文:太田安治/写真:南 孝幸
アールエスタイチ「リキッドウインド」の特徴
RS TAICHI LIQUIDWIND
RSP505 | リキッドウインド 保冷ボトルキット:税込6,050円
RSU500 | リキッドウインド アンダーシャツ:税込4,730円
RSU501 | リキッドウインド エアフローベスト:税込5,940円
冷却水と走行風で冷やす「着るラジエーター」が進化!
化粧品メーカーのマンダムと共同開発したリキッドウインドウォーターを首元に送って専用シャツを濡らし、走行風を浴びて気化熱で冷やすという、水冷エンジンのラジエターのような構成のウエアシステム。2021年発売してヒット商品となり、2022年は専用の保冷ボトルも登場した。
複数のアイテムで構成されているが、まずは自分のサイズに合った「アンダーシャツ」と「保冷ボトルキット」、「リキッドウインドウォーター」を揃えれば使用可能。より高い冷却効果を望むなら「エアフローベスト」を追加するといい。各パーツを破損または紛失しても単独で購入できるというのも安心だ。

ボトルのトリガーを引くことで冷却水が圧送され、首元と背中を濡らすシステム。大きめのトリガーで素早く確実に操作できる。

トリガーを握ってポンピングすると冷却水が首に回したチューブに圧送され、2カ所の穴から吹き出す。
【公式動画】2022 LIQUIDWIND ~猛暑をクールに駆け抜ける~
www.youtube.comアールエスタイチ「リキッドウインド」使用レビュー
個人的に2021年モデルを使っているので効果は熟知している。今回は新作の保冷ボトルを組みあわせて使ってみたところ、噴射した瞬間は「ひゃっ!」と声が出るほど冷たい。強烈な冷たさは噴射直後だけだが、通常ボトルの生暖かい冷却水に比べて涼感は大きく向上している。
アールエスタイチのデータでは[室内温度35℃/湿度70%/風速6m(20km/h相当)で表面温度が5.2℃下がる]とのこと。大雑把に言えば濡れたシャツを着て走っているのと同じなので、涼しいのは当然。さらにメントールの涼感もあり、調子に乗って冷却液を出すと寒く感じるほどだ。難点はシャツを脱ぎ着するたびに送水パイプを外す必要があることと、冷却水のコストが掛かることだ。

吹き出した冷却水は両肩と背中を濡らし、徐々に広がっていく。感覚的には胸から背中までの全体に涼しさを感じる。

容量300mlの専用冷却水には涼感を高めるメントールと防臭成分を配合。個人的な使用経験から言うと、真夏の炎天下を丸一日走る環境で2本消費する程度だ。
冷却水(RSP501 | ギャツビーリキッドウインド ウォーター)は300mlで税込660円。
アールエスタイチ「リキッドウインド」サーモカメラ検証

【装着前】

【装着後】
60km/h走行程度の風圧を再現するため、約2mの距離から工業用大型扇風機で送風しながらテスト。冷却水がアンダーシャツに染みている上側の温度はみるみる下がっていった。
【使用したサーモカメラ】

インフレック R450Pro
サーモカメラの国内トップメーカー「日本アビオニクス社」が開発した高画質・高精細な熱画像撮影が可能な「インフレック R450 シリーズ」のフルスペックモデル。測定温度範囲はマイナス40℃〜1500℃をカバーし、時系列データの計測を行うR&D分野や、常温から加熱して連続的な温度変化を観察するような溶接時の蓄熱・放熱のプロセス解析などにも対応する。
協力:日本アビオニクス株式会社
文:太田安治/写真:南 孝幸