以下、レポート：三橋 淳
埼玉県の狭山湖から関越道で北上
狭山湖外周路の公園的林道を走破したのち、目指すは有名な御荷鉾スーパー林道だ。御荷鉾は「みかぼ」と読む。かつては60km以上もあったダートはずいぶん減ったようだが、それでもまだまだ走りごたえがあるという噂だったので、ルートに組み入れてみた。
この林道も30年ほど前に走っているのだが、何せ1回しか走ってないので、とんと記憶にない。ということは実質初めてと変わりないじゃないか。人生で一度しか味わえない初体験を2回も経験出来るとはラッキーだと思うことにする。
本当なら国道299号で飯能から秩父と抜けて北上して行きたいのだが、今回はラリースタイルということもあって、都心部に近いルートは高速でひとっ飛びして時間を稼ごうという作戦。言い方はかっこいいが、基本Google先生にお任せである。
しかし、これが逆に功を奏することになる。
関越道で一気に富岡までワープ。富岡といえば世界遺産になった富岡製糸場が有名だが、そういう観光名所はいつでも行ける。今回は林道走破をメインにしているんだ。硬派なツーリングだぜ！ と意味もなくひとりでカッコつける。そうしないと寄ってみたくなるからだ。
林道へと向かう県道46号富岡神流線は、これでもか！ というほど狭くてくねくねしている。軽自動車1台がやっとなんじゃないの？ というほど狭い舗装路で一気に高度を上げていく。
Googleマップの案内図もグネグネだ。
すると目の前に通行止めの看板が！
「神流村方面には通り抜け出来ません」
ということは、もし秩父方面から回ってきていたら登れなかったわけだ。そう考えるとラッキーなルートどりに自画自賛である。
絶景ロングダート「御荷鉾スーパー林道」
ダートは、みかぼ森林公園の看板を見て鋭角に右に曲がったところから始まる。至ってフラットな林道が目の前に伸びている。カメラなどの準備をしていたら、ルーフにGoProを付けた乗用車が脇をすり抜けていく。
YouTuberだろうか？ 有名な林道だけに二輪四輪問わず人気なようだ。
若干石が大きめかなと思うが、オフロードタイヤを履いたアフリカツインなら問題ない。スイスイと尾根道を走る。
写真撮影をしていると、2台のオフロードバイクが通り過ぎていく。のんびりとしたペースで林道を満喫しているみたいだ。途中で向こうも休憩で止まったところを挨拶して先を急ぐ。
さて、これが思いのほか長い。途中石が出ていていやらしいところもあるが、さっきの乗用車がクリアしているのだから、まあ平坦といえるのだろう。そんな道が13kmも続いたところで舗装路に出た。これで終わりかよ～と周りを見ると、なんと道が崩れて断崖絶壁の縁ができているじゃないか！
これは映えスポットだとしっかり撮影する。
これは絶景だよ！ と写真を撮っていたら、さっきの2台の組もやってきた。これは場所を譲らねばとバイクをどかす。
そりゃみんな撮るよね。
しかし、すでに夕方になり完全に日陰の中。ここでバチッと写真を撮りたかったら午前中に来ることをお勧めします。
そんな事をしていたら、R1200GSを先導にハーレーのパンアメリカともう一台のグループがやってきた。道を譲ろうと彼らを見たら、
「あら～三橋君じゃないの～」
BONSAI MOTOと言うオフロードパーツ系に得意なショップ・オーナーの多川さんだった。
奇遇だねぇ～なんて話をしていたら、後ろのパンアメリカに乗っているのはバイクタレントの木村亜美さんだという。私は初めましてなのでご挨拶。にしてもハーレーのアドベンチャーバイクで林道走らせているなんて大したものです。思わずまじまじ見つめてしまう。
というわけで今回は忘れず記念写真。
さて、さらに奥へと進むと小さい看板で出てくる展望台の文字。本線から外れて細い道を400mほど登ると、立派なデッキが現れた。これが有名な御荷鉾の展望台かぁ。
こういうデッキがあるのはツーリング先では嬉しいよね。特に林道でこれがあるのは地元の方々が我々を歓迎してくれているようにも感じるからだ。
ただ、デッキにはバイクは上がれないので、映えを狙うならその奥の方がいいかも。こんな感じに収めることができる。
にしても山深い！ 林道を入っていくと本当に山間しか見られない奥地へとバイクで踏み入れることができる。
これはオフロードバイクの特権だ。
そんな御荷鉾スーパー林道を走り抜ければ、トータル20kmものダート走破だ。まさにスーパーの名に恥じないロングダートだった。
