文:太田安治、西野鉄兵/写真:南 孝幸/モデル:平嶋夏海
シエル「ソロメイト」テスト&レポート(太田安治)
充分なソロユース機能を驚愕の低価格で提供
ライダー同士またはタンデムライダーと1対1で通話する機能から始まったのがライダー用インカム。その後、携帯電話と接続して走行中に電話の発着信が可能になり、スマホアプリが充実した現在ではナビのルートガイド、音楽再生やラジオの聴取、SNSを使ったグループトークなど、使い方は広がり続けている。
だが問題はインカムのスペック向上に伴う価格上昇。ハイエンドモデルは1個約3~4万円で気軽には手が出ない。そうした中で大注目すべき新製品がシエルの「ソロメイト」。税込価格はなんと3300円! なのだ。
他のライダーとの通話機能を持たないソロユース専用設計で、通信ユニットとバッテリーはスピーカーに内蔵。操作スイッチはマイク部分と一体で、全体の重量も僅か48gに収まっている。
低価格なので性能はそれなり…と思うだろうが、電話通話と音楽再生を試して驚いた。会話は明瞭だし、ステレオ音質も文句なし。シャーッというホワイトノイズや音の途切れもまったくと言っていいほど出ない。既存のインカムのようにヘルメット側面に本体を付ける必要もない。
注意点は通信ユニットとバッテリー内蔵によってスピーカーが外径約40mm、厚さ約14mmあるので、ヘルメットのイヤーホール形状によっては取り付けにくいこと。購入前に自分のヘルメットをチェックしよう。
テスター太田安治の欲張りリクエスト
素晴らしい音質と電池の持ち(連続15時間・スタンバイ200時間)には感心するしかない。高速走行時は風切り音が入るが、マイクをシールドまたはフルフェイスのチンバー内側にセットすれば気にならないレベル。
シエル「ソロメイト」1カ月間 使用レビュー(西野鉄兵)
webオートバイ編集部の西野も約1カ月ほど愛用中です。率直な感想として、めちゃくちゃいい! 素晴らしいツーリングアイテムに出合いました。
以前「簡単にバイクで音楽を聴く方法を紹介」という記事を書いたのですが、いまではソロメイトを使うのが一番手っ取り早く確実だと思っています。しかも安い!
実際にソロメイトを使って泊まりがけのツーリングを2度行ない、普段はバイク通勤時に利用しています。バイク通勤では1日1時間使うか使わないかくらいですが、連続10日間は充電せずにOK(それ以上は、途中で切れたら嫌なので試していません)。
ヘルメットはアライ「VZ-Ram」やSHOEI「J-Cruise」でテスト。どちらも設置感は良好です。ただアライ「MZ-Ram」とは相性がよくないようで、耳にスピーカーが当たってしまいました。ヘルメット内部の耳が入る部分に、スピーカーを設置するスペースがあらかじめ設けられるモデルなら、ほぼ問題ないと思います。古めのヘルメットは要注意。
音質・音量・操作性に関しては文句なし。2度のツーリングでは、高速道路を1000kmほど走りましたが、音量を最大にすることもなく、いい感じに調整できました。
私はマイクを使う通話のテストはまだしていませんが、「スマホの音楽やナビ音声を聴ければいい」と考えている方には、充分おすすめできる品だといえます!
文:太田安治、西野鉄兵/写真:南 孝幸/モデル:平嶋夏海