文:小松信夫、ゴーグル編集部/写真:柴田直行/モデル:葉月美優
インディアン「FTR S」の特徴

Indian Motorcycle FTR S
総排気量:1203cc
エンジン形式:水冷4ストロークDOHC4バルブV型2気筒
シート高:780mm
車両重量:233kg(燃料搭載時)
税込価格:221万9000円
カラーはホワイトスモーク、マルーンメタリック
レーストラック直系の走行性能とスポーティな装備が魅力
長い歴史を持つアメリカのメーカー・インディアン。現在はチーフ、スカウトといった往年の名車の名を冠した豪華な大型クルーザーを主に生産している。そんなインディアン製オートバイの中で、アメリカっぽさを濃厚に感じさせるスポーティモデルがFTRシリーズだ。
スチール製トレリスフレームに強力な1203㏄水冷Vツインエンジンを搭載。ライドモード、トラクションコントロール、コーナリングABSなどの電子制御デバイスも充実。シンプルでレーシー、ネオレトロ風味あふれるダートラレーサー風スタイルが印象的。

2022年モデルで一部モデルを除き前後ホイールが17インチ化され、サスペンションも変更し、より軽快なハンドリングに仕立てられた。上級モデルの「FTR S」は専用カラーに加え、レーシーなアクラポビッチ製マフラーを装備しているのが特徴だ。
インディアン「FTR S」各部装備・ディテール解説

排気量1203cc、バンク角60度の水冷Vツイン。最新のFIシステムやDOHC4バルブヘッドを備え、ショートストロークなボア×ストロークを採用した、まるでスーパースポーツのようなモダンなメカニズムが特徴だ。最大トルク120Nmという力強さと、リッターあたり出力100HPというパワフルさで、ダートラマシン譲りの豪快な走りを堪能できる。

ハンドリングをより俊敏なものにするため、従来19インチ径だったフロントホイールは17インチ化され、合わせて倒立フロントフォークもセッティングが見直された。純正装着タイヤはメッツラー・スポルテック。ブレーキはラジアルマウントされたブレンボ製キャリパーとΦ320mmローターをダブルで装備。

フロントと同じく、リアホイールの径も18インチから17インチへ。フロントの倒立フォークもピギーバック形式のリアサスペンションも、フルアジャスタブル機構を備えていてライダーの好みに合わせて細かくセッティングをすることもできる。ブレーキにはコーナリングプレコントロール付きABSも装備。

丸形のLEDヘッドライトを中心にしたフロントマスクは極めてオーソドックスなデザイン。しかし、インディアン伝統のスポーティなディテールと、水冷Vツインエンジンをはじめとする現代的なメカニズムなどとの組み合わせによって、精悍な雰囲気を感じさせている。

4.3インチサイズの多機能カラー液晶メーターは、グローブでも操作できるタッチスクリーンを備えている。メーターとしての基本機能だけでなく、カスタマイズも可能なのに加えて、Bluetoothで簡単にスマートフォンなどと接続、多様な機能を利用することもできる。

スポーティでワイルドなスタイリングのキーとなる、コンパクトな燃料タンク。デザインは、アメリカのダートトラックレースで活躍したスカウトFTR750レーサーを想わせるもの。タンク容量は13Lだが、外観上のタンクにあるのは給油口のみ。実際にガソリンが入るタンクそのものは、低重心化のためシートの下に設けられている。

タンデム側まで一体になったシートは、テールを短く切り詰めた独特なデザイン。ダートラマシンのシンプルなシート周りをモチーフにデザインされていて、マスの集中化も意識されたもの。

シャープに尖った形状のシート後端にあるLEDテールランプ。スタイリッシュなシートの形状に合わせてきれいに埋め込まれていて、軽快なイメージが強調されている。
インディアン「FTR S」主なスペック・価格
全長×全幅×全高 | 2223×830×1295mm |
ホイールベース | 1525mm |
シート高 | 780mm |
車両重量 | 233kg(燃料満載時) |
エンジン形式 | 水冷4ストDOHC4バルブV型2気筒 |
総排気量 | 1203cc |
ボア×ストローク | 102×73.7mm |
最大トルク | 120Nm/6000rpm |
燃料タンク容量 | 13L |
変速機形式 | 6速リターン |
タイヤサイズ(前・後) | 120/70ZR17・180/55ZR17 |
メーカー希望小売価格 | 221万9000円(消費税10%込) |
文:小松信夫、ゴーグル編集部/写真:柴田直行/モデル:葉月美優