ヤマハの新しいモトクロッサーは、レースで勝つための最新技術を投入。全面新設計でパワーアップした2スト125cc水冷単気筒エンジンをはじめ、新しいエンジンに合わせてマウントブラケットを新作しバランスを調整したアルミフレームやサスペンション、そして次世代YZシリーズのパイオニアとなる機能的でレーシーなスタイリングが与えられて、新世代を担う2スト・モトクロッサーへと生まれ変った。
文:小松信夫、ゴーグル編集部/写真:柴田直行
ヤマハ「YZ125」インプレ・解説
モトクロスの一時代を築き、その後にも影響を与えた2スト125ccモトクロッサーマシン。時代の流れで2ストエンジンの開発は途絶えていたかのように思えていたが、一部のジャンルでは情熱をもって開発が進められ、ヤマハも17年ぶりに2スト125モトクロッサー、YZ125がフルモデルチェンジを果たした。
リリースから17年の間に発明された技術やロジックを存分に取り入れ、高い戦闘力を誇りつつ幅広いファンも楽しめる改良がされている。実際に乗ると手強いイメージの2スト125ccエンジンは、気難しさもないまま、ごく普通にスタートすることが出来、回転数に神経質になることなくラフな操作でも、しっかりパワフルなチカラを提供してくれる。
一昔では考えられないほどの頼りがいのある、初心者に優しい気遣い仕様となっているのだ。もちろん、高回転域では鋭い吹け上がりとパンチ力を炸裂させ、現代レベルの足まわりを装備しまとめた車体がしっかり受け止め、クラスを超えたパフォーマンスを発揮している。入門者からレース志向のライダーまで許容範囲にする懐の深さが新YZ125にはある!
ヤマハ「YZ125」各部装備・ディテール解説
ヤマハ「YZ125」主なスペック・価格
全長×全幅×全高 | 2135×825×1295mm |
ホイールベース | 1445mm |
シート高 | 980mm |
最低地上高 | 365mm |
車両重量 | 95kg |
エンジン形式 | 水冷2スト単気筒 |
総排気量 | 124cc |
ボア×ストローク | 54.0×54.5mm |
燃料供給方式 | キャブレター |
燃料タンク容量 | 7.0L |
変速機形式 | 6速リターン |
キャスター角 | 26°00′ |
トレール | 109mm |
タイヤサイズ(前・後) | 80/100-21・100/90-19 |
ブレーキ形式(前・後) | ディスク・ディスク |
メーカー希望小売価格(税込) | 73万7000円/74万8000円(Monster Energy Yamaha Racing Edition) |
この車両にも注目! ヤマハ「YZ250FX」
小さな変化が大きな効果を生む!
自然の中のロングコースを舞台に、クロスカントリー的に長時間走り続けて競われるエンデューロ競技に向けた4スト250ccマシンであるYZ250FX。2022年モデルではマイナーチェンジを受け、高い戦闘力で定評のあったエンジンの中高速域のパワーと同時に、低中速域での扱いやすさを向上、容量をアップし性能向上とサウンドを両立させるマフラーも装着。
エンジンのセッティングを変更するためのパワーチューナーも、幅広いシチュエーションに対応可能なものとなった。さらに、FX専用にクロスカントリー向きのチューニングとされた新しいフレームや、高いパフォーマンス性とコントロール性を両立したブレーキも得て、戦闘力を一層向上させている。
文:小松信夫、ゴーグル編集部/写真:柴田直行