文:小松信夫
アンダーボーンスポーツが隆盛を極める東南アジア
スクーターのトレンドも引っ張られている!?
ちょっと前まで、ヨーロッパではいろんなブランドが、デザインでも性能面でもぶっ飛んだものから、実用一点張りのものまで、いろんなスクーターを売ってました。見てるだけでも面白かったなぁ。でも最近はブランド自体無くなったり、モデルバリエーションも減っちゃったりで、すっかりつまんなくなっちゃって(イタルジェットのドラッグスターとかは、まだ頑張ってるけど)。
![画像: ヤマハ エアロックス4](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2022/06/03/537aa82e47ffe11d3b5a4e247dca97d36b4867d5_xlarge.jpg)
ヤマハ エアロックス4
日本のメーカーも同様で、ラインナップが一気に整理されちゃってて。現在のヤマハを例に挙げると、TMAXを筆頭に、XMAX、NMAXと、ヨーロッパのどの国を見ても、ほぼ日本で売ってるのと変わんない顔ぶれ。トリシティだって売ってるし。ちょっと昔、軽快なスポーツスクーターとして日本でも原付二種モデルが人気だったエアロックスなんて、ごく一部の国で50ccモデルのエアロックス4が、細々と売られてるだけ。
![画像: ヤマハ エアロックス155VVA コネクティッドABS](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2022/06/03/aaf37b6c542b747ab022cd18813043ac409d2923_xlarge.jpg)
ヤマハ エアロックス155VVA コネクティッドABS
だがしかし! 気がつくといつの間にか、エアロックスはヨーロッパじゃなくて、インドネシアを中心に東南アジアで大人気になってたのでした。そしてこれが、インドネシアで売られてる現行最新バージョンのエアロックス155VVAコネクティッドABSの姿。しかし今時なスーパースポーツ的スタイルを取り入れた、なかなか過激なルックスですねぇ。高く取られたセンタートンネルとか、外連味に溢れるディテールとか。
![画像: ヤマハ Y16ZR](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2022/06/03/d9694fc002ba46d70ee50411b9630def23a08e6e_xlarge.jpg)
ヤマハ Y16ZR
インドネシア版エアロックスは、どうもアンダーボーンスポーツのスクーター版、というイメージでデザインされてるんじゃなかろうか。例えばこれ、マレーシアのヤマハで売られてる最新のアンダーボーンスポーツのY16ZRですけど、言わんとしていることは分かっていただけるでしょうか。しかし、この手のアンダーボーンスポーツが前後17インチ径のホイールなのに対し、エアロックスはスクーターに多用される前後14インチ径と、似て非なる存在なのね。
![画像: ヤマハ エアロックス155VVA コネクティッド](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2022/06/03/a8ef0e865653770b964f279c6d83dbd879bf9d9a_xlarge.jpg)
ヤマハ エアロックス155VVA コネクティッド
レースに向けて軽快なハンドリングを追求したアンダーボーンスポーツと、スポーティだけど、あくまでスクーター的利便性を求められるエアロックスは、しっかり造り分けられているようで。アンダーボーンスポーツが、過激になりすぎて使い勝手や快適性という点では厳しいから、エアロックスはそこをカバーするための、絶妙な立ち位置のスポーツスクーターなんだろうなぁ。
![画像1: アンダーボーンスポーツが隆盛を極める東南アジア スクーターのトレンドも引っ張られている!?](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2022/06/03/dee7c69a9d01699f586aa743c9490c39e98a9cd7_xlarge.jpg)
とはいえ、エアロックスは車名から分かるように、搭載されている155cc水冷単気筒エンジンが日本でもおなじみのNMAXなどにも採用されている、最新の可変バルブ機構・VVAを組み込こまれたもの。最高出力自体は同クラスのアンダーボーンスポーツとほぼ変わらず、十分パワフル! おまけに燃費性能も優秀!
![画像2: アンダーボーンスポーツが隆盛を極める東南アジア スクーターのトレンドも引っ張られている!?](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2022/06/03/f723d49a20e319f93933b1a5f1e85e97a8a5ce1c.jpg)
![画像3: アンダーボーンスポーツが隆盛を極める東南アジア スクーターのトレンドも引っ張られている!?](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2022/06/03/645c3ac0fe0a265038125c9d58642ff705226ca6.jpg)
![画像4: アンダーボーンスポーツが隆盛を極める東南アジア スクーターのトレンドも引っ張られている!?](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2022/06/03/142643e98bc359c6b5653eab81bee39dd3580737.jpg)
多機能でスタイリッシュな液晶メーターを装備し、グローボボックス内には電源供給用のUSBポートがあり、シート下の収納スペースや、キーレスエントリーまで備えるなど、スクーターに求められる装備類は一通り揃ってる。ABS付きモデルも設定されてて。
![画像5: アンダーボーンスポーツが隆盛を極める東南アジア スクーターのトレンドも引っ張られている!?](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2022/06/03/681ac206b663d4b62f38e903adf9516acb360f4e.jpg)
スマートフォンアプリ「ヤマハモーターサイクルコネクト」を用いて色々な機能を利用できる、近頃増えてきたコネクティッド機能も標準装備。
![画像: ヤマハ エアロックス155VVA](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2022/06/03/4760ea03359d7c836fc2d290a7e15e966167173a_xlarge.jpg)
ヤマハ エアロックス155VVA
ちなみに、コネクティッド機能なしで、スタイリングがちょっと異なる従来モデルも併売されております。
![画像: ヤマハ エアロックス155VVA コネクティッドABS World GP 60th Anniversary](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2022/06/03/2e69b75b4be18eaca266c5854e28f87bebb7d7f4_xlarge.jpg)
ヤマハ エアロックス155VVA コネクティッドABS World GP 60th Anniversary
最新版の方には、2021年から世界各地でさまざまなモデルに設定されてた「世界GP参戦60周年アニバーサリー」モデルまで用意されてましたよ。クラシカルなストロボカラーもなかなかお似合い。
このエアロックス155VVA、すでに触れたようにエンジンはNMAXなんだし、日本でも発売すれば欲しがる人は結構いそうな気もするけどねぇ。でも、日本で1年かけて売る台数なんて、インドネシアではあっという間に捌けちゃうんだろうな。そもそも「日本で売るくらいならこっちに回せ!」って、現地の販売店が怒りそうだ。
文:小松信夫