文・写真:石神邦比古
バイク乗りのための新世代オーディオ機器
株式会社あおごち「addsound」
まずはじめに紹介するのは、株式会社あおごちが手掛けるヘルメット用オーディオシステム「addsound」。
通常、音楽を聴いたり通話をするためのインカムってスピーカーをヘルメット内に取り付けて使いますよね。もしかしたらイヤホンを使っている方もいるかもしれません。
しかし、このアドサウンドは「エキサイター」と呼ばれる振動を利用して音を出す機構を採用し、ヘルメット自体をスピーカーにしてしまおう、という発想のアイテムです。
会場ではアドサウンドを装着したヘルメットを装着して試聴することができ、その音質は想像していたよりもずっとクリア。
感覚としてはカーオーディオに近く、耳を塞いでいないので環境音もしっかり聞こえます。また、環境音の大きさに合わせてボリュームを自動で調整する機能も搭載されています。
ヘルメットを装着し音楽が鳴りっぱなしという状態で、製品について話をうかがったのですが、しっかりと説明を聞き取ることができました。
ヘルメットを軽くたたくだけで再生・停止が行えるのもライダーにとっては嬉しい機能。重量は198gと軽く、連続再生時間も18時間を確保※。もちろん防水機能を有しています。
※無風状態で時速40キロで走行した時の再生時間。無風時時速100キロで5~6時間で、速度・風速により加速度的にバッテリーを消耗します。
また、本体をステッカーでドレスアップできる「addSoundキャンバス計画」なるものも参考展示されていて、各々のデザインを1枚から印刷できるようなサービスも検討しているんだとか。
実際にバイクに乗った時の聞こえ方、使用感はまた違ってくるでしょうし、ヘルメットによっては装着できなかったり、スペーサーを必要とするモデルもあります。
でも、なにより挑戦的な機構には惹かれるものがありますよね。
私のヘルメットは形状的に取り付けが難しそうなので、これを導入するとなるとヘルメットから変えなきゃかも……?
現在は新型コロナウイルスなどの影響や半導体不足により在庫がないようで、2022年8月をめどに販売再開を目指しているそうです。
駐輪場サービスの新しいカタチを提案
株式会社BILO「バイロ」
次にこれ、なんだかわかります?
もしかしたら見たことある方もいるのではないでしょうか。
正解はこちら。ロッカー付き二輪駐車装置「BILO(バイロ)」です。
チェーンロックによる盗難防止はもちろんですが、バイロの最大の特徴は大容量のロッカー。バイクだけでなく、ヘルメットやグローブを盗難防止対策として収納したり、バイクカバーを保管しておくことができます。
下の写真のように鏡を入れておけば、ヘルメットを脱いだ後の乱れた髪を整えたりするのに便利そうですね。
ホームページで施工事例をみてみると、日本国内各地で採用している場所が確認でき、都内に位置する私の会社近辺にも月極駐輪場に設置されているのを発見しました。
また、鍵が電子キータイプになっているオレンジ色のバイロは、ブロックチェーンロック株式会社の提供する「Keyvox」ブランドを利用した「BILO Type-QR」。
Keyvoxは宿泊施設やレンタルスペースに導入事例があり、BILOと協力してインターネット・アプリで近くのBILO設置駐輪場を検索・予約ができるサービスを提案していました。
都内では大きなバイクを停められる駐輪場を探すのは大変なので、都市の空いたスペースに駐輪場が増えると嬉しいですよね。宿泊施設などで部屋のキーカード等と連動させても便利そう。今後のサービス展開の行方が楽しみです。
愛車の異変を電話でお知らせ
MoniMoto「モニモト GPSトラッカー」
続いて紹介するのはリトアニアに拠点を置くセキュリティベンチャー企業「Monimoto UAB(モニモト社)」の盗難防止用GPSトラッカー「Monimoto7(以下モニモト)」。日本では株式会社BalticVisionが輸入販売を行っています。
使用方法は至ってカンタン。モニモト本体をバイクの見えない場所に隠し、モニモトキーを携帯しておくだけ。本体は電池を内蔵するので、バイクのバッテリーにつなぐ必要はなく、搭載するのは車でもOK。
モニモト本体の近くにスマートキーがない状態で車両が移動されると、携帯電話にアラートを着信。1~5分おきにその位置情報を知らせてくれます。
電池は最長1年持続し、防水・防塵設計で基本的に乗せたままで大丈夫。電池残量はアプリからいつでも確認できます。
電話で知らせてくれる以上SIMを内蔵するので、本体価格に加えて利用料が年額約5500円かかりますが、万が一盗難の被害に遭ってしまったときのことを考えれば安いものですよね
高級車はもちろんですが、大事な愛車には載せておくと安心かもしれません。
電気で光る塗料でカスタムペイントの幅が広がる!
株式会社ワークス「ルミロール」
最後は株式会社ワークスブースにて紹介されていた「LumiLor(ルミロール」」という塗料。もともとはアメリカの製品ですが、2018年に日本正規代理店としてライセンスを取得した株式会社ワークスが取り扱いを行っています。
で、このルミロールなんですが、なんと電気で光るんです!
ルミロールの塗布層は「ルミロールスタック」と呼ばれる6つの層で構成され、電極を通して直に通電することで発光します。発光時には触っても熱を感じず、塗料なので柔軟性があり、施工条件により180°まで曲がるのもポイント。
面で発光するので、LEDとは違った効果を発揮します。
バイクや車など趣味におけるアーティスティックなペイントはもちろんですが、そのほかにも、道路標識などの案内サインや、ヘルメットやベビーカー、ランドセルといった交通安全を目的とした用途にも応用できそうです。
ただ、施工には高度な知識と技術、それに伴う設備が必要なので、個人で扱うのは難しそう。
興味のある方はルミロールの正規代理店である大阪・高槻ワークスに問い合わせてみてください。きっとカスタムペイントの幅が広がりますよ!
モーターサイクルショーは面白い発見が盛りだくさん!
ここで紹介したのはほんの一部ですが、会場には見たことのない、聞いたことのないアイテムがたくさんありました。
今年は行けなかった、 という方やまだモーターサイクルショーに行ったことのないという方、来年こそはぜひ。きっと、面白い発見がたくさんありますよ!
文・写真:石神邦比古