日本が誇る二輪車メーカー4社は世界各地で高い評価を得ている。そして日本市場では正規販売されていない機種が海外では数多く展開されてもいる。この連載では、そんな知る人ぞ知るモデルをフィーチャー。今回はスポーティなデザインをウリとしたスクーターのお話。海外のトレンドをチェック!
文:小松信夫

アンダーボーンスポーツが隆盛を極める東南アジア
スクーターのトレンドも引っ張られている!?

ちょっと前まで、ヨーロッパではいろんなブランドが、デザインでも性能面でもぶっ飛んだものから、実用一点張りのものまで、いろんなスクーターを売ってました。見てるだけでも面白かったなぁ。でも最近はブランド自体無くなったり、モデルバリエーションも減っちゃったりで、すっかりつまんなくなっちゃって(イタルジェットのドラッグスターとかは、まだ頑張ってるけど)。

画像: ヤマハ エアロックス4

ヤマハ エアロックス4

日本のメーカーも同様で、ラインナップが一気に整理されちゃってて。現在のヤマハを例に挙げると、TMAXを筆頭に、XMAX、NMAXと、ヨーロッパのどの国を見ても、ほぼ日本で売ってるのと変わんない顔ぶれ。トリシティだって売ってるし。ちょっと昔、軽快なスポーツスクーターとして日本でも原付二種モデルが人気だったエアロックスなんて、ごく一部の国で50ccモデルのエアロックス4が、細々と売られてるだけ。

画像: ヤマハ エアロックス155VVA コネクティッドABS

ヤマハ エアロックス155VVA コネクティッドABS

だがしかし! 気がつくといつの間にか、エアロックスはヨーロッパじゃなくて、インドネシアを中心に東南アジアで大人気になってたのでした。そしてこれが、インドネシアで売られてる現行最新バージョンのエアロックス155VVAコネクティッドABSの姿。しかし今時なスーパースポーツ的スタイルを取り入れた、なかなか過激なルックスですねぇ。高く取られたセンタートンネルとか、外連味に溢れるディテールとか。

画像: ヤマハ Y16ZR

ヤマハ Y16ZR

インドネシア版エアロックスは、どうもアンダーボーンスポーツのスクーター版、というイメージでデザインされてるんじゃなかろうか。例えばこれ、マレーシアのヤマハで売られてる最新のアンダーボーンスポーツのY16ZRですけど、言わんとしていることは分かっていただけるでしょうか。しかし、この手のアンダーボーンスポーツが前後17インチ径のホイールなのに対し、エアロックスはスクーターに多用される前後14インチ径と、似て非なる存在なのね。

画像: ヤマハ エアロックス155VVA コネクティッド

ヤマハ エアロックス155VVA コネクティッド

レースに向けて軽快なハンドリングを追求したアンダーボーンスポーツと、スポーティだけど、あくまでスクーター的利便性を求められるエアロックスは、しっかり造り分けられているようで。アンダーボーンスポーツが、過激になりすぎて使い勝手や快適性という点では厳しいから、エアロックスはそこをカバーするための、絶妙な立ち位置のスポーツスクーターなんだろうなぁ。

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とはいえ、エアロックスは車名から分かるように、搭載されている155cc水冷単気筒エンジンが日本でもおなじみのNMAXなどにも採用されている、最新の可変バルブ機構・VVAを組み込こまれたもの。最高出力自体は同クラスのアンダーボーンスポーツとほぼ変わらず、十分パワフル! おまけに燃費性能も優秀!

画像2: アンダーボーンスポーツが隆盛を極める東南アジア スクーターのトレンドも引っ張られている!?
画像3: アンダーボーンスポーツが隆盛を極める東南アジア スクーターのトレンドも引っ張られている!?
画像4: アンダーボーンスポーツが隆盛を極める東南アジア スクーターのトレンドも引っ張られている!?

多機能でスタイリッシュな液晶メーターを装備し、グローボボックス内には電源供給用のUSBポートがあり、シート下の収納スペースや、キーレスエントリーまで備えるなど、スクーターに求められる装備類は一通り揃ってる。ABS付きモデルも設定されてて。

画像5: アンダーボーンスポーツが隆盛を極める東南アジア スクーターのトレンドも引っ張られている!?

スマートフォンアプリ「ヤマハモーターサイクルコネクト」を用いて色々な機能を利用できる、近頃増えてきたコネクティッド機能も標準装備。

画像: ヤマハ エアロックス155VVA

ヤマハ エアロックス155VVA

ちなみに、コネクティッド機能なしで、スタイリングがちょっと異なる従来モデルも併売されております。

画像: ヤマハ エアロックス155VVA コネクティッドABS World GP 60th Anniversary

ヤマハ エアロックス155VVA コネクティッドABS World GP 60th Anniversary

最新版の方には、2021年から世界各地でさまざまなモデルに設定されてた「世界GP参戦60周年アニバーサリー」モデルまで用意されてましたよ。クラシカルなストロボカラーもなかなかお似合い。

このエアロックス155VVA、すでに触れたようにエンジンはNMAXなんだし、日本でも発売すれば欲しがる人は結構いそうな気もするけどねぇ。でも、日本で1年かけて売る台数なんて、インドネシアではあっという間に捌けちゃうんだろうな。そもそも「日本で売るくらいならこっちに回せ!」って、現地の販売店が怒りそうだ。

文:小松信夫

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