文・写真:西野鉄兵
バイク用シートバッグを使わなくても荷物は積める
ちょっとした荷物ならリュックなどボディバッグで対応できますが、泊まりがけツーリングになると、重たいバッグをずっと背負っていては疲れてしまいますよね。
荷物をバイクのリアシートやリアキャリアに載せられれば、身軽で快適。安定した積載方法をマスターすれば、キャンプツーリングなど大荷物を旅も楽しめるようになります。
もっとも一般的な方法は、バイク用のシートバッグやサドルバッグ、トップケースなどを装着することでしょう。愛車に合ったものを選べば、便利かつ快適に安心してツーリングができるはずです。
ただバイク用バッグは、それなりにお値段がします。私自身、学生時代の頃は手が出せずにいました。今回はもっと安上がりに、手持ちのバッグを積載する方法を2パターン紹介します。
1.ストレッチコードを使った積載
バイクに荷物を積載する際に、昔から使われているのがストレッチコード。ゴムコードの両端にフックが備わった積載アイテムです。
バイク用品店をはじめ、ホームセンターやアウトドアショップなどいろいろな場所で売られています。今回はホームセンターなどでも手に入るベーシックなストレッチコードで積載の実践例をお見せします。
使い方は至ってシンプル。リアシート周辺の任意の場所にフックを引っかけ、ゴム部分で荷物を押さえ込む。それだけです。
積載したバッグを手で揺らしてみて、しっかりと固定されているかを確認しましょう。バッグがグラグラしている状態で走ると落下してしまいますので、シビアにチェック。
フックを引っかけている部分の確認も大事。バイクの走行時の挙動を考え、なるべくフックが動かない場所に引っかけるといいでしょう。
ストレッチコードは長さも太さもさまざまなタイプが販売されています。人によっては、長いコード1本で固定する人もいますが、私のおすすめは短めのコードを4本使ったパッキングです。
私が主に愛用しているのは、長さ600mm・太さ8~10mmのストレッチコード。4本使う場合は、2本をクロスに、もう2本を平行にし、下の写真のようなカタチで留めると高い固定力を実現できます。
これは私の前職でもあるツーリングマガジン『アウトライダー』編集部での伝統のパッキング方法で、当時はクロス&パラレルの略から「クロパラ」と呼んでいました。
クロパラを使えば、リアシートのサイズに合ったバッグならだいたい固定できますよ。
ストレッチコードを選ぶ際は、できるだけ実物を触って弾力を確かめてみるのがおすすめ。太さと長さはいい感じでも、反発力が弱すぎるものもあります。強めのタイプを選べば、固定力が高められます。
【ワンポイント・アドバイス】
リアシートの後ろ側に荷掛箇所が見当たらない場合の対処法
近年、リアシートの後ろ側にコードを引っかける箇所が見当たらない車種も増えています。
そんなときは、ロープで作った輪っかを使って工夫したり、ナンバープレートに供締めするタイプの荷掛箇所増設パーツを使うといいでしょう。
【ワンポイント・アドバイス】
ストレッチコードを扱うときは慎重に!
フック部分が金属製の鍵型で、ゴムの弾力を使って固定するストレッチコードは、雑に扱うと危ないシロモノです。フックを突起などにかけて引っ張る際は、充分にお気を付けください。
しっかりとフックが外れないことを確認して引っ張るのはもちろん、もし外れても自分の顔面に飛んでこない角度で引っ張るのがコツ。
何も考えずに扱っていると、外れたコードはたいてい顔面めがけて飛んできます。ヘルメットをかぶってシールドをおろした状態で作業するのもあり。目に直撃したら大変ですからね。