トライアンフ「スラクストンRS Ton Up エディション」の特徴
往年の「トン・アップ・ボーイズ」をイメージ
「Ton Up エディション」という車名は、公道を閉鎖した世界屈指の難コースで行われるマン島TTにおいて、周回平均時速100マイル(約160km/h)を達成することを指す「オーバー・ザ・トン」という言葉がそもそもの由来。
特に1950〜60年代にオーバー・ザ・トンを達成した「トン・アップ・ボーイズ」、中でも1969年のマン島TTで、トライアンフ・ボンネビル・スラクストンを駆るM・アップヒルの手で、プロダクションバイク初の100マイルオーバーが達成されたという快挙にインスパイアされ、当時のカフェレーサーをイメージさせる「Ton Up エディション」は誕生した。
最高出力105PSを発揮する強力な1200cc水冷並列ツインエンジンをはじめ、ROAD、RAIN、SPORTの3モードを選択でき、トラクションコントロールなどまで統合された最新のライディングモードや、前後17インチホイール、Showa製の倒立フォークやオーリンズ製のリアサス、ブレンボ製ブレーキシステムなど、スポーティな走りを支えるモダンでハイグレードなメカニズムは、スタンダードな「スラクストンRS」と同様。オーソドックスな中にレーシーなイメージをミックスしたスタイリングも基本的に共通だ。
その特徴は専用のカラーリング。シルバーコーチライニングで縁取られたブラックのニーパッドグラフィックが目立つ、手仕上げペイントされたエーゲンブルーのフューエルタンク。
そしてシングルシートのテールカウルやフロントフェンダーは対照的に白くペイントされ、クラシカルなカフェ風味を強調。テールカウルの赤いゼッケンベースには、車名に由来する「100」の文字も入っている。サイドカバーの「Ton Up」エンブレムや、マットアルミニウムシルバーのフォークプロテクター、ブラックアウトされたホイール、エンジンカバーなども「Ton Up エディション」だけに与えられている。
「スラクストンRS Ton Up エディション」は、今期限定で生産されるという。税込価格は202万7000円。
トライアンフ「スラクストンRS Ton Up エディション」の主なスペック
全長×全幅×全高 | NA×745×1030mm |
シート高 | 810mm |
車両重量 | 217kg |
エンジン形式 | 水冷4ストOHC4バルブ並列2気筒 |
総排気量 | 1200cc |
ボア×ストローク | 97.6×80mm |
圧縮比 | 12.1 |
最高出力 | 105PS/7500rpm |
最大トルク | 112Nm/4250rpm |
燃料タンク容量 | 14L |
変速機形式 | 6速リターン |
キャスター角 | 22.8° |
トレール | 92mm |
タイヤサイズ(前・後) | 120/70ZR17・160/60ZR17 |
ブレーキ形式(前・後) | φ310mmダブルディスク・φ220mmディスク |
まとめ:小松信夫