A級1位 冨永 崇選手&NSR250R / 1分22秒352
5月の第2戦で今シーズン初勝利を飾った冨永選手&NSR250R。2ヶ月のインターバルを挟んで行われたこの第3戦では、ダンロップから国内発売が始まったばかりの新しいハイグリップタイヤである「スポーツマックスQ5」を装着して走る初めての大会となった。しかし新しいデータの無いタイヤ、「様子を見ながら走った」という第1ヒートで、1分23秒171と暫定2位の中嶋選手をほぼ0.5秒引き離すタイムをマークして暫定トップに。
そして第2ヒートでは、路面温度が高まりコンデイションが悪化する中、第1ヒートの走りからフィードバックを得て、より限界近くまで攻め込んだアタックを見せる。そしてただ1人だけ23秒を切る1分22秒352まで、約0.8秒もタイムを削ることに成功して危なげなく2連勝を決めた。この強烈なタイムによって今回の大会、トップタイム比によって決まるシードクラスへの昇格者はゼロとなっている。
「Q5は初めて使ったんですけど、Q4よりも強力なグリップを活かせて速く走れました。今回はリアのサイズが160だったんですけど、今度出る150を早く試したいです。このマシン本来のサイズなんで、バランスはいいはず」と、喜びながら、さらにQ5から速さを引き出せることも匂わせていた。
A級2位 中嶋秀和選手&TZR250R / 1分23秒697
NSRが最強の座に就き続けている2輪ジムカーナだが、少数派のTZRユーザーながらNSRと互角の速さを見せて来た中嶋選手&TZR250R。第1ヒートでは持ち前の鋭いターンでセクションをクリアして1分23秒697を記録し、冨永選手に続く暫定2位となる。
タイムアップで逆転を狙う第2ヒートだったが、照りつける太陽で路面温度が高まったこともあって、全開アタックもタイムに結びつかず、1分24秒052。冨永選手を逆転することも、タイムの更新もできなかった。それでも第1ヒートのタイムによって総合2位。
A級3位 池田秀一選手&NSR250R / 1分24秒321
文句無しの速さを持っている池田選手&NSR250R。第1ヒートのアタックでは1分24秒171をマークして冨永選手、中嶋選手に続く暫定3位と思われたが、ペナルティを取られて1秒加算を受ける。それでも暫定5位。雪辱を狙う第2ヒートでは、第1ヒートよりもタイムを落とす選手が多い中、1分24秒321とペナルティ加算前のタイムをも上回って見せる。もちろん今度はペナルティ無し! 第1戦、第2戦と連続4位だったが、今回は3位に順位を上げている。
A級4位 三崎雅也選手&DR-Z400SM / 1分24秒780
トップ3にNSR、TZRと2ストレプリカが並んだが、4スト最上位となった4位には三﨑選手&DR-Z400SMが入っている。DR-Zの軽快さと瞬発力をしっかりと発揮させながら、肩がパイロンに接触するんじゃないか? と思ってしまうほどの非常に深いバンク角でコース狭しと駆け回り、第2ヒートで1分24秒780というタイムを記録、総合4位に食い込んで見せた。
A級5位 辻家治彦選手&GSX-R1000 / 1分24秒979
大排気量マシンを軽々と操り、NSRやモタードを相手に互角の速さを見せて会場を沸かせるのが辻家選手&GSX-R1000。今回の見せ場は第2ヒート、路面温度上昇でコンディションが悪化する中、いつも通りGSX-R1000のパワーを振り絞る豪快なライディングでコースを走り抜け、第1ヒートでのタイム1分25秒台からタイムアップ。1分24秒979を叩き出して5位、もちろんSB級(シード・ビッグバイククラス)でもトップ。ちなみに辻家選手もリアタイヤにQ5を装着していた。
A級6位 広瀬 章選手&NSR250R / 1分25秒112
ベテランのNSR使いである廣瀬選手&NSR250R。今回は第1ヒートは不発で1分28秒354、しかもペナルティを取られ1秒加算も受けて暫定21位に沈んでしまった。しかし第2ヒートでは、きっちりとクリーンに、速さを発揮するアタックを決めて1分25秒112まで一気にタイムアップ。2戦連続で総合6位となった。
A級7位 松本 崇選手&MT-03 / 1分25秒564
A級8位 矢嶋 尊選手&GPMR-250X / 1分25秒589
A級9位 早川耕平選手&DR-Z400SM / 1分25秒887
A級10位 角谷岳司選手&YZ250X / 1分25秒948
松本選手&MT-03が1分25秒564で7位、矢嶋選手&GPMR-250Xが1分25秒589、早川選手&DR-Z400SMは1分25秒887。そして角谷選手&YZ250Xが1分25秒948。6位の廣瀬選手以下10位の角谷選手まで、トップ10の後ろ半分が1分25秒台の中にひしめくという、僅差での争いとなっていた。
今回のオートバイ杯第3戦のレポートは月刊『オートバイ』の誌面上でも掲載予定。二輪ジムカーナに関連する各種情報はオートバイ杯の運営行なっているJAGE(二輪ジムカーナ主催者団体協議会)のホームページで確認できる。また、ジムカーナイベントの日程に関しては、全国各地を網羅しカレンダー形式で使いやすい「モトジムカーナカレンダー」もお勧め。
また、YouTube上でジムカーナ関連動画を公開し、今回もオートバイ杯の動画ライブ配信を行っている「Ramkhana」チャンネルでは、今回の大会の配信アーカイブや、さまざまなジムカーナに関する動画が楽しめる。
◆撮影機材協力 / パナソニック
使用機材:Panasonic LUMIX GH6 / LUMIX GH5II LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm / F4.0-6.3 ASPH. / POWER O.I.S. LEICA DG VARIO-ELMARIT 50-200mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S. LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S.