文・写真:西野鉄兵
アールエスタイチ|013 ドライマスター アローシューズ
脱ぎ履きラクラクで防水設計、攻めたデザインにも注目
RSタイチは、靴ひもの代わりとなる高機能なBOAフィットシステムをバイク用シューズにいち早く取り入れ、ファンをがっちりつかみました。
BOAフィットシステムは、脱ぎ履きがラクラクなのに加え、ダイヤルを回すことでフィット感を自在に調整できるのが特長。はじめて履いた人は誰しも衝撃を受けるはずです。登場からもう10年くらいは経つのでしょうかね、私は最初、キック力が増強する名探偵御用達のアレかと思いました。
東京モーターサイクルショー2022に展示されていた最新シューズは、2021年に発売し現在もヒットの最中にある「013 DRYMASTER アローシューズ」。
BOAフィットシステムに加え、RSタイチ独自の透湿防水素材・DRYMASTER(ドライマスター)を採用した全天候型モデルとなります。
BOA×ドライマスターの組み合わせはそれまでも採用されてきましたが、このモデルの特徴はデザイン。かかとの部分が飛び出した形状をしています。
数年前から「ダッドシューズ」という、おじさんが履いていそうなスポーツシューズが若者の間で大流行していますよね。その多くのモデルはかかとやソールに存在感があります。
このRSタイチのシューズも時流を捉え、若者に突き刺さったそう。一見、かかと部分にスライダー的な効果を持たせたのかと思い、スタッフの方に尋ねてみましたが、そういうわけではないようです。つま先がする可能性はあっても、かかとはすりませんからね。
ただ、プロテクターとしての効果は期待できるようですよ。もちろん、かかと・くるぶし・つま先部分にはインナープロテクターも備わっています。
カラーバリエーションは5色も展開されているので、気になった方はきっとベストなモデルが見つかるはずです。
コミネ|3Dプリントエアライディングシューズ
通気性抜群、意外な素材をソールに応用!
コストパフォーマンスの高い製品が作り続けるコミネは、いつの時代もエントリーライダーからベテランの方まで幅広いファン層に親しまれています。
シューズ&ブーツ製品もスポーティなものからカジュアルなものまで、さまざまラインナップ。ここでは2021年に登場した強烈なインパクトを持つ「3Dプリントエアライディングシューズ」をピックアップ!
なんといってもソールが目立っていますね。製品名にあるとおり、3Dプリント成形によって造られた、現代のものづくりの賜物ともいえるミッドソールです。
この立体メッシュ構造は、同社のヘルメットの内装やジャケットのプロテクターなどに採用している技術を応用し開発されたとのこと。面白いアイデアですね!
そのおかげで通気性は抜群。アッパー素材も風通しのいいニット素材を採用し、夏場のツーリングに徹底対抗。持ってみると軽くて、見るからにクッション性もよさそう。足つき性アップも図れそう。厚底が超目立っているのでシークレットシューズにはなりませんよ。ノンシークレットシューズです。
ラフアンドロード|ラフライディングレザーブーツ
カジュアルシューズの大ヒットが新たな本格ブーツを生んだ?
ビギナー向けのカジュアルでお手頃なアイテムから、日本一周をするような長旅ライダー向けの本格ギアまで取りそろえるラフ&ロード。2022年は創業40周年を迎えるメモリアルイヤーで、25年ぶりに東京モーターサイクルショーに出展しました。
シューズブランドという印象はかつてはありませんでしたが、2017年末に「ラフライディングスニーカー」がデビュー。これが大ヒットとなり、その後通気性を高いタイプや、ブロックソールを採用したものなど派生モデルも数々展開。上の写真の上段に展示されているモデルたちがそれにあたります。カジュアルなライディングシューズは、いまやラフ&ロードを代表する製品のひとつともいえそうです。
さてそんなラフ&ロードですが、東京モーターサイクルショーで初公開された新作フットウエアはブーツでした! しかもオイルドレザーを採用した超本気仕様。
スタイリングはワークブーツ風。左足甲部分にはシフトパッドを備え、サイドジッパーや靴紐を束ねる機構を搭載。アキレス腱部分はえぐられた形状で前傾姿勢となるバイクにも対応しています。ソールも本気、ビブラム製の「#132K タンクソール」を採用。
「造っていくうちに、こだわりを全部つめこみたくなりました」と担当の方は話していました。たしかに同社の他製品と比べると、ちょっと高いかな? とも思える価格設定です。
ただしラフ&ロードのエキスパート向けライディングジャケットやパンツを知る人なら分かるはず。ハイエンドモデルは、とにかくよく考えられて造られているんです。
発売時期は2022年5~6月頃とのこと。カラーはブラックとブラウンをラインナップ。経年変化も楽しめるとのことで、長くいいものを使い続けたい人におすすめ!
文・写真:西野鉄兵