以下、レポート:三橋 淳
宿探し、駅前でバイクが駐輪できるホテルは意外と少ない
さて、今夜の宿である。ルートはあらかた決まっているので、その線上で選ぶ必要がある。次は榛名山の林道から有名な秋鹿&万沢林道を走る予定だ。ということは、候補に上がったのは高崎か伊香保温泉だ。
温泉宿いいなぁ。旅の情緒が出ていいじゃないか。しかし、夕方になってからの予約では当然夕飯は付かない。となれば、温泉街で食事にありつけるのか? その情勢がイマイチ掴みきれない。
夕飯難民だけは何としても避けたい!
だって今日、朝ごはんを食べてから何も食べていない。ずーっと走り通しなのだ。さすがにおなかがすいている。
そういう状況を踏まえて、今夜は高崎のビジネスホテルにすることにした。駅前のホテルなら周りに食べるところもあるだろう。
すでにとっぷりと日が暮れた。
秋の日暮れが早いことをすっかり忘れていた! のんびりはしていられない。
ところが! 駅前ともなると今度は駐輪場問題にぶち当たる。車用のスペースはあってもバイクは置けないことが多々あるからだ。そこでネット予約で空いているホテルを見つけ出し、そこから電話で置けるか確認するという地道な作戦をとることにした。
ホテルに行く途中でラーメンでも食べて、郊外のビジネスホテルに泊まればいいじゃないかてって? 夕飯ぐらいライディングギアを脱いで食べたいのだよ! ゴールして着替えないで飯を食べるなんて、ラリー中だとそれはトラブった日だけ。ディナータイムはリラックスしたいじゃないか。
「はい置けます。従業員用の駐輪スペースで良ければあります」
高崎駅前ドーミーインのスタッフのお姉さんが、電話口の向こうで元気に答えてくれた。しかし続けて申し訳なさそうに「ただ禁煙ルームが満室でして、喫煙のみになります」
一旦保留にして他を当たるも、他は見つからない。バイクスペースを取るか禁煙ルームを取るか? まさに究極の選択を迫られてしまった。しかし背に腹はかえられぬ。
。
泣く泣く喫煙ルームを受け入れてドーミーインにチェックイン。それでもバイクは置けるのはありがたい。
フロントのスタッフに感謝の意を伝えて、いざ部屋へ。相当の覚悟を持って入ってみるとこれが意外と臭くない。よかった~。直近のお客さんがそんなに吸わなかったんだろうね。これで一安心だ。だってあまりの臭さに頭痛がしてくるほどだからね。タバコ吸う人には、タバコを嫌いな人の気持ちをわかっていただきたいと思いますよ。
というわけで安心して部屋に店を構える。ツインだけれど、ひとりで使うプランだ。そう、今回の旅はひとりなのだ。編集もカメラマンもいない。正真正銘の一人旅。つまり写真は全て自撮りである。だから撮影に時間がかかって距離が延ばせないのだ。
そんなわけで初日はトータル250kmの走行のうちダートが25km。つまり1割がダートだ。関東近辺としてはまぁ悪くない。これからダートの距離をもっと伸ばしていこう。
さてその夕飯である。駅前だけに選び放題で迷ってしまうが、何せデジタルデバイスなくしては能力を発揮できないオヤジである。ここでもネットのレビューを参考に探すと、なぜか知らないが高崎駅前の評価はどれも高い! 5点満点で4点以上がザラだ。ならばと洋食屋さんに突撃。おそらくこれからの道中は和食が多くなるだろうと見越しての選択だ。
「今パスタフェアやってるんですよ」
なんでも高崎はパスタの街なのだそうだ。小麦が取れるからだろうか。各店舗でオリジナルパスタを創作してはランキングを付けているのだとか。ならばとその店のオリジナルパスタを注文してみることにする。
出てきたのは山ワサビと山椒のきのこパスタ。山椒も山ワサビも好きなのだが、すする系で山ワサビは危険だ。北海道のセイコーマートで売っている山ワサビ焼きそばは、すすった瞬間にむせるという恐ろしく危ない代物だったことを思い出した。
気をつけながらすすると、やっぱりむせた。しかし美味しかった。
レポート:三橋 淳