じに装着。
いい感じじゃん! と言いたいところだが、こちら側はサイレンサーに乗っかっているし、反対側はブランブランしていてとても走行できない。そりゃそうだ。革のみで構成されているため、剛性がないのだ。
そこで46ワークスに泣きついてフレームを作ってもらうことにした。フレームと言ってもただ板状のものでバッグを押さえようという簡素なものだ。
型どり後、アルミの板から切り出して、これをバッグに取り付けて剛性を出す。
忙しい中作ってもらったおかげで、なんとか装着することができた!
早速ツーリングで使ってみることにした。そう、宮城光さんらと一緒に林道ツーリングしたのがこのバッグのデビューなのだ。
しかし、バッグに物を詰め込め込むと、荷物がはみ出てきてしまう。
若干膨らんでいるのがわかるだろうか?
フック1カ所でしか止まってないのだから、そりゃ隙間が出るよな。
果たしてこれで大丈夫なのか?
2日間の林道ツーリングで使ってみたら……
大丈夫じゃなかった。
荷物は飛び出るわ、垂れ下がるわ……。林道ツーリングには耐えられないことがわかった。
やはりバッグ自体に剛性がないことが原因だ。プラスチックでもなんでもいいからフレームとなる素材を入れるか、またはバッグ自体を縛るようなストラップをつけないといけない。
なかなかバッグ作りは難しい。
そんな中、急遽バッグを必要とするツーリングに出ることになった。
困っていたところ、ネットでこんなバッグを見つけてしまった。
なんかアフリカツインにぴったり(汗)。ロードモデル用の汎用バッグがこんなに似合うなんて(苦笑)。
というわけで、今現在デグナーのこのバッグを使用中。
とはいえ、若井社長が開発中のバッグは他にないデザインでかっこいいし、是非とも完成させたいが、果たしてどうなるのやら?
それは若井社長次第ということでもあります。がんばれ若井社長!
レポート:三橋 淳