ハードなオフロード走行重視のデザイン
トゥアレグという車名は、80年代から90年代にかけてアプリリアがオフロードモデルに与えていたもの。その名を復活させた「トゥアレグ660」は、オフロード走行を重視したラリーマシン的なイメージのミドルアドベンチャー。
スタイリングは最新のラリーレイドマシンを想わせる機能的なデザイン。アドベンチャーに求められる大きな航続性能を保証する18Lという大容量タンクを備えながら、扱いやすいポジション設定で、シート高も860mm未満。重量も187kg(乾燥)と軽量に仕上げられている。
エンジンは、アプリリアの最新ミドルスーパースポーツ「RS660」や、そのネイキッド版「トゥオーノ660」に搭載されているものと同系列のコンパクトな659cc水冷並列2気筒ユニット。もちろんオフロード向けにチューニングを変更、最高出力はRS660の100HPから80HPにダウンしているが、低中速でのトルクを強化。
フレームはアルミ製ダブルビームフレームのRS660とは完全に違う、専用デザインのスチール製パイプフレーム。
フロントフォークはインナーチューブ径φ43mm倒立タイプ、リアサスはリンクレス構造のRS660とは異なり、プログレッシブな特性を実現するリンク式。前後ともにストローク量は240mmと長く、最低地上高も240mm以上を確保してハードなオフロード走行に対応している。
メーターには多機能な5インチサイズのフルカラー液晶を使用。電子制御デバイスは、アプリリアならではのAPRCテクノロジーを活かした、オフロードモードを含む4モード選択式のライディングモードをはじめ、トラクションコントロール、クルーズコントロール、エンジンマップ、エンジンブレーキコントロールという高機能なものを搭載。ABSもオフロード走行向けに前後カット、後輪のみカットできる仕様。
現時点では、写真と動画でスタイリングとメカニズムの概要が公開されたのみ。詳細な諸元や発売時期、価格、そして気になる日本での発売予定などは明らかにされていない。今後「トゥアレグ660」の詳細が明らかになり次第、続報をお伝えする予定だ。
まとめ:小松信夫