ビジネスバイクと言えば、圧倒的なサイズのトランクでしょ!

ちょっと街を歩けば、必ずと言って良いほど走っているのが、大きなトランクを積載したビジネスモデル。食品の宅配を始めとして、様々な用途に活用されているようですが、この大きなトランクってどこで作っているんでしょうね。で、価格はいくらなのか? バイク自体の操作性はどう変わるのか? よく考えてみたら、知らないことばかりです。

最近ホンダからは3種類の電動ビジネスモデルが発売され、世の中の宅配事情も大きく変化がありそうな今日この頃。静かに大量に物を運ぶことができる電動バイクと大型ケースの組み合わせは、今後見かける機会も増えそうです。

そこで、今回はケースを制作する会社にお邪魔してきました!

画像: ホンダから登場したビジネスモデル3機種。左から「BENLY e: プロ」「GYRO CANOPY e:」「GYRO e:」。

ホンダから登場したビジネスモデル3機種。左から「BENLY e: プロ」「GYRO CANOPY e:」「GYRO e:」。

画像: 着脱式可搬バッテリー「Honda Mobile Power Pack(モバイルパワーパック)」。ホンダの電動ビジネスモデルは、このバッテリーで動くんです!

着脱式可搬バッテリー「Honda Mobile Power Pack(モバイルパワーパック)」。ホンダの電動ビジネスモデルは、このバッテリーで動くんです!

実際に箱を積んで走ってみた!

今回訪れたのは、埼玉県朝霞市にある「株式会社ティーズ」さん。

社内の倉庫には、所狭しと出荷を待つトランクがギッシリと並び、ピザの宅配で有名なブランドや、ハンバーガーでお馴染みのブランドなど、見覚えのあるグラフィックをほどこしたトランクも並びます。

そもそもティーズは昭和63年の創業以来、FRP関連製品の研究・開発・製造などを行なってきた会社。かつてはバイク用のカウルや、車用のエアロなども手掛けていたとのこと。

画像: 倉庫にはラインアップしているトランクがズラリと並んでいました。

倉庫にはラインアップしているトランクがズラリと並んでいました。

さっそくケースを積んだ「BENLY e:」と「GYRO e:」で試乗に出発。空荷でショートツーリングです。

画像1: 実際に箱を積んで走ってみた!
画像1: 宅配で使われている巨大な「箱」! ホンダのビジネス電動モデルで実際に試してみた!

テスター太田安治の体験レポート

荷物の出し入れがしやすく、防水性と防犯性を備えているテールボックスはツーリングライダーやスクーターユーザーに人気のアイテム。ヘルメット1個が収まる容量20L程度のものから、ヘルメット2個を入れてもまだ余裕がある40L以上のものまで豊富に揃っている。だが、そうした大型テールボックスを見慣れていても、業務用トランクを間近で見ると「うわっ、でかい!」と驚く。と同時に操縦性への影響と剛性が気になるところだ。

「ティーズ」が製作しているトランクの素材はFRPで、ガラス繊維にプラスチック樹脂を染み込ませながら何層にも積み重ねて成形する。剛性を高めには積層数を増やすことが手っ取り早いが、積層数が増えれば工程と重量も増え、製造コストは高くなる。必要な剛性と重量、コストをどうバランスさせるかが設計/製造者の腕の見せどころだ。

実際にティーズのトランクを検証してみると、ゴテゴテの積層ではないのに剛性は充分。
かっては剛性と軽さに対する要求が厳しいレーシングマシンのカウル/シートや自動車のエアロパーツも製作していただけに、貼り込み工程での繊維方向、厚さ、樹脂量などが綿密に計算されているのだろう。FRPの特性を知り尽くしたプロの仕事だと実感する。

同社最大の330L容量モデルを積んだジャイロeに試乗させてもらったが、急な加減速、コーナリングでもトランクが歪む気配はまったく感じない。トランクの表面積が大きいだけに走行風の影響を懸念したが、3輪構造で安定性の高いジャイロeとの組み合わせでは特に違和感なし。むしろ実際に荷物を入れて積載重量が増せば、安定性も高まるように感じた。このあたりも業務用トランクを作り続けてきたノウハウが活かされているのだろう。

デリバリーで走っているバイクを見たらトランクにも注目して欲しい。単なる箱ではなく、そこにはプロフェッショナルならではのノウハウが凝縮されているのだ。

画像2: 実際に箱を積んで走ってみた!
画像3: 実際に箱を積んで走ってみた!
画像4: 実際に箱を積んで走ってみた!
画像2: 宅配で使われている巨大な「箱」! ホンダのビジネス電動モデルで実際に試してみた!

梅本まどかの体験レポート

初めて電動3輪の「GYROe:」と「BENRYe:」にトランクボックスを載せて走らせてもらったのですが、思っていたよりも軽く、走っている時の音が凄く静かだった事に驚きました!

トランクボックスを載せると、もっと重く感じて進まないのかなと思ったのですが、ずっしり感はなく(中身は空っぽでしたけど)、加速もいい具合にできアクセルワークがしやすかったです。

電動バイクだからこそ、走行時にお喋りしながら走れるくらいの静かさだったのですが、ボックスを積むと段差の揺れと音が凄くて加速音がない分よりその音が大きく聞こえたのにもびっくりしました。ボックスを載せずにもGYROe:は走らせて頂いたのですが、3輪ならではのコーナーの不思議な感覚が最初はあったけど、慣れると「なるほど!」とどんどん楽しくなっていきました。ボックスを積むと重さは感じませんでしたが、揺れた時や風の影響でどう車体が動いているのか感覚を掴むのが難しく、ハンドルどっちに切ればいいんだ?
え?こんなに揺れるの?と、その違いが体感出来たのも面白かったです。

サイズバリエーションと適応車種、価格は?

ティーズのトランクはホンダ車用とヤマハ車用が展開されており、ホンダ車は「ジャイロX」「ジャイロキャノピー」「ベンリィ」「ベンリィ110」「ジャイロe」などに対応、ヤマハ車は「ギア BX50」「ギアルーフ BX50」「PAS GEAR」に対応しています。

各種トランクはケースのみの販売となる「ベーシックトランクシリーズ(21450円~)」と、ハイマウントストップランプや、アルミコーティングされたインナーパッド&マットなどが標準装備となる「スタンダートトランクシリーズ(6万4900円~)」がラインアップされています。

画像: 梅ちゃんが入っているのは、ジャイロe用のトランク「PC8-Ge」。外寸は幅810mm×奥行630mm×高さ780mm、容量330リットルの、同社最大モデルです。

梅ちゃんが入っているのは、ジャイロe用のトランク「PC8-Ge」。外寸は幅810mm×奥行630mm×高さ780mm、容量330リットルの、同社最大モデルです。

画像: トランク制作には専用の「ジグ」と呼ばれる機械を使って、フィッティングなどを確認します。

トランク制作には専用の「ジグ」と呼ばれる機械を使って、フィッティングなどを確認します。

ホンダ販売店やワイズギア経由で購入可能!

気になるティーズ製トランクの購入方法ですが、ホンダ車用は全国のホンダ販売店で、ヤマハ車用はワイズギア経由で注文する形となりますが、補修部品に関しては、直接ティーズさんから代引きで購入することが可能です。

画像: ホンダ販売店やワイズギア経由で購入可能!

株式会社ティーズ

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