ホンダのスクーター・ブランドとして伝統がある「Dio(ディオ)」。かつては50ccも展開されていたが、現在国内では「Dio110」をラインナップ。2021年にフルモデルチェンジを果たし、スマートキーシステムを採用するなど魅力を高めている。
文:太田安治、オートバイ編集部/写真:南 孝幸

ホンダ「ディオ110」インプレ(太田安治)

画像: Honda Dio110 総排気量:109cc エンジン形式:空冷4ストOHC2バルブ単気筒 シート高:760mm 車両重量:96kg 税込価格:24万2000円/24万5300円(マットカラー)

Honda Dio110

総排気量:109cc
エンジン形式:空冷4ストOHC2バルブ単気筒
シート高:760mm
車両重量:96kg

税込価格:24万2000円/24万5300円(マットカラー)

毎日快適に走ることができるジェントルな性格

前後14インチホイール採用の車体に、扱いやすさと静粛性を重視した4ストエンジンを組み合わせるディオ110。現行型はエンジン、車体ともに2021年2月に一新されて登場した。

そのキャラクターは非常にジェントル。どの速度域でも振動が少なく、排気音も静かでストレスを感じない。特筆すべきはスロットルのオン/オフによる車体姿勢の変化がないに等しく、停止直前まで繋がっている遠心クラッチが自然なエンジンブレーキ効果を発揮するので、渋滞路のような低速域で速度が調整しやすいこと。トルク変動の穏やかなエンジン特性と、遠心クラッチ/オートマチックが巧みに設定されていることを実感する。

この優しい感覚は走行中の特性も同じ。前後14インチタイヤで荒れた路面でも安定性を失わず、ソフトなサスペンションと剛性バランスを一新した新設計プレスフレームが路面からの衝撃を車体全体で吸収。乗り心地もハンドリングも優しく、安心して乗れる。

実用モデルらしい装備がフラットフロアと前後に長いシート。フラットフロアは乗り降りが楽だし、荷物の一時置きにも使えて便利。着座位置の自由度が高いシートはライダーの体格を問わず、タンデムでも窮屈さがない。派手さはないが、誰もが恩恵を受ける部分だ。

車両価格は24万円台と安く、スマートキーやふた付きフロントインナーボックスなど、装備面も進化している。通勤通学、買い物など、移動の足には最適だ。

ホンダ「ディオ110」ライディングポジション・足つき性

シート高:760mm
ライダーの身長・体重:176cm・62kg

画像: ホンダ「ディオ110」ライディングポジション・足つき性

フラットフロアで足元が広く、着座位置自由度の高いシートと併せてライディングポジションに窮屈さはない。前後14インチタイヤながらシート高は760mmと低めで、身長150cm台の小柄なライダーでも安心して乗れる。

ホンダ「ディオ110」注目ポイント

画像: エンジンはボア、ストロークを変更してロングストローク仕様とした新世代の空冷eSPユニット。圧縮比も高められた。

エンジンはボア、ストロークを変更してロングストローク仕様とした新世代の空冷eSPユニット。圧縮比も高められた。

画像: トランクスペースは17.7リットルから18リットルへと拡大。形状にもよるが、フルフェイスヘルメットも1個収納可能だ。

トランクスペースは17.7リットルから18リットルへと拡大。形状にもよるが、フルフェイスヘルメットも1個収納可能だ。

画像: スマートキーシステムを採用。キーフォブを携帯すれば、イグニッションのON/OFFと、シートの開閉が操作ができる。

スマートキーシステムを採用。キーフォブを携帯すれば、イグニッションのON/OFFと、シートの開閉が操作ができる。

ホンダ「ディオ110」主なスペック・価格

全長×全幅×全高1870×685×1100mm
ホイールベース1255mm
最低地上高150mm
シート高760mm
車両重量96kg
エンジン形式空冷4ストSOHC単気筒
総排気量109cc
ボア×ストローク47.0×63.1mm
圧縮比10.0
最高出力6.4kW(8.7PS)/7500rpm
最大トルク9.0N・m(0.92kgf・m)/5750rpm
燃料タンク容量4.9L
変速機形式Vベルト無段変速
タイヤサイズ(前・後)80/90-14M/C 40P・90/90-14M/C 46P
ブレーキ形式(前・後)シングルディスク・ドラム
メーカー希望小売価格24万2000円~24万5300円(消費税10%込)

文:太田安治、オートバイ編集部/写真:南 孝幸

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