日本が誇る二輪車メーカー4社は世界各地で高い評価を得ている。そして日本市場では正規販売されていない機種が海外では数多く展開されてもいる。この連載では、そんな知る人ぞ知るモデルをフィーチャー。今回は東南アジアで人気絶頂のアンダーボーンスポーツ車に新鋭登場!? といったトピックスです。
文:小松信夫

アンダーボーンスポーツは東南アジアで天井知らずの大ブームを迎えている!

この連載でもう何回も取り上げてきたネタの宝庫、アンダーボーンスポーツ。東南アジア各地で若いライダーを中心に絶大な人気で、レースも盛んに行われててアンダーボーンクラスのレースから世界GPにまでステップアップしたライダーも出てくるほど。で、レースの成績が販売に繋がるもんだから、メーカー間の開発競争が始まりまして。ルーツをたどればスーパーカブのはずなんだけど、競争の結果なんだか遠い所まで来ちゃって。

画像: ホンダ スープラ150GTR

ホンダ スープラ150GTR

で、そんなアンダーボーンスポーツの代表的なモデル、この連載でも紹介したことがあるのがインドネシアをはじめホンダが販売してる「スープラGTR150」(販売国によって車名が変わる)。

名前もすごいけど、水冷DOHC単気筒エンジンに6速マニュアルミッション、前後ディスクブレーキに17インチキャストホイールと、ほぼ東南アジアで人気のスーパースポーツ「CBR150R」とメカニズムは同じもの。スタイリングも、カブの遺伝子は微塵も感じられない代わりに、なんかサイバーっつーかガンダムチックで。デビューが2016年だけど、これは衝撃だったろうなぁ。

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そんな「スープラ150GTR」系モデルもデビューから5年、ヤマハは「Y16ZR」、スズキも「レイダーR150」なんて強烈なヤツを投入してきたから、ホンダも対抗してニューモデルを2021年秋に投入したんですね!

その一例として紹介したいのが、マレーシアバージョンの「RS-X」ですよ。「RS150R」(マレーシア版スープラ150GTR)から、今度はCBR的なレーシーな雰囲気にスタイリングを一新。マレー語のキャッチフレーズ「NYATA TERUJA」は直訳だと「本当にワクワクする」。「こいつはエキサイティングだぜ!」ってことか。

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スタイリングのCBR感の源というべき、押し出しの強いデザインのデュアルヘッドライトはもちろんLED。ツンツンに尖ったテールランプにもLEDを採用してて、高級感というか洗練された雰囲気に仕上げてます。

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バーグラフタコメーター、デジタル速度計、ギアポジションなど、必要な機能をわかりやすくレイアウトした液晶メーターも新デザインでサイズを拡大して視認性をアップ。

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マフラーもデザインを変更。異形断面で別体エンドコーンが目立ってます。あと、跳ね上げ角度を小さくして、後ろを走ってるライダーへの影響を小さくしたんだとか。でも「マフラーも」ってどういうことかな…というか、「RS-X」はエンジンとか足回りとかの部分を「スープラ150GTR」から受け継いでるんですけどね。それでもスペック的にはライバルに負けていない、ということ。

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とはいえ見た目が変わっただけじゃなく、「RS-X」として新機軸も取り入れられてる。大きな所では、新たにフロントブレーキにABSが採用されてますねぇ。アンダーボーンスポーツとしては初めてか? 

画像: トリコロールエディション

トリコロールエディション

画像: レモンアイスイエロー

レモンアイスイエロー

画像: キャンディカリビアンブルーシー

キャンディカリビアンブルーシー

この「RS-X」のカラーバリエーションは、赤ベースでCBRイメージの「トリコロールエディション」と、「レモンアイスイエロー」「キャンディカリビアンブルーシー」という鮮やかな原色ベースの3色だったんですが。

画像: レプソルエディション

レプソルエディション

つい先日、限定モデルとして、MotoGPマシン・RC213Vを走らせるレプソル・ホンダチームのレプリカカラーに塗られた、みんな大好き「レプソルエディション」も登場。しかしこれ、マレーシアだけで限定5000台って、どんだけ「RS-X」売れてるんだろ!

画像: ホンダRS150R(2022年モデル)

ホンダRS150R(2022年モデル)

おまけに、先代の「RS150R」も併売されてる。しかも細々と在庫を売るっていうレベルではなく、ちゃんと2022年カラーまで用意されてるというんだから、凄いねぇマレーシア。

画像: ホンダ ウイナーX

ホンダ ウイナーX

ちなみに「RS-X」は、ベトナムなどでは「ウイナーX」という車名で売られております。アッパーカウル周りを中心に微妙にスタイリングが違うんだけど、デザインのニュアンスは同じ。中身も含めて実質的には同じもんです。ただ、ABSなしのモデルが選べたりと、お国柄に合わせて細かく作り分けられてるみたい。

文:小松信夫

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