ドゥカティ「ムルティストラーダV2」の特徴
より快適で扱いやすい、新たなエントリーモデルに進化
ドゥカティの「ドゥカティ・ワールド・プレミア2022ウェブシリーズ」は、2022年に向けた注目のモデルを次々と発表することが予告されていたこともあり、世界中のライダーから注目されていたWebイベント。そしてその第一弾として、日本時間9月30日の23時にオールラウンドなスポーツツアラーである「ムルティストラーダ」シリーズのニューモデル、「ムルティストラーダV2」の発表が行われた。
この「ムルティストラーダV2」は、2021年に「ムルティストラーダ」シリーズの新フラッグシップとして「ムルティストラーダV4」が登場したのに合わせて開発された、従来モデルの「ムルティストラーダ950」に代わる新世代のエントリーモデルに位置付けられる存在だ。
エレガントさとスポーティさを一つに融合した、一目でムルティストラーダだと分かる個性的イメージを受け継いだ新しいスタイリングへとリファインされた「ムルティストラーダV2」。それと同時にシート形状の再設計でシート高を830mmとして足つきと快適性を両立させ、さらにポジション設定の見直しをするなどエルゴノミクス面を重視して快適さを追求。パッセンジャーを乗せ、荷物を積載して走行するツーリングでも、安心して快適なライディングを可能とした。
フロント19インチ、リア17インチのホイールサイズ、ストロークの長い倒立フロントフォークといった、市街地から高速道路、ワインディングまでをしなやかに駆け抜ける、スポーツツアラーとして定評のある車体や足回りの基本構成は従来モデル譲り。さらに上級グレードとして用意される「ムルティストラーダV2S」では、セミアクティブサスであるドゥカティ・スカイフック・サスペンションEVOも標準装備され、さらなる安全性と快適性を実現。車重も5kg軽くなったことも大きな効果を発揮している。
そしてパワーの源であるテスタストレッタ11°・937cc水冷L型2気筒エンジンも、熟成が進んだ最新仕様にアップデートされた。伝統のデスモ機構などで実現したバランスの良いパワー特性はそのままに、新しいコンロッドや8ディスク油圧クラッチを採用。ギアボックスの構造も見直してシフトフィールを改善するなど、さらに快適に扱いやすく進化。
4つのライディングモード、トラクションコントロール、コーナリングABS、坂道発進を助けるビークルホールドコントロールなど、最先端のエレクトロニクス・パッケージも搭載。さらにV2Sでは、前述のスカイフックサスに加え、クルーズコントロール、コーナリングライト機能を備えたフルLEDヘッドライト、アップ/ダウン対応のクイックシフト、高解像度5インチカラーによる多機能TFTメーターパネルも装備する。
またV2Sにはファクトリーオプションとして、パニアケースやグリップヒーターなどを標準で備えるトラベルバージョンも存在。その他にも機能を拡張するものや、スポーティさをプラスするものなど、豊富な純正オプションも用意されている。
「ムルティストラーダV2」のボディカラーは、スタンダードモデルとV2Sの両車共通で選択できる「ドゥカティ・レッド(ブラックホイール)」と、V2S専用カラーの「ストリート・グレイ(ブラックフレーム)」が用意される。
この「ムルティストラーダV2」、気になる日本での発売時期だが、2022年の第一四半期の予定とだけ発表されている。国内での価格などの詳細も現時点では不明だ。
ドゥカティ「ムルティストラーダV2」の主なスペック
全長×全幅×全高 | NA×NA×NAmm |
ホイールベース | 1594mm |
シート高 | 830mm |
車両重量 | 222kg(Sは225kg) |
エンジン形式 | 水冷4ストDOHC4バルブL型2気筒 |
総排気量 | 937cc |
ボア×ストローク | 94×67.5mm |
圧縮比 | 12.6 |
最高出力 | 113PS/9000rpm |
最大トルク | 9.6kgf・m/6750rpm |
燃料タンク容量 | 20L |
変速機形式 | 6速リターン |
キャスター角 | 25° |
トレール | 106mm |
タイヤサイズ(前・後) | 120/70ZR19・170/60ZR17 |
ブレーキ形式(前・後) | φ320mmダブルディスク・φ265mmディスク |