全日本モトクロスも、後半戦Rd.7。舞台は宮城県スポーツランドSUGOへ、本来最終戦のこのMFJ-GPだが、コロナの影響で広島大会が後ろ倒しになってしまった2021年である。前戦、体調不良が成績に響いてしまった大塚豪太が、満を持して菅生へ入った。
予選は6位。好感触
小雨の降るSUGOスポーツランド。スタートのセットアップもばっちり決まった予選ヒート、まずまずの出だしからレースがスタート。
大先輩にあたり、目下ゼッケンもひとつ上の小島庸平におさえられつつも、27台の出走中6位に入った。GOSHI Racingの石浦は「マフラー自体は、前戦HSR九州と同じですが、マップを合わせこんできました。前回のSUGOから推測されるデータと、事前テストで作り込んだマップを持ち込んだ形ですね。事前テストはひどいマディでしたが、午後はだいぶ回復したのでデータもとれました」と、万全を期したマッピングが用意されていた。
「それを土曜の公式練習で再度確認し、本人からも好感触がありました。HSR九州にくらべると、燃料を抜いていく方向で調整しています。SUGOはパワーが食われる路面だったので、濃いセッティングだと本当にほしい時についてきてくれなくなってしまう傾向があるのです。必要な時に、必要なパワーが出るような方向性ですね」とのこと。
ファクトリーに挟まれても、同レベルに立てる
そして迎えた日曜日決勝ヒート。
大塚は、ヒート1で少しスタートの出だしにミスしてしまうが、1コーナーのこなしがよく、好スタートに。「マシンはとにかくよくて、好みのセッティングになっていました」と。
小島庸平、安原志らとバトルを繰り広げ、安原を下して6位入賞。
ヒート2は、出だしこそよかったが、ファクトリーライダーに挟まれてしまい1コーナーで転倒を喫する。結果的にはいい形にならなかったが、スタートの鋭さはファクトリークラスに後れを取らないことがわかった。「最後尾から追い上げて、ラインを変えたところで転んでしまって。だいぶ集団が離れたところに見えて、あそこまで行きたいと懸命においあげました」と語るとおり、8位まで順位を戻してフィニッシュ。内容としても相当にいい走りであった。
「ラスト1周も、パッシングして追い込めたので、自分としてもいい走りでした。もっと上を目指せるはずです」と大塚も言う。「目標としては小方さんに勝ちたい。やっぱり5〜6位くらいにいるし、ホンダのドリームチームの一角ですし。今年は、思うように成績を出せていないので、最終戦こそ表彰台を狙っていきたい」とのこと。広島に、期待をかけたい。