タイヤがぺたんこなので交換するのだ
SSTRから帰ってきたら愛用のミシュランM35がぺたんこになってた。
いつもお世話になってるカブのプロショップであるM&Fカビィさんからも、「すぐ交換しないとダメだよ」って言われたので、今回はタイヤのお話。
M35は個人的に最高のカブ用タイヤ
まずはタイヤ選び。
今まで使ってたミシュランM35がとにかく最高だったので、他のタイヤをあんまり考えてなかったのよね。なんせ安い。しかも走りも良い上に、クラシックなパターンが好みにドストライク。
だれにでも胸を張ってオススメできる優秀なタイヤだっただけに、次のタイヤ選びは難しいのよね。
ちなみに廃盤になったけど、流通在庫がカビィさんにはまだ残ってる。下手したらここにしか残ってないんじゃないかな。気になる方はお早めに。
さて。
M35推しだったので、やっぱり次もミシュランが良い。
で、ミシュランでスーパーカブ90に装着できそうな現行アイテムを調べてみたよ。
MICHELINのカブ対応タイヤ
ミシュランのラインナップでカブ系に装着できそうなのを探してみるよ。
17インチ | ||
2.25-17 | 旧スーパーカブ50(前後) | フロントリア共通 |
プレスカブ | フロント | |
スーパーカブ70 | フロント | |
カブ100EX | フロント | |
スーパーカブ110JA07 | フロント | |
2.50-17 | プレスカブ | リア(6PR指定) |
スーパーカブ70 | リア | |
スーパーカブ90 | フロントリア共通 | |
カブ100EX | リア | |
スーパーカブ110(JA07) | リア | |
2.75-17 | CT110ハンターカブ | フロントリア共通 |
クロスカブ110(JA10) | フロントリア共通 | |
60/100-17 | スーパーカブ50(AA04/AA09) | フロントリア共通 |
70/90-17 | スーパーカブ110(JA10/JA44/JA59) | フロント |
スーパーカブC125(JA48/JA58) | フロント | |
80/90-17 | スーパーカブ110(JA10/JA44/JA59) | リア |
クロスカブ110(JA45/JA60) | フロントリア共通 | |
スーパーカブC125(JA48/JA58) | リア | |
CT125ハンターカブ(JA55) | フロントリア共通 |
上記は、カビィさんのサイトからタイヤサイズ表を拝借しました。詳しくはこちらを参照してね。
ちなみに14インチだと、こう。
14インチ | ||
2.50-14 | リトルカブ | フロント |
2.75-14 | リトルカブ | リア |
MD50/70/90 | フロントリア共通 | |
70/100-14 | スーパーカブ50PRO(AA04/AA07型) | フロント |
スーパーカブ110PRO | フロント | |
クロスカブ50 | フロント | |
80/100-14 | スーパーカブ50PRO(AA04/AA07型) | リア |
スーパーカブ110PRO | リア | |
クロスカブ50 | リア |
こちらも詳しくはカビィさんのサイト参照してね。
で、選ばれたのが次の3種類。
ANAKEE STREET(アナキー ストリート)
オン8割、オフ2割という設定の、アドベンチャータイヤ。ゴツゴツのブロックというわけではないけど、オフでは確実に効果を発揮してくれそうなパターンが頼もしい。
そもそもアナキーシリーズは、大排気量アドベンチャータイヤとして人気のブランド。それがついにカブサイズにも登場したって感じ。ハンターカブとかクロスカブとかのおかげかも。
なお、アナーキーじゃなくて、アナキーね。「えらい攻めた名称で最高だなあ」なんて勘違いしてた。
MICHELIN ANAKEE STREET
17インチカブにつきそうなサイズ
2.25-17 38P
2.50-17 43P
2.75-17 47P
City Extra(シティ エクストラ)
CityProの後継タイヤ。ビジネスユースにも対応するバランスの良いモデル。3種の中で迷ったらこれにしとけば間違いなさそう。
商品画像に装着されてるホイールも、どことなく新型カブっぽいし。
M35もそうなんだけどミシュランタイヤといえばレイングリップが凄い。シティエクストラも先代シティプロよりレイン性能を飛躍的に向上させてる。もちろんドライでの性能も問題ないにきまってる。M35ですら感激したし。
あとパターンがえらくカッコ良い。
MICHELIN CITY EXTRA
17インチカブにつきそうなサイズ
2.25-17 38P
2.50-17 43P
2.75-17 47P
70/90-17 43S
80/90-17 50S
PILOT STREET 2
レーシーさを求めるならパイロットストリート2。そもそもミシュランパイロットシリーズっていうブランドをカブに装着できるってのがたまらない。ドライ性能はもちろん、ウェット性能にもぬかりなし。このあたりはミシュランぽさがあふれてる。
MICHELIN PILOT STREET 2
17インチカブにつきそうなサイズ
70/90-17 43S
80/90-17 50S
というわけで、凄く悩んだけどアナキーストリートに決めた!
特にシティエクストラと悩んだのよね。林道師匠のハムノヒトはシティエクストラにしてた。これもかっこいいよなあ。
装着してみる
さて。
アナキーストリートが届いたので早速装着。天気が良い日にやっておかないとね。
タイヤ交換の手順については、以前プロに教わったのでそれを参照してね。
自分はチューブに穴開けるのが得意なので、結束バンドを愛用してる。
カブのタイヤ交換は簡単で良いね
まずはホイールを外して。
で、古いタイヤを取り外し。
個人的なコツとして、外したチューブに一度空気を入れて確認するようにしてる。
なんでかというと、タイヤ外す時にチューブに穴開けたことあるから。
あと、リムバンドもチェック。破れてたりするとパンクの原因だからね。
で、組み付けるんだけどここで最大の注意点。
フロントに装着するときとリアに装着するときで向きが変わるのよ。
進行方向に注意
サイドウォールにこういう表記があるのよ。
つまり前後で向きが変わるのね。くれぐれもお間違えなく。
ちなみに自分の場合は、タイヤ交換時にドラムブレーキ側をいつも手前にしてる。
そうすると、タイヤの進行方向は常に右になるので間違いが少ないのよ。
なんでかっていうとスーパーカブ90の場合は、ドラムは前後とも右側に付いてるからね。
で、念入りに向きを確認したら、あとははめ込むだけ。
こうしてー
硬いタイヤだと、最後の最後がなかなか手で入らないのよね。そういうときはタイヤレバーを併用することも。
でも、アナキーストリートに関しては上質な柔らかさで、手だけでサクッとはまった。
作業時の気温が30度超えだったので、外気温の影響もあるかもしれないけどね。
その後は、車体に取り付けつつ進行方向を最終チェック。
うむ、合ってる。
というわけで装着完了。M35のクラシックなパターンは最高に好きだったけど、アナキーストリートのシンプルなパターンも凄く良いね。主張しすぎない感じが、カブによく似合う。
よーし試運転いってきます!
舗装路での試運転による印象
まずはその辺の普通の道をあちこち走ってみた。
印象としてはしっかりとコシがありつつもほんのり柔らかい。讃岐うどんみたい。
柔らかいコンパウンドを、サイドウォールがしっかりと支えてるって感じ。
今まで使ってたM35は、アナキーストリートと比較すると硬めだった気がしてくる。
で、柔らかいとパワーが食われたりするんだけど、特にそんな印象はなし。ブロックタイヤ履いた時の方が圧倒的に食われてる感あったので、鈍感になってるのかも。
グリップしてるのに転がり抵抗少なく感じる。不思議。
あと、とにかくまっすぐ走ってくれる。ふらつかないし、フロントの挙動が凄く落ち着く。
かといって曲がりにくいわけじゃないのよね。
曲がるときには接地感がしっかりとあってアプローチがすごくやりやすい。なんならUターンも怖くない。
足回りがレベルアップしたみたいな乗り味なのね。ダンパー抜けたリアサスを新品に変えたときみたいというか。
こりゃあ秀逸ですわ。
キャンプツーリングでとことんチェックするぞ
さて、せっかくなので軽くキャンプツーリングでも使ってみたよ。往復約240km。
高速道路とか自動車専用道みたいな有料道路や峠道、そして林道を走ってきたよ。
有料道路を走ってみる
原付二種なので自動車専用道路は基本的に走行できないのよね。でも、愛知には猿投グリーンロードって道がある。高速道路とか自動車専用道路みたいな雰囲気なんだけど一般有料道路。なんなら自転車も通行可能。
制限速度は60km/hなので、走るの自体は問題ないんだけど、割と風が強いのよね。さて、アナキーストリートの巡航性能はいかに。
走ってみた印象として、とにかくノンストレス。
自分のカブは105ccにしてるので、正直シャシーに対してパワーが勝っちゃってる傾向があるのよね。で、こういう大きな道だとシャシーの限界を感じることもあるんだけど、アナキーだとむしろ余裕がある。全然フワフワしないのよ。
加速はもちろん、風や路面変化があっても振られにくいし、ほんと安定してる。足回り変えたかな?ってくらい安定してる。
タイヤだけで変わるもんだね。
今まで余裕がなくてあんま走りたくなかった猿投グリーンロードも、普通に使える。速くなったと言うよりはゆとりが生まれた感じ。
めっちゃ楽になったよ。
峠道を走ってみる
さて、グリーンロードを降りたらあとはひたすら峠道。結論からいうと、最高。
まず、道路の縦溝が平気になるのよ、レコードの溝みたいなやつね。あれ怖いじゃん。
全然気にならない。余裕。下りの縦溝でも全然平気。
縦溝については、SNSでも同じような感想を見たことあるから、みんな同じ印象なんじゃないかな。
で、コーナーもめちゃめちゃ気持ち良い。特に下りコーナーは別次元。
カブ90はフロントがボトムリンクだし、ビジネスバイクだしってことで気持ちのどこかで「カブはこんなもの」ってイメージがあるんだけど、それがもうめちゃめちゃ良くなる。
もちろん上手な人はそんなの関係なくスムーズに走るんだろうけど。
コーナーのアプローチでもストレスないし、すいっと舵角がついてそのまま破綻なく曲がり切ってく。
登りはエンジンパワーがないんであんま影響を感じないけど、下りがめちゃめちゃ走りやすくなるのよ。で、怖さとか不安感が減るから、肩に力はいらず余裕もって走れる。まさに正のスパイラル。
ほんとすごいよこのタイヤ。自分みたいなへたっぴには効果絶大すぎてちびりそう。
林道とか未舗装路を走ってみる
最後は林道。フラットダートとか、ややガレた道を走ってみたけど、普通に調子が良い。感じたポイントとしては、路面変化で横に持ってかれることが明らかに減ってる感じ。
ただ、なめるようにとことこ走ってるので、舗装路に比べると違いが分かりにくいのよね。
後日、未舗装路をおかわりしてきた
ツーリング途中の林道が林道すぎてわかりにくかったので、後日もう少しフラットなシチュエーションも走ってきたよ。
まずは草に覆われた道。道自体は部分的に舗装されてるんだけど、思いっきり草に浸食されてる。
こういう道って滑りやすいのよね。左右に振られるとストレスなんだけど、外乱に強いみたいで、トコトコ走る分にはなんも感じることなく普通に通過できた。
普通にっていうとアレだけど、アナキーじゃなかったら横滑りしてかなり気を使ってたはず。普通凄い。
お次はフラットダート。ダートというか未舗装路ですね。
ガレてるわけでもない、キャンプ場とか未舗装の通路、駐車場で良く見るシチュエーション。
余裕でした。この程度ならM35でも問題ないんだけど、M35と違ってタイヤを持ってかれる感じがほぼ無い。これなら多少の不整地でも怖さ感じないですわ。
よくあるのが、キャンプ場の敷地とかで砂利道になるじゃん。そういうときにロードタイヤだと気を遣うんだけど、アナキーなら不安無し。
少しの差なんだけど、長距離走ってヨボヨボな時には、これが非常に効果的なのよね。
ラストは雨の中
割といろんなシチュエーションで走ることが出来たので満足してたら「雨の中も走行してみて」との意見を頂戴いたしまして。
実は雨の日はほとんど走らない上に、そもそもM35履いてた時に雨だからといって不安を感じたことがないんですよね。
どうしようかと悩んでたら、ちょうど雨がざんざか振ってきたので、ワークマンのイナレムを着て走ってきたよ。
普通に走る分には、特に気を使うことなし。白線の上だろうが、路面状況が変化してようが、多少のことならストレスフリー。M35もそうだったけど、レインコンディションでも不安がないのはさすがのミシュラン。
雨の日って、気持ちよく走れるとかよりも、不安なく走れるかどうかのが大事だと思うんだけど、そりゃあもうバッチリ。
なお、雨量はおよそ2mmくらい。結構降ってた。
せっかくなので、より悪条件を求めて草の生い茂る道路も走ってきたよ。
さすがに濡れた草の上だと、時々左右に軽く振られることもあった。逆にいえばここまでの状況にしてやっと外乱がちょっと気になるレベル。すごいわ。
雨の日に峠の縦溝を走ったらどうなるかはちょっと気になるけど、普通に問題なく走っちゃう気がする。
ちなみにワークマンのイナレムは、蒸れも少ないし動きやすいし凄く快適だった。ただ、一時間位走ったらちょっとしっとりしてきた気がする。耐水圧20000mmってあるけど、バイク専用のカッパよりは弱いね。
尻部分が結構早い段階でしっとりしてきてイヤンだったんだけど、帰宅してチェックしたらさほど濡れてなかった。座ってる都合上、湿度の透過がうまく行かなくて、尻に湿気がたまったのかも。
まとめ
今まではM35が最高だと思ってたけど、これはちょっと別次元ですね。良すぎるくらいに良い。
バイクが一回りグレードアップしたんじゃないかってくらい良くなるよ。サス変える前にとりあえずアナキー履いてみたら、ってくらい。
しかも人気のアドベンチャータイヤってのがまた良いね。これでSSTRの千里浜も怖くないぞ。
レポート:若林浩志/タイヤ提供:日本ミシュランタイヤ株式会社