ドゥカティ「パニガーレV4」「パニガーレV4S」2022年モデルの特徴
この秋ドゥカティが世界にニューモデルを公開するためにWeb上で開催している「ドゥカティ・ワールド・プレミア2022」。11月25日に開催されたエピソード5では、最新・最高のテクノロジーを結集したスーパースポーツ「パニガーレ V4」の2022年モデルが発表された。
「パニガーレ V4」は、MotoGPやスーパーバイク世界選手権を長年戦っているドゥカティコルセが、サーキットで培ってきたノウハウとテクノロジーを、量産車へフィードバックして開発された究極のスーパースポーツ。空力特性に優れたボディ、人間工学的なインターフェイス、強力なエンジン、軽量でバランスの良い車体、高度な電子制御デバイスなど、あらゆる部分にそのDNAは息づいている。
2021年モデルの「パニガーレ V4」は空力特性を改善するカウル周り、特にMotoGPマシンのようなウイングレットを改良。従来よりコンパクトで抵抗の小さいデザインになったが、発生する強力なダウンフォース量自体は変わっていない。またアンダーカウルのエアアウトレットも、冷却効率を高めるデザインに。これらはサーキット走行で大きな効果を発揮する。
車体にもさまざまな改良が施された。安定性を高めるためにスイングアームピポット位置を変更。燃料タンクもライダーとの一体感を高めるために形状が見直され、同時に容量も1L増えて17Lになった。ポジションの自由度を高めるため、シートも形状などを変更。多機能なカラー液晶メーターには、新たにLEDシフトインジケーターが追加されている。
上級モデルである「パニガーレ V4S」では、電子制御フロントフォークが最新のオーリンズ製NPX 25/30にグレードアップ。ストロークが増し、より柔らかい設定を採用することが可能になった。それを活かしてスムーズな作動を実現しながらも、サーキット走行のような極限状態におけるグリップ力も高まった。
力強さで定評のある1103ccデスモセディチ・ストラダーレV4エンジンは、フリクションを減らすための潤滑系の改良、排気抵抗の少ない新しい排気系、エンジン制御マッピングの変更を受けていて、最高出力215.5PSと従来モデルより1.5PSアップ。それ以上に、6000rpmで最大トルクの80%を発生し、ピークパワーを超えた回転域でもパワーが上積みされるなど、パワー特性を大きく改善。ハイギアード化された新しいミッションや、そしてパワーモードのロジック変更などと合わせて、サーキットでのパフォーマンスを向上させている。
日本での発売時期と価格
新型「パニガーレV4」シリーズは、スタンダードな「パニガーレV4」と、上級版の「パニガーレV4S」というラインナップは従来通りで変更なし。
日本での税込価格は「パニガーレV4」が290万円、「パニガーレV4S」が358万円。発売時期は「パニガーレV4S」が2022年の第二四半期とされているので夏頃。「パニガーレV4」の方が発売は遅れ、2022年第三四半期とされているので秋頃になる見通しだ。
ドゥカティ「パニガーレV4」「パニガーレV4S」2022年モデルの主なスペック
ホイールベース | 1469mm |
シート高 | 850mm |
車両重量 | 195.5kg(198.5kg) |
エンジン形式 | 水冷4ストDOHC4バルブV型4気筒 |
総排気量 | 1103cc |
ボア×ストローク | 81×53.5mm |
圧縮比 | 14.0 |
最高出力 | 215.5PS/13000rpm |
最大トルク | 12.6kgf・m/9500rpm |
燃料タンク容量 | 17L |
変速機形式 | 6速リターン |
キャスター角 | 24.5° |
トレール | 100mm |
タイヤサイズ(前・後) | 120/70ZR17・200/60ZR17 |
ブレーキ形式(前・後) | φ330mmダブルディスク・φ245mmディスク |
※( )内はV4S |
まとめ:小松信夫