東京発・京都着。なるべく林道を多く走る1人ツーリングラリー「1週間林道ツーリング」に旅だった三橋淳さん。東京を出て4日目、岐阜県の迷宮ともいえる林道に突入。無事に抜け切ることはできるのか!?
以下レポート:三橋 淳

不案内な林道で頼れるのは長年の経験とGPS

2人組のツーリングライダーから教えてもらった中腹林道とおぼしき道に入ってからは、全て分岐で上り方面を選んできた。徐々に標高が高くなり、ついには道が平坦になった。目指してきた木曽越峠へと近づいているのだろうか。
 
GPSで確認すれば、直線距離で行けば残りあと2kmだ。もうすぐ着く! と言いたいが山での直線距離2kmは意外とある。まだまだ気は緩められない。石で荒れている路面を丁寧にクリアしながら、自分の選択は間違っていないと信じて走る。

もし道を間違えていたら結構なタイムロスだなぁ。また戻って分岐をいちいち探さないといけないのか。それはかなりの手間だ。もう14時を過ぎている。17時には真っ暗になることを考えると、余裕はない。

そんなことを考えながら水平になった道を走らせていると、視界が開けた。この絶景を見て確信する。この道であっている! 何の根拠もないのだけれど。

画像1: 不案内な林道で頼れるのは長年の経験とGPS

山深い。さすが岐阜だ。こんなにも連なる山を見られる道もそうないだろう。さっきまで時間を気にしていたのに、この絶景を前にしたら写真を撮らないわけにはいかない。

林道脇に見つけた小さな表示版には、しっかり「木曽越林道」と記されていた。

画像2: 不案内な林道で頼れるのは長年の経験とGPS

ちゃんと、あってたぞ! どこから木曽越林道になっていたのかは、さっぱりわからない。けれどもこれで一気に不安は解消だ。迷わず進め!

すぐに木曽越峠に到着。峠といっても何もないので一度通り過ぎてしまった。あ、もしかして今のか!? 道が下り始めたことに気がついて急いで戻る。

画像3: 不案内な林道で頼れるのは長年の経験とGPS

ちょっとした広場があるだけで、何もない。木々の間からは展望がひらけるが、大展望というわけでもない。はっきり言って微妙である。これは通り過ぎちゃうよ。

それでも、木々の間から見える山間の景色は見事なもんだ。連なる山々の中に、人工物は見えない。

実際には植林だったり、高圧鉄塔があったりするのだが、それでもこの景色は大昔の人が見たものとほとんど変わらないだろう。

画像4: 不案内な林道で頼れるのは長年の経験とGPS

降りる道も分岐だらけ、ダートの走行距離が伸びる

さて、木曽越峠を越えてから道がとたんに広くなり、さっきまで苦労していた石もなくなって走りやすくなった。絶景が続く。右手に山々を望みながら下る林道は、そりゃもう気持ちがいいったらありゃしない!

画像1: 降りる道も分岐だらけ、ダートの走行距離が伸びる

個人的にはガードレールがなければもっと絶景の評価は上がる。でもこれがなかったら初心者ライダーは怖くて走れないだろうね。だって谷底真っ逆さまだもの。それにしてもフラットで気持ちのいい道だ。

画像2: 降りる道も分岐だらけ、ダートの走行距離が伸びる

最近開通したというこの道、地元のライダーにはさぞ人気なことだろう。すでに夕方になろうとしていたので、ライダーとすれ違うことはなかったが、アフリカツインのようなビッグアドベンチャーモデルでも楽しめる天国のような林道だ。

気持ちよく駆け抜けていたら、丁字路が現れた。ははーん。ここが木曽越林道と中腹林道との分岐なんだな。

画像3: 降りる道も分岐だらけ、ダートの走行距離が伸びる

真ん中の道を下って出てきた。前を走る左右の道が中腹林道だ。看板はないけれどきっとそうだ。だから左に行けばさっき入ってきた方につながるのだろう。目指すは右手側だ。

ここでメーターに目を落とすと林道に入ってすでに20km以上。おいおい、ということはここで中腹林道を元の道に戻ればループして40km以上のダートになるのか。こりゃすごいな。

しかし、戻るのは性に合わない。ループする道は次回のお楽しみにとっておいて、ここは予定通り右手に曲がって南下する事にする。

しばらく走ると再び分岐が現れた。どうなってんだこの道は! 分岐が多すぎだぞ!

画像4: 降りる道も分岐だらけ、ダートの走行距離が伸びる

しかも片方は登り返しているじゃないか。普通に考えれば降りるなら下っている右側だ。しかし、ここでもう一度道が登るってどういう事なのよ? そっちの方に興味がいってしまい、気になって仕方がない。

一息入れよう。気づくと汗だくになっていた。この林道は標高差があり過ぎる。ウエアのベンチレーションを全開にする。

今朝は雪の中を走っていたのに、今は汗だく。着用してきたダートフリークのナビゲータークールはベンチレーションが多くて助かる。林道ツーリングは温度調整が大事だからね。

画像5: 降りる道も分岐だらけ、ダートの走行距離が伸びる

水分も補給し一息ついたところで出発。選んだのは、登り方面の左側だ。

すると今度は明らかに山の雰囲気が変わり、薄暗い森の中を走る林道となった。

こうなると郷に降りるのは時間の問題だな。そう思いながら走ると数キロでクイックターンが続く。この下に国道が走っているようだ。ということはトンネルの上か。いよいよゴールも近いぞ。

走ること数キロ……国道256号へと完抜けした!

画像6: 降りる道も分岐だらけ、ダートの走行距離が伸びる

国道脇までダートが続いているんだよ。これはすごいね。見事というしかない。

距離計を見ると32kmもダートを走ったことが分かる。撮影の都合で一部往復しているが、それでも30kmくらいは間違いなくあった。貴重なロングフラットダートだ。中腹林道と組み合わせれば40km越えのループも夢じゃない。

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