ビモータ「KB4」の特徴
1972年に創業したビモータは、イタリアの職人によって製造される美しいハンドメイド仕上げのスポーツモデルを生産してきたことで知られているメーカー。2019年からカワサキと資本提携関係を結び、ニンジャH2のスーパーチャージド・エンジンを使用したモデル「TESI H2」でも話題になった。
今回、国内販売が発表された「KB4」は、両社の提携で誕生した2作目となるモデル。最高出力143PSを発揮し、力強くフレキシブルなことで定評のあるニンジャ1000SXベースの1043cc水冷直4エンジンを、ビモータの手によって開発された車体に搭載している。
「乗りやすく、トルクがあり、軽量なバイク」というコンセプトに基づき、その車体は、俊敏なハンドリングを実現するためコンパクト化を追求。600ccクラス並の1390mmという短いホイールベースなど、ニンジャとは大幅に異なるディメンション設定を採用。
車体の造りもエンジンに直接クロモリ鋼製のフロントトレリスフレームをマウントし、エンジン後部のピポットプレートを介してアルミ材からの削り出しで製作されたスイングアームを装着するという、ビモータらしさ溢れる凝った構成。
また、ラジエターを通常のエンジン前面ではなくテールカウルに内蔵。その分、通常よりエンジン搭載位置を前進させることが可能になり、理想的な前後重量配分実現に大きな効果があったという。
そこに装備されるサスペンションは前後ともにオーリンズ製。フロントフォークはFG R&T 43 NIX30、リアサスペンションユニットはTTX36という、いずれもハイグレードなものをチョイス。同様にブレーキもブレンボ製の最高グレードのコンポーネンツ。
ライディングをサポートする電子制御システムも、 IMU(慣性計測装置)を中核とする最新スペック。 パワーモードはもちろん、コーナリング・マネージメント・ファンクション、インテリジェントアンチロックブレーキ、トラクションコントロール、クイックシフターといった最新スペックの高精度なデバイスを搭載。高速ツーリングには欠かせないクルーズコントロールまで装備されている。
スタイリングは、ビモータの伝統的なデザインを取り入れながら、現代のスポーツバイクに求められる機能性を盛り込んだ独創的な造形のフルカウル。カウルの側面にある、テールカウルまで弧を描いて連なっている部分が目立つが、これはフロントの吸気口からテールカウル内部にマウントされたラジエターまで、冷却のための空気を効率よく導くためのダクトだ。
このカウルが高品質で軽量なカーボン製なのをはじめ、「KB4」は多くの部分に高精度なアルミ削り出しパーツやカーボン製パーツが使用されていて、軽量化も徹底されている。
その結果、車重は199kgとニンジャ1000SXよりも37kgも軽量に仕上がった。さらに妥協を排した造りで実現した優れたハンドリングによって、スーパースポーツに匹敵するエキサイティングな走りを味わえる。
メカニズムに関する部分だけでなく、フルカウルを彩る上質なペイントや、本革製のシートなどにまでこだわり、プレミアム感を感じさせる所もビモータらしいところだ。
ビモータ「KB4」の国内発売が始まるのは2022年3月上旬の予定で、ビモータ正規取扱店でのみ取り扱われることになる。税込価格は437万8000円だ。
ビモータ「KB4」の主なスペック
全長×全幅×全高 | 2050×774×1150mm |
ホイールベース | 1390mm |
シート高 | 810mm(+/-8mm) |
変速機形式 | 6速リターン |
キャスター角 | 24° |
トレール | 100.8mm |
車両重量 | 194kg |
エンジン形式 | 水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 |
総排気量 | 1043cc |
ボア×ストローク | 77×56mm |
圧縮比 | 11.8 |
最高出力 | 142PS/10000rpm |
最大トルク | 11.3kgf・m/8000rpm |
燃料タンク容量 | 19.5L |
タイヤサイズ(前・後) | 120/70ZR17・190/50ZR17 |
ブレーキ形式(前・後) | φ320mmダブルディスク・φ220mmディスク |
まとめ:小松信夫