以下、写真・動画・文:関野 温
▶▶▶動画はこちら 意外と知られていない? 大河・四万十川の源流点(撮影:関野 温)
四万十川の源流点
皆さんこんにちは。フォトグラファーの関野と申します。
前編から続いて、今回は四万十川の中流部にある岩間沈下橋から上流に向かい、源流点を目指して旅をします。
中流部からは交通量がある国道381号沿いになります。
途中、平行して走っているJR予土(よど)線で興味深い駅を見つけました。
半家(はげ)駅です。
僕も前髪が足りないので、なんだかやるせない気持ちに。
ちなみにかつて北海道には増毛(ましけ)という駅があって、高知県「半家」から北海道「増毛」を目指す旅もできたようです。
さて、中流部の沈下橋でおすすめなのは、この第一三島沈下橋。
▶▶▶動画はこちら 沈下橋をいくつも渡って源流点を目指す(撮影:関野 温)
JR予土線の鉄橋と並んでいる沈下橋です。
時間が合うとこのように予土線の気動車と一緒に走ることができます。
僕はローカル線がけっこう好きで、こういうシチュエーションはワクワクしてしまいます。しかし気動車ってけっこう速いんですね。モンキーバハでは追いつけませんでした。
四万十川は面白い流れ方をしていて、河口から山の方に流れていくのですが、蛇行して高知県四万十町の窪川付近で一度海のそばまで戻ってきて、また山の方に向かいます。
ちなみに「四万十市」と「四万十町」が別々の市町村として存在しています。四万十市は河口付近にあり、四万十町はその東隣りの町です。ちょっとややこしいですね。
四万十川の上流部に向かいます。
またしても沈下橋、一斗俵沈下橋が現れました。
一斗俵の読み方は、いっとひょう。四万十川で現存最古の沈下橋で、建設されたのは昭和10年のことだそう。川の水が澄んでいて、とてもきれいでした。
▶▶▶動画はこちら 沈下橋をいくつも渡って源流点を目指す(撮影:関野 温)
ここからは四万十川源流点を目指して北上します。
川幅はだんだんと狭まってきました。上流部に行くと一般的な四万十川のイメージからはかけ離れ、普通の小川に見えます。
この時、撮影は1月で、山に向かうにつれ、寒くなってきて、ついには路面が雪道になってきました。
源流点にほど近いところに到着しました。バイクで行けるのはここまで。この先は登山道で、源流点までは徒歩25分と案内板が出ています。
まあ、ここまでで充分なのですが、せっかくなので歩いて源流点まで行きます。
途中の登山道はまあ、普通ですね。写真では鎖場があって、ちょっと大げさですが、この時は雪があったため、ちょっと歩くのが怖かったです。
撮影しながら30分くらいでようやく源流点に到着しました。
付近は当たり前ですが山の中。感想は正直いうと、普通の山の水汲み場という感じです。でもここから河口に向けて196kmの旅が始まるのですから不思議ですね。
ベタな言い方ですがマイナスイオンはやっぱ良いのかなと思えます。山に囲まれて自然の音を聞くのは時々人間には必要なのではないかと。源流点の水の音が、なにか人間のリズムを思い出させてくれる気がします。
それにしても数ある四万十川の支流でここが源流点って、どうやって決めるんだろうとそっちが気になりました。
四万十川遡上のツーリングは2日間あれば、ゆったりとめぐることができると思います。
旅っていいですよね。
写真・動画・文:関野 温
▶▶▶動画はこちら モンキーバハでゆく四万十川遡上ツーリング(撮影:関野 温)
関野 温(せきの あつし)|プロフィール
バイク雑誌などで写真を撮る傍ら、ライフワークとして旅の風景写真を追いかけるフォトグラファー。ごく普通の軽自動車ホンダライフにモンキーバハを積み込んで、日本各地をさまよい続ける。もつと牛すじが大好き。