文:太田安治、オートバイ編集部/写真:南 孝幸、島村栄二/モデル:木川田ステラ
ホンダ「グロム」インプレ(太田安治)
ストリートでの楽しさを大きく高めた仕上がり
「ユーザーが手軽にカスタマイズできる」ユニークなコンセプトのグロム。車体は前モデルをベースに、外装を一新してハンドル/シートを変更。グリップ位置が高くなって上半身のリラックス度も増し、大柄なライダーにも窮屈さを感じさせない。
注目ポイントは5速ミッションの採用。従来の4速ミッションは扱いやすい反面、各ギアのレシオ差が大きく、登り坂やコーナーでパワー不足やギクシャク感が出ることがあったのに対し、今回採用された5速ミッションは自然な繋がりで加減速もスムーズだ。
ピークパワーはほぼ同じだが、最高速に到達するまでの時間は現行型の方が短いはず。これはサーキットでも大きな武器になる。ちなみに、60km/h巡航時は4速で5000回転、5速だと4000回転。市街地なら4速までを多用して、郊外のクルージングは5速でゆったり、という使い方もいいだろう。
感心したのはロングストロークの新エンジン。5000〜7000回転あたりの反応が良くなっていることが印象的で、特に6000回転近辺での力強さはストリートライディングの楽しさを大きく引き上げている。
小径ホイールとコンパクトな車体でコロコロと転がるようなコーナリング特性と硬めのサスペンション設定が生むキビキビした操縦性に、爽快感を増したパワー特性がプラスされ、グロムはよりスポーティな走りが楽しめるように進化した。
ホンダ「グロム」ライディングポジション・足つき性
シート高:761mm
ライダーの身長・体重:163cm・42kg
コンパクトな車体サイズだが、新型はハンドルが高くなり、シートの段差がなくなったことで大柄なライダーでもゆったりしたライディングポジションが取れる。761mmのシート高で足着き性がいいこともグロムの美点だ。
ホンダ「グロム」注目ポイント
ホンダ「グロム」主なスペック・価格
全長×全幅×全高 | 1760×720×1015mm |
ホイールベース | 1200mm |
シート高 | 761mm |
車両重量 | 102kg |
エンジン形式 | 空冷4ストOHC単気筒 |
総排気量 | 123cc |
ボア×ストローク | 50.0×63.1mm |
圧縮比 | 10.0 |
最高出力 | 7.4kW(10PS)/7250rpm |
最大トルク | 11N・m(1.1kgf・m)/5500rpm |
燃料タンク容量 | 6.0L |
変速機形式 | 5速リターン |
キャスター角 | 25°00′ |
トレール | 81mm |
タイヤサイズ(前・後) | 120/70-12 51L・130/70-12 56L |
ブレーキ形式(前・後) | シングルディスク・シングルディスク |
メーカー希望小売価格 | 38万5000円(消費税10%込み) |
文:太田安治、オートバイ編集部/写真:南 孝幸、島村栄二/モデル:木川田ステラ