世界GP初参戦から60年、栄光のカラーが現代に復活
ヤマハのスーパースポーツである「YZF-R」シリーズは、フラッグシップモデルでありスーパーバイクレースでも活躍している「YZF-R1」を筆頭に、レーシーな走りを楽しめる幅広いラインナップを揃え、世界中のサーキットやワインディングで根強い支持を集めている。
そんな「YZF-R」シリーズに、1961年にヤマハが世界GPへ初めて参戦してから60年目を迎えたことを記念した「World GP 60th Anniversary」モデルが設定され、ヨーロッパと北米の2022年モデルで登場した。
ヤマハはこの60年間に、世界GPで各クラス合計517勝(2021年9月12日時点)、最高峰の500cc/MotoGPクラスだけでもライダータイトルを17回獲得。そして今もなお、世界最速を目指してMotoGPで戦い続けている。今回の「World GP 60th Anniversary」モデルはヤマハのそんな栄光を象徴する存在。
1978年〜80年に500ccクラスで3連覇、世界にその名を轟かせたケニー・ロバーツが駆ったYZR500を想わせる、白地に赤いスピードブロック(ストロボラインとも呼ばれる)、黄色いゼッケンスペースという、往年のヤマハGPマシンを飾っていたデザインを再現。
全日本ロードレースでは、ヤマハファクトリーからJSB1000クラスにR1で参戦している中須賀克行選手が、同様の記念カラーリングで参戦中で話題になっていた。
YZF-R1・R7・R3・R125にラインナップ
このレーシーなスペシャルカラーが用意されているのは、最高峰モデルの「YZF-R1」をはじめ、デビューしたばかりの688cc並列ツインエンジン搭載のミドルスーパースポーツ「YZF-R7」。そして日本でも販売されている、R25の排気量を320ccに拡大してパワーアップした「YZF-R3」。
この3台に加えて、ヨーロッパ向けにはシリーズの最小排気量モデル「YZF-R125」にも「World GP 60th Anniversary」が設定されている。いずれのモデルも、基本的にスタンダードモデルとメカニズムや諸元は同一だ。
ボディカラー以外の違いは、フロントフォークのアウターチューブをはじめ、ホイールやタンクの音叉マークがゴールド仕上げなこと。そして世界GP参戦60周年記念エンブレムが装着されていることだ。
欧州仕様と北米仕様のちがい
ヨーロッパ仕様と北米仕様の外観上の差異はほとんどないが、目立つところではウインカーレンズがヨーロッパ仕様がクリアなのに対し、北米仕様はアンバーになっている。
日本でもファンの多い「YZF-R」シリーズだけに、日本向けにも「World GP 60th Anniversary」モデルの発売を期待したい。
まとめ:小松信夫