カワサキの現行ラインアップで唯一の原付二種・公道走行可能車となる「Z125プロ」。カワサキが誇るZシリーズの末弟として、スポーティな走りとデザインで好評を博している。しかし、2022年度以降の国内導入の予定はないことをカワサキは発表し、すでに希少な一台となりつつある。
文:太田安治、オートバイ編集部/写真:赤松 孝/モデル:木川田ステラ

カワサキ「Z125 PRO」インプレ(太田安治)

画像: Kawasaki Z125 PRO 総排気量:124cc エンジン形式:空冷4ストOHC2バルブ単気筒 シート高:780mm 車両重量:102kg 税込価格:35万2000円

Kawasaki Z125 PRO

総排気量:124cc
エンジン形式:空冷4ストOHC2バルブ単気筒
シート高:780mm
車両重量:102kg

税込価格:35万2000円

軽快でシャープな走りはZシリーズならでは!

Zシリーズの末弟・Z125の日本仕様は4速マニュアルミッション採用のZ125 PRO。ボリュームのあるタンク形状やシュラウド、フロントマスクやテールライトの形状はZシリーズにふさわしいデザインだ。

走り出してすぐ気づくのは、水平に近い角度にセットされた空冷エンジンのピックアップが素晴らしいこと。低回転域でのトルクが豊かで、ゼロ発進が力強い上、そこから8000回転までは一気に吹け上がって小気味よく加速し、約1万回転でリミッターが効くまで軽やかに回る。どの回転域でも不快な振動はなく、レスポンスもエンジンブレーキの効きも自然だから、ストリートユースにピッタリだし、マニュアルミッションを活かしたキビキビした走りにも応えてくれる。

コンパクトな車体を活かしたフットワークの軽さも美点で、前後サスを含めた車体の剛性バランスが高く、タイヤの接地感がしっかり伝わってくる。ライバルとなるホンダのグロムはどっしりと落ち着いた操縦性だが、Zはほぼ同じ車格ながら、軽快でシャープなハンドリングに仕立てられている。

カワサキ自慢のストリートファイター・Zをデフォルメしたような可愛いルックスだが、Z125はエンジンフィールやハンドリングにメリハリがあり、ライダーの操作に対する反応が分かりやすいスポーツバイク。思わずヤンチャな走りにチャレンジしたくなるほど元気いっぱいの1台だ。    

カワサキ「Z125 PRO」ライディングポジション・足つき性

シート高:780mm
ライダーの身長・体重:163cm・42kg

画像: カワサキ「Z125 PRO」ライディングポジション・足つき性

小柄な車格ながら、ライディングポジションはフルサイズモデルと大差なく、窮屈さはない。780mmのシート高はライバルのグロムより30mm高く、車体の重心位置を高くして鋭いハンドリング特性を得ている。

カワサキ「Z125 PRO」注目ポイント

画像: 旧KSR用から発展した124cc空冷単気筒ユニット。4速ミッションにマニュアルクラッチを組み合わせ、スポーティな走りが可能だ。

旧KSR用から発展した124cc空冷単気筒ユニット。4速ミッションにマニュアルクラッチを組み合わせ、スポーティな走りが可能だ。

画像: Zシリーズの「Sugomi デザイン」の流れを汲むシャープなマスクデザインは個性際立つ顔つき。ヘッドライトはハロゲン。

Zシリーズの「Sugomi デザイン」の流れを汲むシャープなマスクデザインは個性際立つ顔つき。ヘッドライトはハロゲン。

画像: メーターは多機能で、125ccクラスの中でも豪華な部類。ギアポジションインジケーターや燃料計、時計、などを表示する。

メーターは多機能で、125ccクラスの中でも豪華な部類。ギアポジションインジケーターや燃料計、時計、などを表示する。

カワサキ「Z125 PRO」主なスペック・価格

全長×全幅×全高1700×750×1005mm
ホイールベース1175mm
最低地上高155mm
シート高780mm
車両重量102kg
エンジン形式空冷4ストSOHC2バルブ単気筒
総排気量124cc
ボア×ストローク56.0×50.6mm
圧縮比9.8
最高出力7.1kW(9.7PS)/8000rpm
最大トルク9.6N・m(0.98kgf・m)/6000rpm
燃料タンク容量7.4L
変速機形式4速リターン
キャスター角26.0°
トレール量69mm
タイヤサイズ(前・後)100/90-12 49J・120/70-12 51L
ブレーキ形式(前・後)Φ200mmシングルディスク・Φ184mmシングルディスク
メーカー希望小売価格35万2000円(消費税10%込)

文:太田安治、オートバイ編集部/写真:赤松 孝

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