以下、文・写真:三橋 淳
朝から林道ざんまいだったが、午後も走りつくす!
昼食をとり、腹を満たした我々2人、三橋淳と大鶴義丹のアフリカツインは再び林道を目指す。そこは10km越えのロングダートだ。長野県の茂来林道はアフリカツインには最適なフラットダートとなっている。
この辺りの林道は勾配が緩やかでコーナーもさほどキツくない。そして荒れていないのでまさにアドベンチャーバイクにぴったりのコンディション。
普通の林道をは山を越える峠道だ。だから高度を稼がなくちゃいけないし、険しい山なら無理してルートを作るのでコーナーもキツくなりがち。でもこの辺りの林道は峠を越えないで、山の中腹をなぞるように走っているものが多い。だから勾配は緩やかだし、コーナーも山に沿うだけなので自然なカーブが多いのだ。
勾配が緩やかということは、大雨の時に水が流れ続けることが少ないので道が荒れることが少ない利点もあるが、道ごと崩落してしまうことはある。事実これから走る林道も2年前の台風19号でごっそり落ちてしまい、ようやく復旧した道だ。
復旧直後とあってよく整備されていてとても走りやすい。それにここは10kmを軽く越えのロングダートだ。
先程の林道も途中舗装を挟むが10km以上あって、この2本で30km以上は確実。これで70km以上はカタイ。すごいエリアだね。
管理する自治体によって林道の路面状況は大きく変わる
ランチで膨らんだお腹も落ち着いてきた頃合いもあって、義丹さんのペースがどんどん上がっていく。ははぁ、気持ちいいんだろうねぇ。でもそれ以上出したら危ないよ。
「義丹さん随分ペース上がってきてますが大丈夫ですか?」
「大丈夫大丈夫。まだ6割だから」
いやいや、全然6割ちゃいますがな! といっても確かにスピード自体はそんなに速くない。アフリカツインがいくらオフロードに強いといってもそこは重量級アドベンチャー。速度はさほど上がらないのだ。
とはいえ重量級を収めるにはそれに見合ったマージンが必要なわけで、ここらで一度牽制を入れておく。
「この先、路面変わって落石多いですからね、気をつけてくださいよー」
そう言われるやいきなりペースダウン。その素直さが義丹さんの可愛いところだ。
嘘をついたわけじゃなく、実際に路面は変わった。管理する自治体が変わったことで、一気に路面が荒れ始める。250ccのトレールバイクならなんてことのないだけれど、大型アドベンチャーが調子に乗って飛ばせば、痛い目にあう。大きな落石がちらほら現れ始めた。
そんなロング林道を堪能したのち、再び数キロ程度の林道を繋いでいく。2本目を上り始めて気持ちよく走っていると、突然目の前に大型重機が!
「木を伐採してるみたいですねぇ」
「これは通れませんねぇ」
看板も何もなくてびっくりしたが、林業の作業が行われている。だから道が綺麗だし、崩れてもまた直される。
林道はあくまで林業の人のための道。私たちはそこをお邪魔して楽しませてもらっている身なのだというのを、あたらめて感じる。
もちろん林業以外にも生活道路としての林道もあるけれど、どちらも楽しませてもらっているという気持ちを持って走りたい。