全国各地でバイク関連のイベントが行われた11月3日・文化の日。関東も晴天に恵まれて、ミーティングやイベント、それにツーリングと、街でバイクを見る機会がスゴい多かった祭日でした。
関東ミニバイクの名門コースといえば通称「オケスポ」こと桶川スポーツランド。いまは「テルル桶川スポーツランド」というのが正式名称ですが、埼玉の荒川沿い、ホンダエアポートやレインボー埼玉ちかくのオケスポで、ちょっと変わったイベントがありました。

それが「桶撮」=オケドリ。本誌でもいつもお世話になっているカメラマン・赤松孝さんによる、モータースポーツに特化したカメラマン講座です。これは、オケスポが「一眼レフは持ってるけどうまく使えない」というモータースポーツ、それも写真撮りスキな人たちの声にこたえて企画したもので、その講師に赤松さんが指名された、ってわけです。
数えて第2回、初回が大盛況だったと聞いて、お!2回目はヒヤカシに行ってみようかな、が今回おじゃまするきっかけでした。

画像: 赤松孝さん 本誌をはじめ、ライディングスポーツ誌やあんなサイトやこんな広告写真の撮影をしているプロカメラマンです

赤松孝さん 本誌をはじめ、ライディングスポーツ誌やあんなサイトやこんな広告写真の撮影をしているプロカメラマンです 

「カメラマン講座なんて大げさなもんじゃないよ。レース写真とか撮りたくて一眼レフ買ったけどうまく使えない、とかそういう人たちにすーごい初歩のことを教えてあげるだけ」と赤松さん。
考えてみれば、中の人もレース取材をするたびに、アマチュアカメラマンの方々の多さに驚くことがあります。だいたいこの10年くらいかな、デジタル一眼レフとか望遠レンズが普及価格になった頃から増えてきたような気がするなー。それがまた、みんな上手いんだ!

レースを見に行きたい、って動機付けにはいろいろあって、レースが好き、バイクがカッコイイ、ライダーを応援してる、自分もバイク乗ってるし、とかいろいろある中で「カッコいい写真撮りたい」ってのも一定数あると思うんです。サーキットの金網の外側から写真撮って、それをライダーのSNSに投稿したり、DMでつながって毎レースのように写真を送ったり、ってケース、すんごく多いんです。そういう方、サーキットでよくお会いしますもんね。

その、オケスポ主催、赤松講師のオケドリ。ほぼ告知はなかったというのに、定員10名に30名以上の応募があったそうです。競争率3倍の難関を潜り抜けたメンバーの中には、なんと本誌でもたびたびお世話になっている、イラストレーターの寺崎愛さんの姿も。そういや愛ちゃんも、自分でも走ってるジムカーナの競技写真、撮り始めたなんて言ってたからなぁ。それが11月3日・文化の日に行なわれたというわけです。

画像: 最初の座学 みんなのカメラ設定からスタートです

最初の座学 みんなのカメラ設定からスタートです

講座はまず、各自カメラの設定から。とはいえ、持っているカメラメーカーもそれぞれで、キヤノンにニコン、ソニーにペンタックス。そこんとこ、うまく潜り抜けて赤松さんがカメラの初期設定を教えていきます。
撮影モードはマニュアルなのかオートなのか、シャッタースピード優先なのか絞り優先なのか。ISO感度はどうしたらいいのか、ホワイトバランスはどうするか、連射モードはどうするか、測距ポイントってなんですか――。けれど桶撮にはキヤノンのプロサービスの方がサポートに来てくれていて、各自初期設定は完了。こういうとき、10人の少数精鋭っていのはいいですね。赤松さんがビギナー向けにしている理由も難しさもわかりますね。

画像: オケスポの1コーナー先のカメラマンエリア もちろん、コロナウィルス感染拡大防止と安全に留意しております

オケスポの1コーナー先のカメラマンエリア もちろん、コロナウィルス感染拡大防止と安全に留意しております

晴天の文化の日、赤松さんお勧めの設定で撮影がスタート。
「撮影モードはシャッタースピード優先、1/250くらいにして、ホワイトバランスはオートで、連射モードはHiで始めましょう。僕も最初はそうだったしね~」って赤松さん。おぉ、わかりやすい。プロが分かりやすく教えてくれる機会って、スポーツでもこういう趣味の世界でも同じ、貴重なチャンスですね~。これ、ライディングレッスンとかと同じ意味合いなんだろうなぁ。
参加者の証・グリーンのビブスをつけて、普段は立ち入れない場所からの撮影。撮影エリアならあとは自由行動で、撮っている最中の参加者のみなさん、ひとりずつを回ってアドバイスする赤松さん。おぉ、まさにマンツーマンのライディングレッスンみたい。

画像: 走ってるみんなの後ろに桶撮の参加者のみんながいて、中の人はさらにその後ろにいるというw

走ってるみんなの後ろに桶撮の参加者のみんながいて、中の人はさらにその後ろにいるというw

画像: どう?「こんなです」ほんじゃ、次こうしてみて?「はーい」ってそんなレッスンです^^

どう?「こんなです」ほんじゃ、次こうしてみて?「はーい」ってそんなレッスンです^^

参加者のみなさんは、さすがにモータースポーツ写真を撮ってみたい、っていうだけあって、流し撮りも出来ちゃってる。それでもうまくいかないな、って顔をしてる人には
「こっちのヒジを体につけてね、こっちがわはレンズのこの辺持って、ファインダーに顔を押し付ける感じで撮るといいよ」と赤松さん。その様子を聞きながら、実は中の人もちょっと実践してみたりして(笑)。おぉ、手ブレ少なくなるかもなぁ、このフォーム、なんて。
10時スタートで座学を少し、それからはコースサイドに出て、撮影ポイントを3か所かな、お昼をはさんでガッチリ撮影。キヤノンのプロサービスさんも、いろいろプロ用機材を持ち込んでいて、参加者はお試しで使わせてもらったり、発売直前の新製品を実際に手に取って触れたり。すごいな、なかなか飽きさせないな、このイベント。

画像: カメラマン以外にはふだん立ち入り禁止のエリアに入れたのも楽しかったみたいです

カメラマン以外にはふだん立ち入り禁止のエリアに入れたのも楽しかったみたいです

そして、実は撮られる方=走ってる人も、この日に桶撮があるのを事前に知っていて、ぜひぜひオレの、私の走りを撮って~!ってひとばっかり。いいね、こういうノリ。走ってるみんなに連帯感があるオケスポらしい(笑)。
撮影時間が終わったら、撮った作品をモニターに映しながらアドバイスと寸評。
「ここんとこちょっとブレてるけど、かえってスピード感が出てるし、ここまで拡大してはじめてわかるくらいなら問題ないでしょう」
「これはどういう意図で撮ったの?」
「今日はスポーツ走行なのに、この写真はレース最中のバトルみたいでいいね」
なんだ、みんな上手いんですけど!(笑)

画像: イラストレーターの寺崎さん ジムカーナライダーでロードバイク乗りです

イラストレーターの寺崎さん ジムカーナライダーでロードバイク乗りです

参加した寺崎愛ちゃんのコメント。
「ふだん、ジムカーナのみんなの走行写真とか撮ってるんですけど、なにをどうしたらいいのか、ネットで調べたり、見よう見まねでやってるから、ちゃんと教えてもらってすごく楽しかった! コースサイドに入れるのもスゴいですね。ウチに帰って、撮った写真を見返して、キレイに撮れてるのがあったらすごくうれしかったです。なんだか、もっといいカメラとかレンズ、欲しくなっちゃいました!」

画像: こんなかんじで、いろいろお勉強できるんです

こんなかんじで、いろいろお勉強できるんです

画像: 一番左の緑ビブスはオケスポのMさん Mさんも写真を本格的に始めたくて、この講座を思いついたそうです おっと後で転倒が…

一番左の緑ビブスはオケスポのMさん Mさんも写真を本格的に始めたくて、この講座を思いついたそうです おっと後で転倒が…

教えてもらって、普段は立ち入れないところで写真を撮って、それをプロの人に寸評もらえるなんて、「モータースポーツの写真、撮ってみたい」って人にはサイコーの機会だったと思います。参加した人、みんな楽しそうだったから、きっと第3回、第4回も行なわれるはずです。
きっと最低の告知しかしませんから(笑)、オケスポのTwitter→https://twitter.com/okegawaをフォローしておくといいと思います。この日の参加者のみんなのベストショットもアップする、って言ってましたし。

画像: 撮る人を撮る人を撮る<写真提供/大槻陽子まま> 撮る人を撮ってたら撮られた中の人

撮る人を撮る人を撮る<写真提供/大槻陽子まま> 撮る人を撮ってたら撮られた中の人

それにしても中の人にとって、サーキットに行って、走ってるバイクの写真ほとんど撮らなかったの、初めてかもしれないです。よくサーキットで写真撮っていて、その模様を「撮る人を撮る」って送って来てくれる友だちがいるんですが、こんなかんじなのかなー^^

画像: はい、参加者みんなでパシャリ うーん、ブレてる(笑) 中の人がいちばん写真ヘタだな

はい、参加者みんなでパシャリ うーん、ブレてる(笑) 中の人がいちばん写真ヘタだな

画像: 「撮られるひと」としてWSS300ライダーの岡谷雄太登場! 岡谷君、ここオケスポがホームグラウンド 時間がある限り、ココ走り込んでいます!

「撮られるひと」としてWSS300ライダーの岡谷雄太登場! 岡谷君、ここオケスポがホームグラウンド 時間がある限り、ココ走り込んでいます!

画像: 中の人が撮りました 「1/250のシャッタースピードからどんどん攻めてスローシャッターに挑戦するように」という先生の指示通りです

中の人が撮りました 「1/250のシャッタースピードからどんどん攻めてスローシャッターに挑戦するように」という先生の指示通りです

写真・文責/中村浩史

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