ヤマハの大型LMW・トリシティ300をベースに専用開発のナイトロンサスペンションを組み合わせてローダウン化したのが、レガーレのLS(ロー・スタイル)。約15mmのローダウンの効果は数値以上に感じられるもので、扱いやすさを格段に向上しての登場だ。
文:太田安治/写真:南 孝幸

レガーレ「トリシティ300 LS」インプレ(太田安治)

LEGARE YAMAHA TRICITY300 LS

総排気量:292cc
エンジン形式:水冷4ストOHC4バルブ単気筒
シート高:780mm
車両重量:237kg

税込価格:104万5000円

足つき性の向上に加え、乗り味も上質に進化!

トリシティ300の魅力は前2輪・後1輪のリバーストライク構造による安定性と、スクーター同様の高い利便性。しかし、795mmというシート高は車格に見合ったものだが、シートの座面幅が広いため脚が開いてしまい、数値から想像するより足着きが悪い。平均的体格の日本人だと足着きが厳しいのも事実だ。車重も240kg近いから、身長176cmの僕でも停止時にはかなり気を遣う。

今回試乗した「レガーレ」のトリシティ300LS(ロースタイル)は、リアのサスペンションユニットをナイトロン製に換装し、シート高を15mmダウン。「足着き性が劇的に向上!」というほどではないものの、安心感は段違い。傾斜している路面や未舗装路での不安感も大きく減らしてくれる。

一般的にローダウン化すればサスペンションストロークが減って衝撃吸収性能が低下し、車体姿勢も変化してハンドリングに違和感が出ることが多いが、このLSではそうしたネガ要素を感じない。ノーマルはスプリングが硬めで路面の小さなギャップに敏感に反応してコツコツとしたショックが尻に伝わってくるが、LSではギャップ越え時の衝撃が明らかに少なく、ハンドリング特性の変化もほとんどない。

これはナイトロン製ユニットの初期作動性の良さと、適切なバネレート/減衰力設定で衝撃をスムーズに吸収しているから。特にザラついた路面や高架の継ぎ目部分では吸収性の良さが活きる。このサスユニットの選定とスプリング/ダンピングのセッティングは経験豊富なスタッフが走行テストに時間を掛けて煮詰めた結果だろう。

トリシティのフロントステアリング回りは構造が複雑なため、あえてフロントフォークのセッティングは変えていないが、それも乗り心地の良さに貢献している上、車体姿勢が少し後ろ下がりになったことで低中速でのハンドリングが若干軽くなっていることが好ましい。

あえて気になる点を挙げれば、高速域で深くバンクさせた際にフロントタイヤの接地性が若干薄れてアンダーステア傾向になることだが、通常ならまったく問題ない。

足着き性の向上を主眼に置いたカスタムだが、ストリートでの乗り心地がノーマルより上質になることもLSの魅力。さらなる足着き性向上を望むなら、ワイズギアが販売しているローシート(40mmダウン)を追加で導入するといいだろう。

This article is a sponsored article by
''.