以下レポート:三橋 淳
夕方の宿探しは運しだい、あえての当日予約で成功もあれば失敗もある
さて、日も陰ってきたので宿を決めねばならない。今日は土曜日である。なぜ土曜日に夕方になってから宿を探すなどという愚かなことをするのか? それは、本当は郡上八幡に泊まりたかったからだ。昨日の段階では検索しても宿は見つからなかった。当日になれば空くのではないか、と淡い期待を抱いていた。
が、世の中そんなに甘くない。郡上八幡、全く宿が空いてません。しかし、すぐ近くの下呂温泉には2軒の空きがあった。
下呂かぁ。何度も訪れたことがあるが仕方ない。そこに決めた。2軒のうち、1軒はあまりにもボロそうだったので、下呂の街が見下ろせるという宿にした。見下ろせるということはちょっと離れているのかな? 当然夕食はついてないので町まで出かけなければならないが、タクシーでも使うさ。
下呂に向かうとなると、まだ時間はある。現在16時。この近くに短いながらももう一本林道がある。それを通ってから下呂温泉へと向かう事にした。
いざ到着した林道の入り口には、看板も通行止めも何もなかった。入ってみたはいいもののとにかく荒れ放題。しかも陽が沈んで森の中は真っ暗でよく見えない。わずか3kmの林道だったが、ちょっと冷や汗かいた。
出口付近は綺麗に整備されていたので、走ってもいいのだろう。助成金で作られた、と大きく看板が出ていた。
これで本日の林道トータル35km! キャンセルばかりだった割には悪くない数字だ。達成感もあり、心置きなく宿に向かえる。
下呂へと向かう道は、これでもかというくらい細くて曲がりくねっていた。
日も沈むので先を急ぎたいが、国道をそのまま走ってもつまらないので、隣の県道を選んだ。オンロードのワインディングも堪能する。
下呂温泉と朴葉焼き
宿に着いた頃には真っ暗。今日もよく走りました。
大きな旅館は屋根の下にバイクを置かせてもらえるので、嬉しい。やっぱり自分のバイクを野ざらしにするのは嫌だよね。
私のアフリカツインには野口シートのバックスキンの表皮が貼ってあるので濡らしたくないというのもある。防水加工してあるから中のスポンジは濡れないんだけどね。
さんざん散らかした部屋からは下呂の町が見下ろせた。夕食はないが下呂温泉で朝食ついて1万円なんだから、お得である。
お風呂でさっぱりした後にいよいよ夕飯に繰り出す。タクシーのおじさんにそれとなく美味しい店を聞いてみる。
「実は私、お酒飲まないんでよくわからないんですよ~。居酒屋でしたら、一軒紹介できますけどね」
向かった居酒屋さん。暖簾をくぐるなりこう言われた。
「今満席なんです~」
なんてこった! 今日は土曜日だ。そりゃ混むわ。仕方なく町を歩くが、今度は店がやっていない。コロナが落ち着いてきているとはいえ、観光地のお店はかなりの割合で閉まっていた。そこに観光客が来始めたものだから、店がどこもいっぱいになってしまう。そうか。ホテル探しに苦労していたのは、こういう事情もあったのかもしれない。ホテルの休業も少なくないはずだ。
そんな事情が分かったところで事態は好転しない。またしても夕食難民である。
トボトボと下呂の町を彷徨うこと20分。川沿いの方に足を運ぶと何やら人で賑わっている。なんでも今から花火が打ち上がるらしい。じゃあ私も見物しようかな。いや待て。こうして花火見物で人が出ているということは居酒屋も空き始めているんじゃないか? 近くの居酒屋に飛び込んだ。
1人なんですけど入れますか?
「カウンターでよければどうぞ!」
やったー! 狙い通りだ。
嬉々としてカウンターに陣取りメニューを見た瞬間、「朴葉焼きと地酒ください!」と迷いなく注文していた。岐阜といえば朴葉焼きでしょ。味噌に飛騨牛。これこれ。それに日本酒。このセットは外せません。
ところが、この朴葉焼き、いい意味で予想を裏切って登場してきた。
すごい量!
「焼ききれなかったら火追加するんで言ってくださいねぇ」
焼ききれないの!? そんなことってある? 確かにこんなにてんこ盛りになっている朴葉焼きは初めて見た。
これが美味しいのなんの。タクシーのおじさんがおすすめしてくれた店には寄れなかったけど、この出会いは嬉しいね!
楽しい林道に美味しい料理。これに出会えれば言うことなし。今日は最高ですよ!
レポート:三橋 淳