スズキを駆り、幾多の国内外の耐久レースにて栄冠を手に入れてきた、耐久レース職人こと北川圭一氏。今回、あらためて現行型GSX-R1000Rを一般道で試乗テストしてもらった。歴代のGSX-Rのことも深く知る北川氏は何を語るのか。
インプレッション:北川圭一/インタビュー:濱谷文夫/写真:柴田直行

スズキ「GSX-R1000R ABS」各部装備・ディテール解説

画像1: スズキ「GSX-R1000R ABS」各部装備・ディテール解説

フェイスデザイン・ヘッドライト

フロントマスクは、上側がロービーム、下側がハイビームとなっている縦型デザインのコンパクトなLEDヘッドライトを活かしてデザインされた。左右の吸気ダクトの上には、LEDポジションランプが配置されている。スリムでレーシーな雰囲気を感じさせるデザインだが、ダウンフォースの増加や防風性能の向上にも効果を上げた。


画像2: スズキ「GSX-R1000R ABS」各部装備・ディテール解説

フロントフォーク・フロントブレーキ

フロントの倒立フォークには、スムーズな動作と減衰力特性を備えるSHOWA製のBPFを採用。フロントブレーキはブレンボ製、対向4ピストン・モノブロックラジアルマウントキャリパーを採用し、Φ320mmローターを組み合わせる。ブレーキレバー先端には、高速時の風圧によりブレーキがかかるのを防ぐスリットが設けられている。


画像3: スズキ「GSX-R1000R ABS」各部装備・ディテール解説

エンジン

ボア76mm×ストローク55.1mm、排気量999ccの水冷直4エンジン。レーシングバリアブルバルブタイミング(SR-VVT)をはじめ、フィンガーフォロワーバルブトレイン、エキゾーストチューニングアルファ(SET-A)、トップフィードインジェクター(S-TFI)を組み合わせた「ブロードパワーシステム」で、全回転域で強力な加速性能を実現。


画像4: スズキ「GSX-R1000R ABS」各部装備・ディテール解説

マフラー・スイングアーム・リアタイヤ

アルミ製スイングアームは重量と剛性バランスを最適化。ホイールはスマートな6スポークデザインのアルミキャスト製で、標準装着タイヤはブリヂストンのRS11だ。スタイリッシュなデザインのサイレンサーが目立つマフラーには、全回転域でトルクを向上させるデバイス、エキゾーストチューニング-アルファ(SET-A)も装備。


画像5: スズキ「GSX-R1000R ABS」各部装備・ディテール解説

フレーム

強烈なパワーに対応して高剛性化されているだけでなく、同時に優れた剛性バランスも備えている、軽量コンパクトでスリムな設計のアルミ製ツインスパーフレーム。内側が鋳造、外側はプレス成型のメインスパー、一体鋳造のステアリングヘッドとフロントエンジンハンガーなどを組み合わせて構成されている。


画像6: スズキ「GSX-R1000R ABS」各部装備・ディテール解説

リアサスペンション

リアサスペンションユニットもフロントフォークと同じくSHOWA製で、レースの技術をフィードバックして減衰力応答性向上によるスムーズなストローク、優れたトラクションと吸収性を実現するBFRCが採用されている。もちろんフルアジャスタブルで、サーキット走行などで必要となる細かなセッティングが可能。


画像7: スズキ「GSX-R1000R ABS」各部装備・ディテール解説

燃料タンク

燃料タンクからシートまで流麗なラインで構成されたデザインは、高速での走行時にライダーがべったりと伏せやすいような形状だ。さらにライダーの膝が当たる両サイドのえぐりも、コーナリング時にタンクをしっかりとホールドして、車体との一体感を感じやすいようにも造られている。燃料タンク容量は16L。


画像8: スズキ「GSX-R1000R ABS」各部装備・ディテール解説

シート

ライダー側、タンデム側をセパレートしたスーパースポーツらしいスリムなデザインのシート周り。メインフレームにボルトオン締結される構造のシートレールは、角断面のアルミパイプで軽量に作られている。タンクとの繋がるラインもスリムかつ滑らかで、ライダーが積極的に体重移動をしやすいようにデザイン。


画像9: スズキ「GSX-R1000R ABS」各部装備・ディテール解説

リアまわり

リアはマスの集中化のために極めてスリム、そしてシャープにデザインされたテール周り。最後部に埋め込まれているテールランプはLEDタイプで、コンパクトだが被視認性も良好。コンパクトなウインカーもLEDを使用している。


画像10: スズキ「GSX-R1000R ABS」各部装備・ディテール解説

ハンドル・空力性能

レーシーなボディワークは空気の流れにもこだわって開発された。フロントカウルの「耳」に当たる部分の形状をハンドルバーに近づけることで、ライダーの手と腕に当たる風の流れを効果的に整流している。


画像11: スズキ「GSX-R1000R ABS」各部装備・ディテール解説

メーター

メーターは軽量コンパクト、背景が黒のネガティブ表示を採用したフル液晶メーター。速度やエンジン回転などの基本的な情報から、多機能な電子制御デバイスの設定などが可能。メーター上部には、任意の回転数で点灯するようプログラム可能なエンジンRPMインジケーターランプも内蔵されている。

スズキ「GSX-R1000R ABS」主なスペック・価格

全長×全幅×全高2075×705×1145mm
ホイールベース1420mm
最低地上高130mm
シート高825mm
車両重量203kg
エンジン形式水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量999cc
ボア×ストローク76.0×55.1mm
圧縮比13.2
最高出力145kW(197PS)/13200rpm
最大トルク117N・m(11.9kgf・m)/10800rpm
燃料タンク容量16L
変速機形式6速リターン
キャスター角23゜20′
トレール量95mm
タイヤサイズ(前・後)120/70ZR17M/C(58W)・190/55ZR17M/C(75W)
ブレーキ形式(前・後)ダブルディスク・シングルディスク
メーカー希望小売価格215万6000円(消費税10%込)

インプレッション:北川圭一/インタビュー:濱谷文夫/写真:柴田直行

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