文:太田安治/写真:南 孝幸
ダンロップ「スポーツマックス ロードスマート4」インプレ
科学的分析と最新技術で「疲れない特性」を獲得!
「ロードスマート」はツーリングシーンで求められる現実的な性能を追求して2007年に登場したラジアルタイヤ。そして、ライフやウエットグリップといったツーリングタイヤの基本性能を底上げし、日本疲労学会名誉教授の協力も得て「楽しく疲れず走り続けられること」も重要テーマに掲げて開発されたのが『ロードスマート4』(以下『4』と略)だ。
試乗会は12月に九州の公道で行われ、道路際の温度計が5℃を示す寒さにも関わらず法定速度厳守の完全ツーリングペースで5分ほど走れば不足のないグリップが出てくる。低速域から軽いハンドリングで操舵に対する反応は穏やか。それだけに走り出したときは手応えが薄く感じるが、ツーリングの速度/荷重域では間違いなく疲れない。前後タイヤのグリップも掴みやすく、路面状態が急に変化しても恐る恐るグリップ状態を探らずに済む。
峠道に多い減速帯や橋の継ぎ目をバンクしたまま通過しても車体が揺すられる量が少なく、前後タイヤがバタつきながらアウト側に膨らむ危険性が抑えられているし、荒れた路面を通過する際にフロントタイヤから伝わってくるノイズ(ザラついた振動)も減って、軽快で優しいハンドリング特性は疲労を抑えるために効果的だと実感できた。
ここまでは開発の狙いどおりに仕上がったツーリングタイヤという話だが、意外だったのがスポーツ性も確保されていること。同社には『Q4』と『α-14』、『ロードスポーツ2』があるだけに、『4』にとってスポーツ性は優先課題ではないものの、ペースを上げて走ってみると、『2』よりも直進性が高くて旋回初期のクイックさは希薄。しかしステップが接地するフルバンク近辺まで手応えが一定でコントロールしやすく、意図した分だけ素直に曲がってグリップも充分。峠道で遭遇する回り込んだコーナーでも安心して「もうひと寝かし」できる。なお、当日はグラディウス400、ニンジャ1000、ZX-14Rに乗ったが、どの車種でも相性の良し悪しがなかったことも付け加えておく。
ウエット性能は前後ともシリカの配合比率を増やしてウエット性能に定評のある『ロードスマート3』よりも10%アップしているとのこと。ライフも『3』よりフロントが23%、リアが26%向上し、新しいトレッドパターンの採用で偏摩耗が抑えられてタイヤの使用限界までハンドリング性能が低下しないというから、安全性に加えて経済的メリットも大きい。
タイヤが特性を主張し過ぎず、快適で安心な走行性能を前面に出したキャラクターに仕上がっているのがロードスマート4。さらにウエットグリップも、ライフも、という欲張りな要求に対応しているから、ツーリングタイヤ選びの有力候補になる。
真夏でも熱ダレしない高いグリップ性能
試乗会時は気温が10℃以下だったので、改めて真夏に自分のニンジャ1000に装着して市街地から高速道路、峠道までの実走テストを行った。路面温度が試乗会時より30℃ほど高くてタイヤ内圧が上がったため試乗会時よりもやや硬く、跳ね気味に感じたが、前後とも15%低くセットしたところ本来のしなやかさに戻った。あくまでも自己責任だが、暑い時期に乗り心地の硬さを感じたら試してみてもいいだろう。
ダンロップ「スポーツマックス ロードスマート4」サイズリスト
フロント | リア |
---|---|
120/60ZR17 | 160/60ZR17 |
120/70ZR17 | 160/70ZR17 |
130/70ZR17 | 170/60ZR17 |
110/80R18 | 180/55ZR17 |
120/70ZR18 | 190/50ZR17 |
※120/70ZR17 | 190/55ZR17 |
190/60ZR17 | |
140/70R18 | |
150/70ZR18 | |
170/60ZR18 | |
※180/55ZR17 | |
※190/50ZR17 | |
※190/55ZR17 |