カワサキ×ビモータのコラボモデルの第二弾となるKB4がついに日本上陸、試乗のチャンスを得ることができた。ニンジャ1000SXのパワーユニットをオリジナルの超軽量シャシーに組みわせた、新生ビモータの走りはどんなものなのか?
文:宮崎敬一郎、オートバイ編集部/写真:赤松 孝

ビモータ「KB4」インプレ(宮崎敬一郎)

画像: bimota KB4 総排気量:1043cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 シート高:810mm 車両重量:194kg 税込価格:437万8000円

bimota KB4

総排気量:1043cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
シート高:810mm
車両重量:194kg

税込価格:437万8000円

ビモータらしい俊敏さと扱いやすさのハーモニー

ビモータはイタリアの老舗カロッツェリア。市販車両のエンジンに手の込んだオリジナルフレーム、外装、スペシャルショックなどを組み合わせる手法で、数多くの独創的なスポーツバイクを世に出してきた。

このKB4はそんなビモータの最新モデル。カワサキとコラボし、ニンジャ1000SXのエンジンやマフラー、電子制御パワーマネージメントシステムなどをオリジナルシャシーに搭載。奇抜なデザインが多いビモータ車の中でも珍しいビンテージテイストのフォルムで、独特の雰囲気を醸し出している。

さらに、極限までエンジンを前寄りに搭載して前輪荷重を稼ぐため、邪魔なラジエターをシート下に配置したレイアウトを採用。そんな独自の車体構成を取りながら、車重は194kgと非常に軽い。そんな車体に140馬力以上のパワーを突っ込んでいるわけだが、エンジンの仕様は全てニンジャ1000SXのまま。このエンジン設定がもたらす扱いやすさが大きな魅力となっている。

画像: ビモータ「KB4」インプレ(宮崎敬一郎)

KB4のキャラクターは、峠道など、スポーツシチュエーションで本領を発揮するもの。並のリッタースーパースポーツよりも軽快に身を翻し、強力な旋回性を生む。タイトでクイックな峠道から、サーキットレベルの高速コーナリングまで、強力な旋回性と身軽なライン調整力を維持する。そこで、扱いやすいニンジャパワーとバランスの取れた前後のオーリンズサスが威力を発揮。難しい荷重コントロールなど要求せずに、すんなりと強力なスタビリティを生む。これが魅力だ。

オーリンズ製サスの作動性はすばらしく、街中レベルの路面の荒れも上手く吸収する上質な動きをする。6速100km/hの回転数は4300回転ほど。ニンジャ1000SXより42kgも軽いので、そこからの追越しダッシュはニンジャが1速シフトダウンしたほどの勢いだ。

ただ、残念ながら、その辺りからハンドルに硬い振動が出てくるし、極低速ではニンジャ譲りの重たいマフラーが、微妙に車体を右に傾けるような感触がある。強い前傾のライポジを含め、のんびりツーングをするにはストレスのタネは意外とある。

KB4は、乗ってみればビモータらしいスパルタンなスポーツモデル。ただ、その扱いやすさを活かして、多くのライダーに軽量スポーツの醍醐味を楽しませてくれる能力を持った数少ない「ビモータ」でもある。

画像: 往年のKB1をモチーフとしたスタイリング。ホイールベースは1390mmで600SSなみのコンパクトさ。車重はわずか194kgだ。

往年のKB1をモチーフとしたスタイリング。ホイールベースは1390mmで600SSなみのコンパクトさ。車重はわずか194kgだ。

This article is a sponsored article by
''.