ビモータ「KB4」の特徴
この「KB4」は、2019年にビモータとカワサキの資本提携が始まり、カワサキからの供給を受けてスーパーチャージャーで加給されるH2のエンジンを使用して開発された「TESI H2」に続いて開発された。
「TESI H2」と異なり、「KB4」は「ニンジャ1000SX」などに搭載されている、最高出力142HPの自然吸気1043cc水冷直4エンジンを使用。スタンダードな「KB4」の車重は乾燥重量で187kgで、ベースエンジンを搭載する「ニンジャ1000SX」よりもかなり軽量なこともあって、豪快な動力性能が味わえる。
フレームはスチール製パイプを組み合わせたビモータらしいトレリス構造で、アルミを削り出したスイングアームは、エンジン後部のアルミ製ピポットプレートにマウントされている。サスペンションは前後共にハイグレードなオーリンズ製、ブレーキはブレンボ製だ。
特徴的なのはラジエターの位置で、通常のスポーツモデルのようにエンジンの前方に置くのではなく、テールカウル下面にマウントするというユニークなレイアウトが採用されている。
スタイリングは、曲線的なラインで構成されたモダンクラシック的なフルカウル・スタイル。印象的な丸型のLEDヘッドライトとその周りの処理といった各部のディテールやカラーリングに、70年代のビモータを想わせるデザインが散見される。
さらにフルカウル仕様のスタンダードな「KB4」に加えて、個性的な造形が目立つネイキッドバージョンである「KB4RC」もラインナップされている。
「KB4」には、ステップをはじめとする、美しく機械加工された細かなアルミ製パーツや、カウルなどの軽量なカーボン製ボディパーツが各部に多用されている。
さらに本革製のシートや美しい仕上げのペイントなど、職人の技も活かした贅沢な造りは、ビモータらしい工芸品的な美しさで、まさに走る芸術というべき仕上がり。見ているだけでワクワクして、乗ったらさらに楽しいという、プレミアムなスポーツモデルだろう。
ビモータ「KB4」の主なスペック
全長×全幅×全高 | 2210×765×1165mm |
ホイールベース | 1390mm |
シート高 | 810mm (+/-8mm) |
車両重量 | 187kg (乾燥) |
エンジン形式 | 水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 |
総排気量 | 1043cc |
ボア×ストローク | 77×56mm |
圧縮比 | 11.8 |
変速機形式 | 6速リターン |
キャスター角 | 24° |
トレール | 100.8mm |
タイヤサイズ(前・後) | 120/70ZR17・190/50ZR17 |
ブレーキ形式(前・後) | φ320mmダブルディスク・φ220mmディスク |
まとめ:小松信夫