2030年には売上高1兆円を目指す!
「楽しんじゃえ宣言」を掲げ「ワクワクするようなカワサキ」をキーワードとして新たに発足したカワサキモータース株式会社。ライダーだけではなく、マシンの開発、生産、接客など、カワサキのバイクに関わる人みんなが楽しめるカンパニーを目指した新会社です。
そんなカワサキモータースが今後の事業方針を説明する説明会を開催。そこで社長の伊藤 浩氏が登壇。「モノでなく幸せを売る」事業の構築と、2030年には売上高1兆円(!)、営業利益8%以上を目標とする成長イメージを発表しました。
具体的な戦略としては、企業価値の向上、ブランド強化を実現しながら、分社化したことで経営の自由度が高まり、意思決定が早くなったことを活かして、フットワークの軽い組織とする一方で、高い付加価値を持つモデルをリリース、モーターサイクル、オフロード四輪車、ジェットスキーといったジャンルをリードする会社に成長することを狙っています。
カーボンニュートラルに対応し、2025年までに10機種以上のEVを投入!
世界的に言われている「カーボンニュートラル」時代に向けて、カワサキモータースでも電動化を推進することを発表。その一部を見せましょう、ということで、会場にはなんとハイブリッドバイクの研究車が登場しました!
注目のメカニズムですが、エンジンは排気量非公表でしたが、ニンジャ用と思しき250cc相当のDOHC2気筒で、これに水冷式のモーターとインバーター、48Vのバッテリーを組み合わせてハイブリッド化しているもののようです。エンジン背後の丸い部分がモーター、横の黒い放熱板の部分がインバーターです。
フレームはハイブリッドメカニズムに対応した完全な新作。右の部分に48Vバッテリー、その後ろにエンジン始動用の12Vバッテリーを搭載するようになっています。ちなみにハイブリッド用のバッテリーはインバーターで48V→12Vに変換して使います。
そしてなんと!このハイブリッドバイクはクラッチレスなのです!ミッションは搭載しているのですが、写真中央に見えるクラッチ制御システムで発進や変速時のクラッチ操作をコントロール、ライダーはハンドルスイッチを使ってAT感覚でシフトするようです。乗ってみたい!
ちなみに、本日・10月6日の発表では、カワサキは2025年までに10機種以上のEV(バッテリーEV、ハイブリッド)を投入、2035年までには先進国向けの主要機種を電動化する予定だそうです。
ちなみに、会場には2019年のEICMA(ミラノショー)にも展示されたEVの研究車も登場。こちらもハイブリッド同様、市販化に向けて研究開発が進んでいるそうです。
水素時代に対応した水素エンジンも研究中!
カーボンニュートラルの実現はEVだけのものではなく、代替燃料のe-fuelや水素燃料でも実現可能です。ということで、今回カワサキは水素エンジンの研究も行っていることを発表。そのイメージスケッチも公開されました。
水素エンジンはガソリンのような液体を噴射するのとは異なり、図のように専用のインジェクターで気体を噴射して燃焼させますが、構造的には従来のエンジンに近いもの。つまり、近い将来実現可能なエンジンなのです!
そんな水素エンジンの研究につながる技術として、会場には「直噴エンジン」も登場。これ自体は水素エンジンではないのですが、高圧でシリンダー内に燃料を直接噴射するシステムが、将来の水素エンジン開発に役立つのだそうです。スーパーチャージャー付きなところがカワサキらしいですね!
新技術を惜しみなく見せながら、将来のビジョンを語ってくれたカワサキモータース株式会社。「楽しんじゃえ」というそのスローガンのように、私たちもカワサキの今後の展開を楽しみながら見守っていきましょう!